アジア最大級！越境EC「ピンコイ」のメルマガ配信事情

メルラボをご覧のみなさん、こんにちは！ライターのまこりーぬ（@makosaito214）です。連載「まこりーぬが行く！メールマーケティングの現場に潜入取材！」の第21弾をお届けします。

みなさんは、グローバル通販サイト「Pinkoi（ピンコイ）」をご存じですか？

日本ではなかなか購入できない海外の文房具やファッションアイテムが1,200万超も揃っている、台湾発の越境ECです。

https://jp.pinkoi.com/

今回はそんなピンコイ社のマネージャーである別所ゆかりさんにお時間をいただき、メルマガのKPIや配信頻度、こだわりポイントをうかがいました。EC運営者のみなさん、ぜひご覧ください！

ピンコイ株式会社 マーケティング コミュニケーションズ マネージャー　別所 ゆかり さん
大学卒業後、ネット専業広告代理店やデジタルエージェンシーで、化粧品やファッション、食品など日系クライアントのデジタルプロデューサーを経験。その後、大学時代に交換留学をして以来、大好きな台湾に関わる仕事がしたいと決意し、ピンコイに入社。マーケティングコミュニケーションズマネージャーとして、ピンコイのSNSやメルマガなどオウンドチャネルを統括している。

1日1通、スタッフ厳選のかわいい商品をお届け

まこりーぬ：カラフルでユニークなアイテムがずらりと並んだピンコイさんのメルマガ、見ているだけでとっても楽しいですね！ ついつい商品が欲しくなってしまいます。

まこりーぬ：それになんと言っても、「ファーストビューにCTA」というメールマーケティングの勝ちパターンがしっかり踏襲されている点がとてもすばらしいです……！！！（涙）

別所：このメールテンプレートはたしか、配配メールさんのノウハウ記事を参考に作ったんですよ。おかげさまでクリック率も高く、弊社はもうこのテンプレート1本でいくと決めています。

まこりーぬ：なんと、そうでしたか！ 配配メール一同嬉しい限りです（涙）。こうしたメールはどれくらいの頻度で配信されているのでしょうか？

別所：弊社が国内会員のみなさまにお送りしているメールは大きく2つに分かれます。1つは全会員に定期配信している上記のメルマガで、もう1つはカゴ落ちや商品閲覧などお客様の行動にひもづき自動配信されるメールです。私たちは前者の配信を担当していて、後者は台湾本社が管理しています。

定期配信のメルマガはおよそ1日1通、スタッフが厳選したおすすめ商品をテーマごとに紹介しています。

まこりーぬ：商品紹介がメインということは、やはりKPIは売上ですか？

別所：売上も見てはいます。ただ、ピンコイはまだまだ成長過程にあり、まずはサイト訪問者を増やさなければならないフェーズにあります。そのためメルマガでもっとも重視しているのは「セッション数」。メールをきっかけにどれだけの人がサイトを訪問してくれたのかをKPIに置いています。

まこりーぬ：なるほど。素朴な疑問なんですが、セッション数がKPIであれば「もっと頻度を増やそう」という話にはならないのでしょうか？

別所：自動配信メールの数もわりと多いので、これ以上メルマガの頻度を高めるとサービスへの嫌悪感が生まれてしまうのではないかという懸念があります。「1日1通、ピンコイから届くメールを楽しんでいただく」くらいがちょうどいいのかな、と考えていますね。

まこりーぬ：工数の問題ではなく、嫌悪感への配慮から1日1通という判断なんですね。

まこりーぬ：BtoCの場合、メールだけでなくアプリやLINEも活用する企業様が多いかと思いますが、ピンコイさんはいかがでしょうか？

別所：現在LINEは運用を止めていますが、アプリは活用しています。

アプリをダウンロードしてくださっているのはやはりロイヤルカスタマーであり、ピンコイの売れ筋商品である「文房具」のファンであることが多いと分かっています。そのため、プッシュ通知は文房具の紹介を多めに取り入れていますね。

まこりーぬ：プッシュ通知はどれくらいの頻度で送っているのでしょうか？

別所：メルマガ同様、ほぼ毎日送っています。ただ1配信あたりのサイト訪問者数は、メルマガのほうが圧倒的に伸びます。アプリの場合はおそらく、通知を切っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

情報発信の軸は「1顧客として自分がどう思うか」

まこりーぬ：続いて、メルマガにおける成功・失敗エピソードをぜひ教えてください。

別所：もっともセッション数が伸びるのは「韓国雑貨」「中華ファッション」といった、地域別の特集を組んだときです。やはりピンコイのお客様は「海外から商品を購入したい」という気持ちを強く持っていらっしゃるので、地域性を出すと反応率が高まる傾向があります。

一方で「春ファッション」といった、他のECでもよく見かけるような特集はそこまで反応がよくありません。こうした結果を踏まえ、ピンコイでは「いかに独自性を出すか」を重視してテーマや商品を選んでいます。ピンコイでしかできない企画、ピンコイでしか見つからない商品を優先するようにしていますね。

まこりーぬ：たしかに「ピンコイならでは」であればあるほど、クリックする動機が生まれますもんね。

別所：あとは意外と、「セール」ゴリ押しのメルマガはセッション数が伸びないんです。なので年に数回の本当にお得なビッグセール以外、メルマガでセールやクーポンを前面に出すことはそれほど多くありません。

まこりーぬ：クーポンをガンガン発行して購入につなげるECも多いなか、その方針には驚きました！

別所：マーケティングコミュニケーションを担うチームとしては、あくまでお客様が欲しい情報を届けることを優先しています。お客様に喜んでいただけるお得なセールであれば積極的に案内しますし、少額のクーポンであれば「商品紹介メールのなかにさりげなくクーポン情報を入れ込む」ようにしています。

まこりーぬ：別所さんとお話ししていると、「お客様視点」をとても大事にされていることがひしひしと伝わってきます……！（涙）

別所：そう言っていただけて嬉しいです。「自分が1人のお客様だったら、その情報発信を見てどう思うのか」という感覚をふだんから大切にしています。

あわせてチームメンバーによく伝えているのは、「自分が心からかわいいと思う、本当に欲しいと思う商品を紹介しよう」ということ。ウソのない情報発信を心がけています。

“越境” のハードルを下げるために

まこりーぬ：最後に、メールマーケティングにおいてこれからチャレンジしたいことをぜひ教えてください！

別所：「国を越えて商品を購入すること」は、多くの人にとってとてもハードルが高いことです。なのでその壁を取り除けるようなコミュニケーションに注力したいと考えています。

具体的には、スタッフをもっと前面に立たせるつもりです。「この商品はこうやって使うのがおすすめです！」と顔写真付きでコメントを添えれば、お客様と商品のあいだにある距離を少し縮められるのではないかと思っています。

InstagramやYouTubeではすでにこうした「顔出しの情報発信」を始めているので、今後メルマガにも取り入れていきたいですね。

まこりーぬ：たしかにスタッフのみなさんが利用している様子が見えると、海外商品であっても安心して購入できそうですね。ピンコイの情報発信、これからも楽しみにしています！

まとめ

越境EC「ピンコイ」のメルマガ配信事情

• ・全会員に定期配信するメルマガと、お客様の行動にひもづき自動配信されるメールの2種類
• ・メルマガは1日1通、スタッフ厳選のおすすめ商品を紹介
• ・「ファーストビューにCTA」という勝ちパターンのテンプレートを利用
• ・メルマガのKPIは「どれだけの人がサイトを訪問したのか」というセッション数
• ・もっともセッション数が伸びるのはピンコイならではの地域別特集
• ・自分が心からかわいいと思う、本当に欲しいと思うものを紹介する

ピンコイのメルマガから感じられるワクワク感を生み出しているのは、別所さんはじめスタッフのみなさんの「この商品を心からおすすめしたい！」という気持ちである、ということに気づけた取材でした。

ピンコイさんのようにテーマの企画や商品選びに力を注ぐためにも、メールテンプレートは配配メールが実証済みの勝ちパターンをぜひご利用ください！

以上、まこりーぬがお届けしました！

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まこりーぬ

しばしばマーケティング関係の取材記事を書きます。本業は株式会社LIGのマーケター、ご縁あって複数の会社で副業中。ファンシーなあだ名ですが当の本人は真面目です。どうぞお気軽に。

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