平均開封率60%!「PostCoffee」のメールが愛される理由

平均開封率60%!「PostCoffee」のメールが愛される理由

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メルラボをご覧のみなさん、こんにちは!ライターのまこりーぬ(@makosaito214)です。連載「まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!」の第22弾をお届けします。

今回は、累計会員7万人を超える、スペシャルティコーヒーのサブスクや通販を運営する「PostCoffee」さんのもとへ取材にやってきました! 私も1ファンとして利用しているサービスでして、このような機会をいただけてとても光栄です(涙)。

平均開封率60%!「PostCoffee」のメールが愛される理由

https://postcoffee.co/

当取材では、通販のなかでもとくに「サブスク」ならではのメールの活用法・注意点をうかがいました。全国のサブスク事業者のみなさま、ぜひご参考ください!

 

POST COFFEE株式会社 代表取締役 下村 領 さん
2005年にウェブサイト制作、グラフィックデザインなどを主軸にしたクリエイティブ会社を下村祐太朗(COO)と共同で創業。2013 年、東京都渋谷区富ケ谷にコーヒー屋兼コワーキングスペース「メイカーズコーヒー」をオープン。それらの経験を活かし、2018 年に「コーヒー×テクノロジー」のスタートアップ、POST COFFEE株式会社を創業し、その翌年にサブスクリプションサービス「PostCoffee」を開始。

注文から商品が届くまでに「5通」配信

まこりーぬ:下村さん、本日はお時間いただきありがとうございます! はじめに「PostCoffee」ではどのようにメールを活用しているのか、ぜひ教えていただけますか?

 

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下村:弊社では「オンボーディング」「カスタマーサクセス」「クロスセル」「解約抑止」など、あらゆる目的でメールを活用しています。配信数はかなり多いほうだと思いますね。

とくに注文直後の「オンボーディング」には力を入れています。注文してから商品が届くまでの時間って、ものすごく楽しみなものじゃないですか。なのでこのボーナスタイムにしっかりとお客様の期待を盛り上げて、いざ商品が届いたら「やっぱりよかった」と思ってもらえるよう心がけています。

具体的には、注文直後・10分後・15分後・5時間後・翌日と、5通にわたりステップメールを配信しています。注文直後のメールはコーヒー診断の結果とご契約内容を。2通目は「こうやってみんなコーヒーを楽しんでいますよ」という商品到着後のイメージを。3通目では「世界中のロースターがパートナーであること」などサービスの価値を伝えて、4通目ではスペシャルティコーヒーについて解説します。5通目はコーヒー豆がお手元に届くタイミングで、コーヒーの淹れ方を詳しく説明します。

まこりーぬ:注文からコーヒー豆が届くまで、5通も配信されているとは驚きました! たしかにこの期間であれば、メールが届くたびにワクワクしそうですね。

 

メールで「良いコーヒーライフ」を提案

下村:そのほかにも、あらゆる配信シナリオを組んでいます。たとえば、サブスク会員に毎月付与される「300円割引」を使っていない方には「クーポンが余っていますよ」とリマインドしたり、配送から2週間後には「コーヒー豆、足りていますか?」と案内したり。

また、定期便の場合は、届いたコーヒー豆に対して「美味しかった」「苦かった」とフィードバックしてもらえれば、次回届くコーヒー豆をより好みに近づけることができます。お客様がより良いコーヒーライフを送れるよう、フィードバックがなかった人にはメールでリマインドするようにしていますね。

まこりーぬ:お客様の行動にあわせて最適なメールが飛ぶよう、コミュニケーションが設計されているんですね。

 

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下村:シナリオメールとは別に、週に1回は一斉配信メールも送るようにしています。こちらはクロスセル目的で、約200種類のコーヒー豆のなかからおすすめの商品を紹介することが多いですね。とくに「サマーブレンド」「アイスブレンド」など、シーズンにあった商品を紹介すると注文数が一気に伸びます

ちなみにこうしたクロスセル目的のメールであっても、商品がただ並んだだけのテンプレメールはNGです。コーヒーライフがもっと楽しくなるような、見るだけでワクワクするメールを作ることを大切にしていて、メール本文はいまだに私か弟(共同創業者/CCO)が最終チェックをおこなっています。

まこりーぬ:「PostCoffee」のクリエイティブはいつも洗練されていて素敵だな、と感じていましたが、いまもなお創業者かつクリエイターであるお二人がチェックされているのですね。納得しました!

 

「相談のハードルを下げる」ことで解約を抑止

下村:もう一つ、メールをたくさん配信するのは「解約抑止」のためでもあります。

お客様のなかで一度「解約しよう」と決断されてしまうと、そこから打てる手はほとんどありません。だからそうなってしまう前に、お客様の小さな不満や疑問の声を極力はやめに拾っていきたい。そのため全メールのフッター、毎月お届けするコーヒーボックス、同梱物、コーヒー豆のパッケージにまで「相談窓口」を明記していて、お客様がどこからでもチャットで相談しやすいよう導線を整えています。

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ちなみに弊社ではサービスそのものに対する問い合わせだけでなく、「コーヒーの淹れ方について」「デカフェについて」など、コーヒーに関するあらゆる相談を歓迎しています。お客様とのやり取りはすべて私もチェックするようにしていますが、カスタマーサクセスとのやり取りを通じて、お客様のエンゲージメントが高まっているように感じますね。

まこりーぬ:はやめに相談を承ることが、解約抑止につながっているのですね! 非常に参考になりました。

 

メールを送ると解約が増えるジレンマ

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まこりーぬ:サービス開始当初からメールを積極的に活用されていたのでしょうか?

下村:いえ、実はサービス開始当初は全然メールを送っていませんでした。注文直後と、毎月の決済完了時くらいでしたね。というのも、サブスクって通常、メールを送るたびに解約数が増えるんですよ。そのため昔は「もうメールを送りたくない」と感じたことすらありました。

しかしユーザーインタビューで、「最初にコーヒー豆が届いてから1週間で飲み終わり、3週間後、忘れたころに次のコーヒー豆が届くんですよね」という声を聞き、「これはよくない」と危機感を覚えました。頻繁にコミュニケーションをとるようになったのはそれからです。

そもそもメールを機に解約される方は、本来我々がお金をいただくべきお客様ではないと思います。それよりも、「PostCoffeeからの情報を毎回楽しみにしてくださるようなお客様を大切にすべき」という方針に途中から振り切りましたね。

 

まこりーぬ:すばらしいスタンスですね……! PostCoffeeのような方針が理想とはいえ、目の前の売上のことを考えるとなかなか手出しできない企業も多いのではないかと思います(涙)。

下村:メールの配信頻度を高めてからは、メールのたびに解約数が大きく増えることはなくなりましたよ。それにサブスク会員に送るメールは開封率50〜70%と、非常に高いエンゲージメント率を出しています。

まこりーぬ:低くて50%!? 驚異的な数字ですね……! お客様から支持されていることがとても伝わってきます!

 

これからも、美味しいコーヒーを身近に

まこりーぬ:最後に、下村さんがこれからチャレンジしたいことをぜひ教えてください!

下村:メールにおいては、よりパーソナライズされたコミュニケーションをとっていきたいと考えています。お客様によって注文の周期や時間帯に傾向があるので、ベストなタイミングで「こんな商品いかがですか」とレコメンドしていきたいですね。

また、サービスそのものはオフライン店舗での販売に徐々に注力しはじめています。オンライン・オフライン問わず、これからも美味しいコーヒーが手に取りやすい環境を作っていきたいと考えています。

平均開封率60%!「PostCoffee」のメールが愛される理由

まこりーぬ:一度オフラインで手に取る機会があると、スペシャルティコーヒーの魅力がいっそう伝わりやすいですね。今後も1ファンとして、PostCoffeeを応援しています!

 

まとめ

平均開封率60%の秘訣は、PostCoffeeからの情報を毎回楽しみにしてくださるようなお客様に対して、コーヒーライフがもっと楽しくなるような、見るだけでワクワクするメールをたくさん届けることである……と学んだ取材でした。

この理想的な状況を実現することは、口で言うほど簡単なことではありません。「サービスを通じてお客様に価値を提供しよう」という信念が感じられて、私はますますPostCoffeeのファンになりました(涙)。

全国のサブスク事業者のみなさまにとって、少しでも参考になれば幸いです。

以上、まこりーぬがお届けしました!

 

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まこりーぬ

しばしばマーケティング関係の取材記事を書きます。本業は株式会社LIGのマーケター、ご縁あって複数の会社で副業中。ファンシーなあだ名ですが当の本人は真面目です。どうぞお気軽に。
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