【イベントレポート】 御社のメール見せてください!! BtoB企業編第5弾 文面作成のコツ/開封率・クリック率/コンテンツ選定の考え方を大公開
- 事例/インタビュー
2020年6月26日に、弊社主催で「公開メルマガ添削~基礎から理解するメールマーケティング~」イベントを開催いたしました。
弊社MC事業部長の安藤健作と、配配メールBridgeプロダクトオーナーの石川太郎が登壇し、製品紹介からメールマーケティングの基礎や実際に企業が配信するメルマガの添削を通して、メールマーケティングのコツを紹介しました。
本記事では、当日のウェビナーの内容をまとめました。
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セミナーに先立ち、配配メールBridgeプロダクトオーナーの石川より新サービス「配配メールBridge」のご紹介をいたしました。
「メール」や「メルマガ」に対して、なんとなく「古い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、メールはすでに自社で保有している顧客情報を活用できるため、費用対効果の高いマーケティング施策として今もなお強く根付いている施策の1つです。
配配メールBridgeにはメールに対するアクション履歴をもとに顧客を絞り込める「ホットリード抽出機能」や、特定ページへの来訪を管理者に通知することが出来る「来訪通知機能」などのように、見込み客を可視化できる機能が揃っています。
これにより、誰でもカンタンにメールマーケティングの勝ちパターンを見つけることができます。
石川に代わりまして、弊社安藤より、「基礎から理解するメールマーケティング」と題し、メールマーケティングやメルマガ配信のテクニックについてご紹介しました。
皆さんはメールマーケティングとメルマガの違いを正しく理解できていますか?
メルマガの目的が「情報を届けること」であるのに対して、メールマーケティングでは「態度変容を起こすこと」、つまり配信したメールを読んで製品購買や資料請求などのアクションを起こすきっかけを作ることが重要な目的です。
メールマーケティングの成果は「どれだけの人が行動を起こしたか」がすべてです。
「どれだけの人」は不達率や購読解除率、「行動を起こしたか」は開封率や反応率といったKPIで測ることができます。 メールマーケティングの成果を上げたいのであれば、適切なリストに適切なタイミングに適切なコンテンツを配信するのが重要です。
メールマーケティングの成果が出ない原因をリストの量と考える方が多くいらっしゃいますが、本当の原因はリストの質です。
リストの質は、事前に読者に対して、十分かつ有益な情報が与えられているかどうかで変わってきます。
また、購読解除を恐れるあまり、配信頻度を減らすという誤った対策を取る方も多いのではないでしょうか。
しかし、購読解除する人は態度変容を起こさない人が多いので、リストから外れることで、そのリストは健全で濃度の高い人(態度変容を起こす可能性が高い人)が残った質の高いリストになります。
mailchimp社調査によると、メルマガ開封率は平均15~25%と言われていますが、その15~25%の人は毎回同じ人というわけではありません。
弊社のメルマガ配信結果を分析したところ、Aのタイミングで配信したメルマガとBのタイミングで配信したメルマガの開封数を分析したところ、AとBのそれぞれのタイミングでしか開封しなかった人がおり、開封率に置き換えると実は22%の人が開封していたという結果になりました。
それでも半数以上の人が開封していないという悲しい事実…。
弊社の調査では、多くの読者はメルマガが「たまたま目に入ったとき」に読むと回答しました。
読者の「たまたま」にリーチするためには、配信頻度が高い方が良いでしょう。
しかし、BtoBサービスや高単価なBtoCサービスに関しては、その「たまたま」が製品導入の検討タイミングであることも重要になってきます。
適切な配信頻度としては、BtoBでは週1~2回が望ましいのではないでしょうか。
配信タイミングは、BtoBなら平日の日中、BtoCなら金曜の夜を含む週末の余暇時間が鉄板です。
メールの開封率に大きく影響するのは件名です。
長い件名は、メールの一覧画面では省略されてしまう一方、メールの閲覧画面ではすべて表示されてしまうため、ファーストビューの多くを件名が占めてしまうこともあります。
メールを開封してもらうためには、基本となる4つのUを意識して件名を付けましょう。
次にコンテンツですが、冒頭にお話ししたように「態度変容」を促すメールでは、必要以上に魅力的な文章や凝ったデザインは必要ありません。
メールの平均的な閲覧時間は7秒以内です。
7秒で読める文字数は非常に限られるため、メール作成者を地味に悩ませる時候の挨拶や編集後記などを書く必要はありません。
また、1つのメルマガにいくつもCTA(コールトゥーアクション:行動を促すパーツのこと)を置いているメルマガをよく見かけますが、弊社の調査では下にいくほどCTAのクリック率は下がることが分かっています。
CTAは出来るだけ1つに絞った上で、パッと見てクリックできることがわかるようなデザイン(クリッカブルなデザイン)にしましょう。
本セミナーのメインコンテンツでもある公開メルマガ添削です。参加申し込みいただいた企業から3社選出し、実際に配信されているメルマガの添削をいたしました。
1社目は、広告やWEB制作事業をされている株式会社アマネク コミュニケーションズ様のメルマガです。
配信対象 | 全顧客(未成約、成約済すべて含む) |
配信目的 | 自社サイトのコラムへの流入・資料ダウンロード |
配信頻度 | 毎週水曜日 AM7:30 |
添削ポイント① 件名と差出人名
・件名は、もう少し具体性を持たせるのが良い
・BtoB企業なので、差出人名に担当者の名前を使用すると良い
添削ポイント② 本文
・画像サイズが少し大きい(CTAをファーストビューから押し下げてしまっている)
・画像を使うのであれば、画像自体にもリンク先を設定する(逆に言えばリンクのない画像は不要)
・CTAはクリッカブルなデザインにして、ボタンの文言は「記事を読む」など文脈を意識する
・オプトアウトの部分には「配信停止」「購読解除」など分かりやすい文言を入れる
以上の添削ポイントを踏まえて、弊社で添削させていただいたメルマガがこちら。
件名には具体性を持たせ、差出人名には担当者を追記しました。
本文では、リンクのない画像を削除し、ファーストビューにCTAが来るようシンプルにしました。 CTAも1つに絞り、クリッカブルなデザインに。
アマネク コミュニケーション様には、後日配信結果も共有いただきました。
続いて、2社目は結婚式場の運営などウェディング事業をされている株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ様のメルマガです。
配信対象 | 北海道・東北エリアを除く顧客 |
配信目的 | グループ会社のサービスへの加入促進 |
配信頻度 | 挙式50日前、120日後、290日後の3回 |
添削ポイント① 件名
読者が自分に関係のあるメールなのかどうかが一目でわかるような件名が好ましい
添削ポイント② 本文
・ファーストビューが画像で埋もれていて、スクロールしないと内容が出てこない
・複数のCTAが置かれているので、CTAは絞る
・画像内の文字サイズが小さく読みづらい
以上を踏まえた、添削後のメルマガがこちら。
読者は新婚さんがほとんどなので、生活スタイルが変わることを前提とした件名に変更しました。
本文は、ファーストビューにCTAが来るようにレイアウトし、数も1つに絞っています。
最後は、楽譜レンタルのECサイトを運営しているフォスターミュージック株式会社様です。
配信対象 | 自社EC会員(購入したことがある方) |
配信目的 | 楽譜のレンタル促進(新譜の案内など) |
配信頻度 | 毎週金曜日 PM7:00~8:00 |
添削ポイント① 件名・差出人名
・件名の6/30などの具体的な数字は左にもってくると良い
・【】の文言(○○通信)は不要(日付や通し番号を入れるのは遡って情報を探せるようにするため。それ以外の目的ではなくても良い)
・差出人名は、お客さんが認識している名称にする
添削ポイント② 本文
・ファーストビューにCTAがなく、メルマガの目的が分かりづらい
・CTAが他の色と同じなので目立つ色にする
以上を踏まえて、添削したメルマガがこちら。
ファーストビューにCTAを設置し、色も目立つように暖色に変更しました。
このメルマガに関しては、読者との関係性構築の面もあると思いますので、編集後記などのファーストビュー以下はそのまま掲載しています。
今回3社のメルマガを添削させていただきましたが、弊社のメルマガについてもご紹介しました。
先日開催されたBtoBデジタルシフトの参加者にThanksメールとして、安藤が企画・作成し配信したものになります。
なんとこのメルマガ、開封率50%、反応率43%という弊社としても驚きの良い数値をただき出したのです。
皆さんの参考になればと思い、今回はそんなメルマガの作成ポイントをご紹介しました。
ポイント① 件名・差出人名
・読者に認知されている名前を件名と差出人名に設定
安藤「いつも意識していることは、自分のお客さんにメールを送るときどう書くかということです。メルマガになると、やたら固い件名を付けがちですが、営業担当が自分のお客さんにメールを送るときにあんな件名はつけませんよね。ナチュラルな件名にした方が開封率や反応率は良くなります」
ポイント② 本文
・ファーストビューには幅広く認知されている安藤のツイッターアイコンを掲載
・CTA周辺にGIF画像を使用
セミナー内では、弊社宮坂から、誰でもカンタンにすぐできるGif画像の作成方法もご紹介いたしました。
使用したのは、パワーポイントとペイントと無料のGif作成ツールだけ!
パワーポイントで文字や画像を成型して、ペイントで画像化、動かしたい部分のデータをGif作成ツールでくっつけるだけなので、ぜひ皆さんも試してみてください。
※無料のGif作成ツールを使用する際は自己責任でご使用ください。
全プロスペクト宛に配信しているメールの開封率が25%程度、クリック率が2.5%程度です。BtoB向けのメルマガとしては良い結果でしょうか?
安藤の回答
非常に好調だと思います。今後は開封率やクリック率だけでなく、反応率もKPIとして設定するのをおすすめします。開封率とクリック率を別々に見ていくと、やりたいこととズレた施策を行ってしまう恐れがあります。ですので、反応率を見ることで開封した人にどれくらい響いたのかを見ていくと良いと思います。
過去の名刺交換先に新製品リリース情報や新規導入事例のメルマガを配信しています。開封率は20%程度あるのですが後追いができていません。追いかけの電話などは効果があるのでしょうか。また、そのコツを教えてください。
安藤の回答
開封しただけの人への後追い電話などは、あまり意味がないと思います。それよりはクリックした人に電話をかける方が効果はあるかもしれません。ここで効果が出ると断言しないのは、そのお客さんが「導入」のタイミングではなかったり、情報が知りたいだけの場合もあるからです。
開封した、クリックしたタイミングが購買のタイミングとは限らないということを理解しておく必要があります。
宣伝っぽくなってしまいますが、配配メールBridgeでは過去にメルマガを開封・クリックした人が自社サイトの特定ページに来た時に管理者へ通知するよう設定ができます。こういう方は成約率が良い傾向にあるので、こうした機能を活用するのはおすすめです。
営業ツールなどでは、文字のフォントを変えてやわらかさを表現していますが、メルマガにも必要でしょうか。
安藤の回答
弊社でも、フォントはメイリオやゴシックのような読みやすいフォントに設定しています。あとは、文字サイズも重要です。小さい文字にするとメルマガで配信したときに詰まって見えてしまうので、大きいサイズにして文字間も広くとるというのも効果的です。
配信対象者を絞り込むと、チャンスロスにならないか不安です。購読解除率を下げるためには絞り込んで配信するべきでしょうか。
安藤の回答
配信対象者を広くすることの弊害は、購読解除率が上がってしまうことですが、対象者を広くとってラッキーな成果を狙うよりも、対象を絞って送る方が最終的な効果は高いでしょう。
面白い・良いメルマガを配信している企業を教えてください。
安藤の回答
BtoB企業であれば、ホットリンクさん。BtoB企業ですが、読ませるメルマガを作っていて、メルマガ自体にCTAがありません。メルマガでの直接アクションを期待しているのではなく、その後の態度変容を期待しています。
また、クマベイスさん、アナグラムさん、キーワードマーケティングさんは、自社のノウハウを積極的にメルマガで公開しているので、作りも含めてみていただくといいと思います。
BtoC企業であれば、ドミノピザさんは非常にキレイなメルマガで、読み手側に何をしてほしいかが明確です。
他にも海外の企業ですが、the Skimさん。テキスト系のメルマガですが、配信対象者は20代の女性です。文字中心の見せ方が上手で内容が非常に勉強になります。
現在、メルマガ止まりでメールマーケティングまでできていませんが、MAの導入を考えています。留意すべき点を教えてください。
安藤の回答
自社のメルマガの勝ちパターンは見つかっているでしょうか。自社の勝ちパターンが見つかっていないとシナリオに落とし込めません。開封率、クリック率、反応率、開封時間など、自社の勝ちパターンを見つけてからのが良いかと思います。
セミナー最後に、安藤からメルマガ担当者に向けたTipsをいただきました。
安藤「セミナーでお話したようにメルマガの開封率は良くて20~30%です。かつ、開封している人が毎回同じではありません。ですので、前回と同じで飽きられないか、レイアウトを工夫した方が良いかなどはあまり考える必要はありません。それよりも配信し続けて、週1回でも2回でも配信頻度を増やしていくほうが最終的な成果は大きくなります。
メルマガを書くのは大変だと思いますが、そこまで気合を入れて作る必要はないです。気軽に作って頻度高く送るというのを意識して取り組んでいただければと思います。」
以上、公開メルマガ添削~基礎から理解するメールマーケティング~セミナーレポートでした。
最後までご覧いただき、ありがとうございます!
アマネク コミュニケーションズ様より添削前と添削後で数値はどのように変化したのかを後日、共有いただきました。
Brfore | After | |
開封率 | 22.63% | 63.73%(41.1PointUP) |
クリック率 | 1.29% | 3.48%(2.19PointUP) |
上記の通り、開封、クリックともに約3倍と劇的に改善しました。そんな添削後のメルマガはこちらです。
Beforeのメルマガ内容はこちらです。
実際にメルマガ運用を担当されている加藤様に修正した点と感想について、語っていただきました。
添削ポイント①②の内容はすべて反映して、配信しました。1点だけ変更したのが、CTAです。
添削時には、CTAを「クリッカブルなボタンにする」とアドバイスいただきましたが、「コラムの内容を一部抜粋し、GIF画像にしてチラ見せしてはどうか?」と考え、
・コラムのトップ画像
・タイトルにも記載したマンションデベロッパーの事例部分を抜き出した画像
・自動車ディーラーの事例部分の画像
の3枚をGIF画像にして貼り付けました。その画像の下に、クリッカブルな「記事を読む」ボタンを設置し、記事のURLリンクをつけました。
開封率が63%と、メールマーケを始めて以来の数値になったのは、やはりメールのタイトルがメールの内容に記載していることを具体化していたからだと考えています。
配信対象者は、これまでは当社のリストにある全顧客に送付していましたが、ジオ広告に関連するコラムだったので、過去にジオ広告に関するメルマガを開封した顧客、当社のジオ広告系の資料をダウンロードしたことがある顧客に絞り込んで配信しました。開封率がアップしたのは、対象者を絞り込んだことも一要因と考えられます。
また、その翌週に無料の資料DLをCTAにしたメルマガを配信しました。こちらは添削した内容に加え、安藤様よりいただいた 「資料DLの場合、スマホではなくPCでDLする」 というアドバイスにならい、 午前11時30分に配信に配信設定しました。
その結果、資料DLの実数は具体的にはお伝えできないのですが、以下のようになりました。
メルマガからのDLが大きく伸びたおかげで、月間の総DL数はこれまでの最も多かった月と比較しても3.3倍ほどです。しかも、資料DLからのアポイントも3件獲得できました。
このメルマガで紹介した資料自体は、メルマガ配信の3週間ほど前から、当社ウェブサイト上にはアップしていたものでした。Facebookなどでも告知はしていたのですが、DL数はゼロ件でした。発信の仕方がいかに大事なのかを実感しました。
資料ダウンロードがされると、部門宛に自動通知メールが届くようになっているのですが、11時30分を回ってから、その自動通知メールがメールボックスに続々と入ってくる様子を見て、メンバー一同驚きと喜びで沸きました。添削いただいたメルマガの開封率が60%を超えたこともそうですが、それを踏まえて自分たちで作ったメールでここまで反響が跳ね上がったのが初めてで、どのように発信するかで反響数が変わってくることを痛感しました。GIF画像でクリック率が上がったことも実感しています。この資料についてメルマガで知ったのをきっかけに、他の資料もDLする顧客も複数名おり、波及効果が生まれています。
また、これは個人的な感想ですが、明らかに開封率やクリック率が改善したことで、メールマーケティングに対するモチベーションが上がりました。これまでは、何が正解なのか分からないまま、毎回本文や画像を作成して、でもこれといった効果も出なくて…という繰り返しで、正直気持ちが折れそうなこともありました。セミナーを受けて実践し、「本文はシンプルでいい」ということや、タイトルも煽ったり、奇をてらってひねり出す必要もないんだなと思えてから、メルマガ作成の精神的ハードルが一気に下がりましたし、「この情報を必要としている人にきちんと届けるには」という視点を一層ポジティブに意識できるようになりました。 添削でアドバイスをいただけたおかげで、「成果の出るメールマーケティング」の第一歩を踏み出せた気がします。メルマガ配信は毎週行っていく予定なので、添削を踏まえて、自分たちの成功パターンを模索していきたいと思っています。ありがとうございました。
今回、メルマガの添削後を共有いただいたアマネク コミュニケーションズ様。安藤からアドバイスさせていただいた内容だけでなく、宮坂からご紹介させていただいたGif画像も活用し、メルマガを劇的に改善されております。このようにセミナーでお話ししたメールマーケティングを実践いただくだけでも、メルマガの数値はあがります。
今回のようなメルマガ添削や他のマーケティング施策と絡めたメール活用法のご紹介をセミナーにて行っております。メール配信、メルマガの課題を解決する有益な情報をお伝えしておりますので、ぜひご参加くださいませ。
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