「ほぼ毎日ウェビナー配信中」のBiziblに聞く!告知メールで読者を飽きさせないための工夫とは?
- 【連載】まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!
- 事例/インタビュー
メルラボをご覧のみなさん、こんにちは! ライターのまこりーぬ(@makosaito214)です。連載「まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!」の第25弾をお届けします。
今回のゲストは、SEOに強いデジタルマーケティング支援会社の株式会社LANYさん。社員数7名にもかかわらず、ブログもYouTubeもウェビナーもメルマガもSNSも、あらゆるチャネルで積極的にコンテンツを発信されています。
このたびはそんなLANY社の取締役COOであり、BizOps(※)責任者でもある市川さんにお時間をいただきました。量・質ともに担保している「影の立役者」といっても過言ではない市川さんの取り組みを、特別にのぞき見させてもらいましょう!
※BizOps:経営陣によるビジネス戦略(Biz)と現場のオペレーション(Ops)をつなぐことでオペレーショナル・エクセレンスを築く方法論(参考:LANY BizOpsチーム、立ち上げました。)
株式会社LANY 取締役COO 市川 昌俊 さん
カメラ・レンズメーカーの国際マーケティング部に新卒で入社し、10以上の国・地域のマーケティングを担当。その後、株式会社LANYを創業。組織全体の生産性の最大化を目的に、事業横断的に戦略・戦術立案から実行支援を担うBizOps責任者を兼任。
まこりーぬ:LANYさんは本当にたくさんのコンテンツ発信をおこなっていますよね。
・読み物メルマガ:週3回
・告知メルマガ:告知対象ごとに3〜4回
・YouTube:週1本
・ウェビナー:月1〜2回
・その他ブログやホワイトペーパー、SNS投稿など
これらコンテンツマーケティングの運用を支えているのが市川さんであるとお聞きしました。経営しながらこれだけの数をさばくとなると……ぶっちゃけ「発信が間に合わない」なんてことはないのでしょうか!?
市川:それが、ここ2年間はほとんどないんですよ。徹底的に分業化することによって、滞りなく発信できています。
弊社の場合、僕が「メルマガは週3回配信しよう」と意思決定をして運用フローを整えたあとは、別の社員や業務サポートメンバー(パート)に実務を担ってもらっています。そのため、「後回し」が起こりにくいんです。
これが仮に、意思決定した本人やコンテンツを作った本人が配信設定までおこなうとなると、自分の責任範囲だからこそつい、忙しいときに後回しにしてしまいがちだと思います。
まこりーぬ:たしかに……めちゃめちゃ心当たりがあります……!(涙)
市川:ただ、創業時から運用しているYouTubeについては、過去に一度更新が止まったことがありました。当時はいまほど分業できていませんでしたし、目標としていた再生回数になかなか届かず、モチベーションが下がってしまったんです。
こうした反省を踏まえて、運用再開時には「あえて数字は細かく分析しすぎず、まずはやると決めたことを淡々とやり切ろう」という姿勢で臨むことにしました。
この「やると決めたことを淡々とやり切る」ことは、会社として大切にしているスタンスでもあります。お客様のデジタルマーケティング支援をおこなうなかで、「正しいことを淡々と速くやることがもっとも成果につながる」とみんな身をもって体感しているんですよね。
まこりーぬ:なるほど。分業化の仕組みと、淡々とやり切るスタンスによってLANYのコンテンツ発信はうまく回っているのですね。
なかでもメルマガはどのような体制で配信しているのでしょうか?
市川:読み物メルマガの場合、中身はコンサルタント(正社員)が考えてGoogleドキュメントに記入します。そのあと業務サポートメンバー(パート)がメルマガスタンドへ入稿し、テストメールを送信。コンサルタント(正社員)が最終確認をしてOKであれば、配信予約をおこないます。
また、ウェビナーやYouTubeなどの告知メルマガの場合、本文はテンプレ化してあるのでコンサルタントは関与せず、業務サポートメンバーだけで本文作成から配信設定までおこないます。
1通の執筆〜配信設定にかかっている時間は、読み物メルマガでも長くて30分程度です。コンサルタントには自分たちにしかできない業務にだけ時間を割いてもらい、あとは業務サポートメンバーと協業することを徹底しています。
まこりーぬ:こうして少人数でも高頻度でメルマガを配信できているわけですね。
まこりーぬ:オペレーションのプロである市川さんにぜひお聞きしたいのですが、業務フローを組み立てるとき、分業化以外にも大切にしていることはありますか?
市川:周囲の人に聞いたりインターネットで調べたりして、勝ちパターンをひたすらインプットし、最初から70点のアウトプットが出せるようなオペレーションを組むことを強く意識しています。メルマガを始めるときも、「告知メルマガはファーストビューにCTAを入れる」といった鉄板施策をしっかり取り入れました。こうやって土台を作れば、安心して「淡々とやり切れる」ようになります。
また一方で、最初からフローを作り込みすぎてしまうと「このオペレーションを崩したくない」という気持ちが働いてしまい、あとでうまく改善できないケースがあります。くわえて、先に量を担保できる体制を作って運用し、ある程度購読者数が増えてから改善策を打ったほうが効果検証の精度と速度が上がって効率的に改善できます。そのためあえて100点は目指さず、改善の余白を残すことも心がけていますね。
まこりーぬ:あらゆるオペレーションを設計してきた市川さんならではの知見ですね……! とても勉強になりました!
まこりーぬ:続いて、メルマガの「質」を担保するための取り組みもぜひ教えていただけますか?
市川:「コンテンツの再利用」は積極的におこなっています。たとえば、ウェビナー中に参加者からもらった質問や、YouTubeのコメント欄でもらった意見に対する詳細な回答を文章化したり、自社のブログやホワイトペーパーのなかで反応がよかったコンテンツを一部切り出してみたり。
毎回すべてゼロから作るのではなく、メルマガ読者のみなさんにも興味を持ってもらえそうなネタを、別のコンテンツから引っ張ってくるケースが多いですね。
とはいえ、いくら再利用したとしても、コンテンツ作りはやはり時間のかかる大変な業務です。そのため毎週水曜日に全員でコンテンツを作る時間を確保したり、評価制度にも組み込んだりと、会社としてコンテンツ作りをサポートする仕組みも整えています。
まこりーぬ:会社として、全社員でコンテンツ発信に取り組んでいることが伝わってきます。すばらしいですね!
市川:あとは結局のところ、専門性を持ったメンバーが時間をかけさえすれば、いいコンテンツって作れるじゃないですか。だからこそBizOpsとしては、「いかに工数を下げながら品質を高められるか」にチャレンジしています。
たとえば記事の構成確認一つとっても、「構成案を確認してください」といきなり投げるのではなく、「事前に編集会議をおこない企画意図を把握しておく」「フィードバックの観点を明確にしておく」など、オペレーションを工夫することでもっと時間を短縮できると考えています。
まこりーぬ:そのチャレンジの結果、ぜひともお聞きしたいです! コンテンツ化されることを楽しみにしていますね。
まこりーぬ:最後に、メルマガについて改めて質問させてください。あらゆるコンテンツを発信しているLANYさんから見た「メルマガならではのよさ」って、どんなところにありますか?
市川:検索キーワードや検索ボリュームを気にせず、「書きたいことが書ける」点でしょうか。
たとえば先日は、「SEOに “秘伝のタレ” はない」というタイトルのメルマガを送りました。「SEOには、一部の人だけが知っているような秘伝のタレは存在しない。だから誰もが知っているベストプラクティスをいかに大量に早く実行し続けることができるかにつきる」という、SEOコンサルティング会社らしくない内容です(笑)。
まこりーぬ:めちゃめちゃLANYさんらしいメッセージですね(笑)。会社のスタンスがよく伝わってきます!
市川:ニーズがあるテーマでコンテンツを作るだけだと、どうしても他社と同じようなコンテンツになりがちな側面があると思っています。しかしメルマガは、「自分たちが伝えたいこと」を届けられるので、認知の質を変えてくれる効果があると感じています。
まこりーぬ:実際にメルマガを配信し続けているなかで、成果はどれほど感じられていますか?
市川:メルマガ経由で直接お問い合わせをいただくわけではないのですが、お問い合わせいただいたお客様から「いつもメルマガを読んでいます」「あのメルマガの内容がよかったです」と声をかけていただく機会が確実に増えています。そのため今後は、お問い合わせユーザーがどのようにメルマガを読んでくださっているのかを分析し、示唆を得て、施策に落とし込んでいきたいと考えています。
また、メルマガは有効な施策の一つだからこそ、今後はセールスの一手としても活用していこうと思っています。メルマガ購読者限定キャンペーンなども試験的に取り組んでいきたいですね。
まこりーぬ:LANYさんではメールの活用がますます進みそうですね。メルマガ購読者の一人として、今後の配信も楽しみにしています!
量も質も担保するLANYの優れた仕組み
・徹底的に分業化。業務サポートメンバー(パート)と協業し、コンサルタントには自分たちにしかできない業務に時間を割いてもらう
・運用初期はあえて数字を細かく分析しすぎず、やると決めたことを淡々とやり切る
・勝ちパターンを学習し、最初から70点のアウトプットが出せるようにオペレーションを組む。ただしあえて100点にはせず、改善の余白を残す
・コンテンツはすべて毎回ゼロから作るのではなく、別のコンテンツからネタを引っ張ってくる
・全員でコンテンツを作る時間を確保したり、評価制度にも組み込んだりと、会社としてコンテンツ作りをサポートする
「市川さんのようにオペレーションを整えてくれる人がチームに一人いたら、ものすごくいろんな業務がうまく回っていきそうだな……」と、うらやむ気持ちが止まらない取材でした。
また、仕組みをしっかりと整えれば、結果として試行回数が増え、成果につながることにも改めて気づかされました。LANYさんの取り組みを参考にしつつ、みなさんもぜひ自社にフィットするオペレーションを模索してみてくださいね。
以上、まこりーぬがお届けしました!
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