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- 【連載】まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!
- 事例/インタビュー
メルラボをご覧のみなさん、こんにちは!ライターのまこりーぬ(@makosaito214)です。連載「まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!」の第12弾をお届けします!
先日「配配メールにて検証してほしいメールマーケティング施策はありませんか?」と対外的に呼びかけたところ、ありがたいことにたくさんのご応募をいただきました。今回はその検証結果をドドンとすべて大公開します!なんと配配メールのマーケティング担当・山盛さん(@ykk935)が3ヶ月かけて検証し続けたデータとのこと。とっても貴重ですね(涙)。
「配信時間って結局何時がいいの?」「クリック率が高いCTAってどんなもの?」などなど、きっとみなさんが気になるであろう疑問が解消されるボリューム満点の記事となりました。ぜひご覧ください!
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まこりーぬ:本題に入る前に一点質問なんですが、今回どうして検証企画をおこなおうと考えたのでしょうか?
検証テーマ募集ページ
山盛:メール配信業務ってほとんどの方が兼任でやられているので、「改善になかなか時間を割けない」とお悩みのお客様が多いんですよ。そのため私たちが代わりに、配配メールのA/Bテスト機能を活用して効果検証を代行しようと考えました。
あとはテーマを募集することで「メール担当者のみなさんがどんなお悩みを持っているのか知りたい」という思いもありましたね。
まこりーぬ:いざ自分でA/Bテストをやろうとすると、複数パターン用意しなきゃいけなくて腰が重たいですもんね(涙)。応募はどれくらいあったのでしょうか?
山盛:ありがたいことに20件ほどありました。たくさんいただいたお題を約3ヶ月かけて検証しています。
まこりーぬ:長丁場の検証でしたね。それぞれの結果が楽しみです!早速1つ目のテーマからいきましょう!
まこりーぬ:最初は誰しも一度は気になるテーマ「開封率が高い配信時間」です。まずは検証内容を教えていただけますか。
山盛:メールをチェックする時間帯は「朝の通勤時」「仕事の休憩時間」「終業間際」が多いという調査結果がすでにあったため、今回は08:30・09:00・10:30・11:00・11:30・15:00・17:00という7つの時間帯に絞って開封率を比較しました。
リモートワークが広がったことで「以前よりもメールチェックタイムの偏りがなくなってきている」という感覚もあったため、あえて10:30や15:00といった中途半端な時間帯も交えて検証しています。
まこりーぬ:たしかに私も通勤時のメールチェックがなくなりました。結果、どうでしたか?
山盛:最も高かったのは11:00と15:00で開封率約21%。最も低かったのは10:30で17%でした。11:00は昔から「メール配信のゴールデンタイム」と言われているので納得の結果でしたが、15:00は意外でしたね。やはりメールチェックタイムにばらつきが出ている、と言えるでしょう。
まこりーぬ:10:30と11:00で明暗分かれているのも興味深いですね。個人的な感覚ではありますが、10時台ってTwitterも全然タイムラインが動かないんですよ。午前の集中タイムのピークなのかもしれませんね。
まこりーぬ:2つめは「開封率が高い件名の文字数」。こちらも誰しも一度は気になるテーマですね。
山盛:配配メールでは、受信ボックス上で省略されることなく表示される文字数「25文字以内」を推奨しています。また、20文字以内に収められるとスマホでもしっかり全文表示されるため、今回は「20文字」と「25文字」をしきい値として検証しました。
山盛:やはり25文字未満だと開封率が上がり、20文字以内に収めるとさらに0.5ポイントほど改善する結果となりました。件名は短くすればするほど、開封率が上がりますね。
まこりーぬ:こちらは想定どおりでしたね。極力20文字以内を目指すべし!!!
山盛:ただし、実は別の検証で “文字数が長いほうが開封率が高い” ケースが出てきたんですよ。
まこりーぬ:な、なんですと……!?
山盛:ご応募いただいたテーマのなかに「件名に検索ボリュームの多いキーワードを入れた場合、開封率が上がるのか?」というものがありまして。つまり一般的に需要が高い、認知度が高いキーワードをいれたほうが開封率が上がるかどうかの検証ですね。
今回は「メルマガ↔メールマーケティング」「リード獲得↔リードジェネレーション」という2種類の類義語でやってみたところ……
まこりーぬ:認知度は低いし文字数が長い件名のほうが開封率が約2ポイントも高いじゃないですか!!!
山盛:そうなんですよ、驚きましたよね。私たちもいままであえて「メールマーケティング」ではなく、「メルマガ」という短くて耳馴染みがあるキーワードを件名に多用していたんですが、まさか裏目に出ているとは思ってもいませんでした。
読者がどういうキーワードに興味を持ってくれるのか、こちらの思い込みで決めるのではなく、きちんと検証することが大事だと気付かされた結果でしたね。ぜひ各社でも検証していただきたいテーマです。
まこりーぬ:ただ短ければいいのではなく、あくまで件名は「読者が興味をもつキーワードがパッと目に飛び込んでくるかどうかが重要である」という示唆が得られた結果でしたね……!
まこりーぬ:ここからはいかにクリック率、コンバージョン率の高い本文を作るか?という検証です。まずは文字数からいきましょうか。
山盛:「本文は何文字くらいが適切ですか?」は普段からよくお寄せいただく質問の一つでして、今回改めて検証してみました。前提として、クリック率を上げるためには「ファーストビューにCTAをおくこと」が欠かせません。その上でメール本文が短いもの・長いものを用意して比較しました。
参考:配配メールのマーケ担当が本音で語る!メールマーケで本当にやってよかった施策と、意味がなかった施策って? | メルラボ
山盛:予想どおり、クリック率に差は出ませんでした。あくまでファーストビューにCTAを置くことが重要で、続本文の文字数は成果に影響しないことがハッキリしましたね。「本文で読者を説得できないとクリックやコンバージョンにつながらないのでは?」といった心配も無用です。
まこりーぬ:これは「長文をしたためている時間はムダだ」という結果でもありますね。本文は100文字程度でも十分となれば、メール作成作業がかなり楽になる担当者様が多いのではないでしょうか。
まこりーぬ:続いて、ファーストビューにマストのCTAの検証結果についても教えてください。
山盛:CTAは「形式」「サイズ」「色」「文言」とかなり細かく検証しています。まず形式は、静止画とGIFで比較しました。文字が上に飛び出たり横に揺れたりする、LPでよく見かけるようなCTAを検証用に作ってみたんですよ。
<GIF A>
<GIF B>
動くと目に留まりやすいのでクリック率は上がるのではないかと予想したのですが……
山盛:静止画のほうが最大0.2ポイントほど高いクリック率を出しました。GIFの作成に時間をかけても、残念ながら成果にはつながりませんでしたね。
まこりーぬ:たしかに目には留まるはずですが……怪しいと思われたんでしょうか(笑)。
山盛:そういった印象もあるかもしれません。あとは、表示速度が影響している可能性が高いです。静止画だと開いた瞬間にボタンが表示されますが、GIFだと少し表示に時間がかかるんですよ。
まこりーぬ:なるほど、その影響はたしかにありそうですね。
山盛:続いては「大きさ」の検証です。「押す面積が広いほうがクリックされやすいだろう」という仮説のもと、CTAの縦幅を思い切って大きくしてみました。
山盛:残念ながら、CTAの拡大はクリック率にさほど影響しませんでした。
まこりーぬ:すでに十分見えているものを「もっと見てー!!!」とアピールしても効果がないよ、ということですね(笑)。
山盛:次に「色」の検証です。過去に何度も社内で検証していまして、「寒色よりも暖色、暖色のなかでも赤がクリックされやすい」というデータがありました。そのため配配メールではずっと赤のCTAを使っていたのですが、近年普及しているダークモード上での視認性が悪いため、今回は寒色込みで改めて検証しています。
パターンは「赤」「水色」、それにクリック率が高いという通説がある「緑」の3つです。
山盛:それぞれのテスト結果の数値を比較すると水色が最もクリック率が高く、赤が最下位でした。通常モードで見てもダークモードで見ても視認しやすい色であることが重要だと言えますね。
まこりーぬ:あくまで表示面において視認しやすいかどうかがポイントですね。「水色のCTAだとクリック率が上がるらしい」という都市伝説が爆誕しないことを願います(笑)。
山盛:おっしゃるとおりですね(笑)。CTAの最後の検証は「文言」です。
“リード獲得方法を紹介するコラム記事” を案内するメールにおいて、「記事はこちら」「記事を読む」、そしてコラムに合わせて文言をカスタマイズした「リード獲得の方法とは?」という3パターンで検証してみました。
山盛:クリック率は「記事を読む」が勝ちました。「起こしてほしいアクションを動詞で盛り込むとクリック率が上がる」というCTAの通説はメールにも当てはまりましたね。「記事はこちら」というCTAはまだよく見かけるので、この結果が文言を見直すきっかけとなれば幸いです。
あとはセミナー案内メールにおいて「詳細を見る」「申し込みをする」という2パターンで検証しました。どちらも動詞を用いていますが、クリックする心理的ハードルに差があります。
山盛:やはりハードルが低い「詳細を見る」のほうがクリック率が高くなりました。しかしコンバージョン率で見るとほぼ一緒だったので、この検証は引き分けとも言えそうです。
まこりーぬ:文言はクリック率を変動させる主要な要素なんですね。CTAの定石をまとめると、「通常/ダークモードでも見やすい色で、文言はアクションに直結する動詞を用いる。その他の過度な装飾は不要」という感じでしょうか。
まこりーぬ:続いて、「本文の余白のとり方」における検証結果はいかがでしたか。
山盛:配配メールでは読みやすさを重視していつも余白をしっかりとっているのですが、今回はやや余白を狭くしたものと比較して、クリック率の差を見てみました。
山盛:やはり余白は広いほうがクリック率が上がりましたね。
まこりーぬ:ということは、テキストメールだとますます読みづらく、クリック率が下がる可能性が高いと言えそうですね。
まこりーぬ:「コンバージョン数が伸びるコンテンツとは」という検証はどのようにおこなったのでしょうか?
山盛:「コラム案内→資料請求」「セミナー案内→セミナー予約」「ホワイトペーパー案内→ホワイトペーパーダウンロード」という3パターンにおいて、コンテンツを変えながら複数回メールを配信してそれぞれコンバージョン数をウォッチしました。
山盛:やはりホワイトペーパーダウンロードが最もコンバージョンを獲得できました。「すぐに役立つノウハウ」や「調査レポート」など人気のコンテンツだと、1配信で50〜60件ダウンロードされることもありましたね。
まこりーぬ:なるほど。ただ結局どれが売上につながるのかは、その後の営業フローや成約率によっても変わりそうですね。
山盛:おっしゃるとおりです。弊社の場合、ホワイトペーパーをダウンロードいただいた方にはインサイドセールスがアプローチするようにしていますが、やはり商談にはつながりにくい傾向があります。そのため現在はホワイトペーパーダウンロード+特定のページ来訪でお電話差し上げたりなど、アプローチ方法は工夫するようにしています。
まこりーぬ:さすが、万全の体制ですね。配配メールさんのようにインサイドセールスの体制が整っていればホワイトペーパーも超有効だと思いますし、後追いするリソースがなければ、セミナー誘致のほうが購買行動を前進させられる確率が上がりそうだと感じました。
山盛:別の検証で、“コラム案内からコンバージョン数を伸ばせたケース” もあるのでぜひご紹介させてください。
配配メールには、メールをクリックしてページに到達した人のみ2通目のメールを自動配信する「トリガーメール機能」というものがあります。
まこりーぬ:ほうほう、他のMAツールでも近しいことはできそうですね。
山盛:配配メールユーザーさんより「この機能を使ってコンバージョン数を伸ばすにはどうしたらいいですか?」というお題をいただいたので、今回いろんなコンテンツの組み合わせで検証してみました。
1通目(コラム案内)をクリックしてコラムページをある程度読んだ方だけに、2通目(セミナーやホワイトペーパー案内)を自動配信してみたんです。すると5〜10件のコンバージョンが獲得できました。
まこりーぬ:おおお、つまりただのコラム配信だと0〜3件だったコンバージョンが、2段構えにすることによって5〜10件まで伸ばせたということですね……!!!
山盛:そうです!ただし当然ながら1通目と2通目のコンテンツに関連性がないと成果がでないこともわかりました。
まこりーぬ:ひと手間かかりますが、興味がある人にきちんと案内が届く流れが作れますね。セミナー案内が繰り返しバンバン届くよりも、読者側の印象もよさそうです。
まこりーぬ:いやぁ山盛さん、ここまでの検証本当にお疲れ様でした!最後に総括として、これらの検証結果を踏まえてメール担当者に伝えたいメッセージをお願いいたします。
山盛:検証を通じて、「やっぱりメールマーケティングって顧客の欲しい情報を欲しいタイミングで送ることが一番重要だよね」という思いがさらに強まりました。読者はどんな情報に興味を持っているんだろう、どんなタイミングに届けると目に留まるんだろうと、実際に配信してみて結果を見ながらPDCAを回していく。メールマーケティングのポイントはこれに尽きると思います。
あとは、私の割いた工数に反して「シンプルなほうが開封率やクリック率が高い」という結果ばかりでした(笑)。メール作成に時間かかってしまっているみなさんに、「メールは作り込む必要ありません、シンプルでいいんですよ」と改めて伝えたいですね。
まこりーぬ:山盛さんが検証してくださったおかげで、全国のメール担当者様の検証の手間が省けましたね。貴重なデータをありがとうございました!!!
メールマーケティングにすぐに活かせる検証結果
すぐに取り入れられる、試せるものばかりですので、ぜひ自社のメールマーケティグ業務に活かしてみてくださいね。
最後までご覧いただいたみなさん、ありがとうございました! 以上、まこりーぬでした。
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