「ほぼ毎日ウェビナー配信中」のBiziblに聞く!告知メールで読者を飽きさせないための工夫とは?
- 【連載】まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!
- 事例/インタビュー
メルラボをご覧のみなさん、こんにちは!ライターのまこりーぬ(@makosaito214)です。連載「まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!」の第23弾をお届けします。
・あなたは事前準備派?しない派?
・よくあるウェビナーやめようか
・受付は味方にする
・そのクロージング、、、大丈夫そ?
・わからん、、資料比較じゃよぅわからん
……これらは、営業コンサルティング・営業代行会社であるセレブリックスさんが実際に配信されているメールの件名です。ピンとくる言葉が散りばめられていて、ついつい開きたくなってしまいますよね。「おもしろい!」「件名が秀逸!」と、SNSでもたびたび話題になっています。
そこで今回はセレブリックスさんのメールマーケティングの裏側について、マーケティング統括部の影森さん・岩下さんにお話をうかがいました。「件名をもっとうまく作りたい」とお考えのみなさん、ぜひご覧ください!
株式会社セレブリックス セールスカンパニー マーケティング統括部 部長 影森太一さん
2013年1月に営業未経験でセレブリックスに入社し、同年4月には営業代行部署のリーダーに昇格。部署内で売上・利益ともにトップの成績を残し新規プロジェクトの立ち上げ責任者に抜擢。3名からスタートした組織を1年で東名阪の全国エリアまで拡大すると共に、30名の組織運営仕組化を実現するメソッドを同時に作成。その後、新卒・中途採用の責任者、教育責任者を兼任し約700名の教育を経て、再度全社営業責任者としてトップの成績を残す。現在はマーケ責任者を兼任していた経験から、2022年4月よりマーケティング統括部でマーケティング、インサイドセールス、セールス3部門の統括責任者としてチームを率いている。
株式会社セレブリックス セールスカンパニー マーケティング統括部 岩下あやえさん
2018年に営業未経験でセレブリックス入社。お客様の代わりに営業を実施する営業代行部署にてインサイドセールス、フィールドセールスを4年経験。マップサービス、VFX領域、プロモーション、MA領域、飲食領域、Chatサービスと幅広い営業領域を経験。4年間の連続達成記録を樹立し、トップセールスとして営業現場を支え続ける。その後、更なる活躍を期待されマーケティング統括部へ異動。イベントマーケターとして大型~小規模までのありとあらゆるイベントの設計、企画、運営を経験。持ち前の営業力とマーケティング観点から現在ではセールスカンパニー全体のマーケティング、広報を担当している。
まこりーぬ:セレブリックスさんのメールといえば、やはり「ユニークな件名」が特徴的ですよね。いったいどのような手順で作っているのでしょうか?
岩下:まずは「よくある一般的な言葉」で件名を作ることからスタートします。そのあとに、「営業ノウハウ」であれば「営業レシピ」、「ターゲット営業の極意」であれば「The Target」というふうに、意味は変えないままより短くエッジの効いた表現に変換してみるんです。
こうして3〜5パターン作ったあと、上長である影森さんをはじめ周りの人にフィードバックをもらい、もう一歩ブラッシュアップして、最終的な件名を決めています。
影森:くわえて、「まさにこう思っていた」と読者が共感してくれるような言葉に変換できないか?という観点も大事にしています。「こんな状況だったら、ターゲットはどんな気持ちになるだろう」と想像して、そのときに吐露しそうな言葉をそのまま件名に落とし込むイメージですね。
まこりーぬ:ピンとくる件名の数々はこうして生まれていたのですね……! 考える手順・観点がしっかりと体系化されていて驚きました。ユニークな件名作成はいつから取り組まれているのでしょうか?
影森:メール配信は10年ほど前からおこなっていますが、わりと昔からですね。「派手にやれ。ダサいことをするな」という言葉が、セレブリックスのマーケティングチーム内でずっと引き継がれているんですよ。
それに私がマーケティング責任者に就任した2020年以降は、より攻めた件名をつけるようになったと思います。いくら【必見】と入っていても、つまらない件名であればそもそもメールを開かないじゃないですか。なので今後も、思わず開封したくなるような件名をつけていきたいですね。
まこりーぬ:セレブリックスさんのような件名の作り方は、他社でも取り入れられるものだと思われますか? やはりある程度「センス」が必要なものでしょうか……?
岩下:私にもできたことなので、きっと誰にでもできると思います。私自身も営業からマーケティング部門に異動してすぐは、「件名をどう考えたらいいのかわからない」という状態でした。ですが、影森さんの口から出てくるキーワードをマネしていくなかで、だんだん自分でも作れるようになりましたね。
影森:私も、基本的に誰にでも作れるものではないかと思っています。ただし、この考え方を自分なりに解釈してアウトプットしていく「スピード感」には個人差があるかもしれませんね。
まこりーぬ:現在セレブリックスさんではどのような目的で、どれくらいメールを配信されていらっしゃるのでしょうか?
岩下:一度接点を持った方々に弊社のファンになってもらうために、営業ノウハウやイベント情報を週3〜4回ほど配信しています。特にイベント集客には大きく寄与していて、先日はメール1通で約160名のイベント予約を獲得という過去最高数字を記録しました。
また最近では、インサイドセールスのノウハウが詰まったメールを読んで「営業代行について相談したい」と直接問い合わせてくださった企業様もいらっしゃいます。今後もこうした事例をどんどん増やしていきたいですね。
まこりーぬ:すばらしいですね! お問い合わせにつながった要因はズバリなんだと思われますか?
影森:おそらく、今期から「お役立ち情報の配信頻度を上げたこと」が功を奏しているのだと思います。2022年に「Be The HOPE」というパーパスを策定したタイミングで、「我々が持っているノウハウを、営業に困っている方々にお届けしよう。営業の希望になろう」と、改めて情報発信のあり方を見直したんですよ。
いままでは各チームから要望を受けて必要なメールを送るだけでしたが、いまは週に1回必ず、営業のみなさんに役立つノウハウをお送りするようにしています。
まこりーぬ:パーパスにもとづくコミュニケーションを設計した結果お問い合わせにつながるなんて、理想的ですね。週3〜4回ほど配信しているとのことですが、ネタに困ることはないのでしょうか?
岩下:実は、ネタに困ったことは一度もないんですよ。セレブリックスは「営業を科学する会社」で、社内には25年かけて蓄積してきた「こうすれば営業で成果が出る」というメソッド、成功・失敗エピソードがたくさん存在します。メールはその一部を公開しながら運営しています。
まこりーぬ:なんと、うらやましい環境ですね! それにもしかすると、岩下さんが営業経験者であるからこそ、ネタを見つけやすい側面もあるのかな、と感じました。
影森:たしかにおっしゃるとおりだと思います。岩下はもともとトップセールスで、営業の経験値は十分です。だからこそ言語化に強いのかもしれませんね。
岩下:ありがとうございます。これからも役立つ情報を配信するために、私だからこそ伝えられるものを考え抜いて、工夫し続けたいと思います。
まこりーぬ:最後に、お二人が「メールで成果を出すために重要だと思うこと」を教えてください。
岩下:ポイントは7つあると思います。まずは「ターゲットを理解すること」、そして「自分たちが何者であるかを理解すること」。「自分たちがお客様やマーケットに対してなにを届けたいのか、きちんと考えて決めること」。続いて「自社のマーケティング戦略をきちんと理解すること」、その戦略における「メールマーケティングの役割を理解すること」。
あとは、せっかくメールを作っても読者に見てもらえなければ意味がないので、「件名や本文の表現を工夫をし続けること」。最後は「データを見ながら分析を続けること」です。弊社では週に1回定例ミーティングをおこない、数字に明確な変化があったときは必ずその要因を振り返るようにしています。
▼メールで成果を出すために重要なポイント
・ターゲットを理解する
・自分たちが何者であるかを理解する
・自分たちがお客様やマーケットに対してなにを届けたいのか、きちんと考えて決める
・自社のマーケティング戦略をきちんと理解する
・メールマーケティングの役割を理解する
・件名や本文の表現を工夫し続ける
・データをとり続けて、分析をやめない
影森:付け加えるとするならば、「あきらめないこと」でしょうか。「たかがメール」ではなく、メールだからこそ、見てもらえるチャンスがたくさん作れる。そう捉えて、向き合い続けることが大切だと思います。
まこりーぬ:件名へのこだわりも、「まずは見てもらう」ことに向き合っているからこそ、ですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!
セレブリックス流・ユニークな「メール件名」の作り方
1. まずは「よくある一般的な言葉」で件名を作る
2. 意味は変えないまま、より短くエッジの効いた表現に変換する
あるいは、ターゲットの口から出そうな言葉をそのまま落とし込んでみる
3. 上記の件名を3〜5パターン作る
4. 周囲からフィードバックをもらいブラッシュアップする
件名の「作り方」には再現性がありますが、ユニークな件名で「攻め続ける企業姿勢」はセレブリックスさんならではのものであり、もしかすると簡単には模倣できないのかもしれないな、と感じた取材でした。
私自身、「自社のパーパスや文化にマッチする情報発信ができているかだろうか?」と振り返る機会になりました。みなさんにとっても、そのような機会になれば幸いです。
以上、まこりーぬがお届けしました!
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