営業の新規開拓リストの作り方は?ポイントも解説
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メルマガ担当の方にぜひ知っておいてほしいことに、「きちんと届いているか」ということがあります。メルマガを送っていると、読者の方から「最近メルマガ届いてないんですけど…」と言われたことはありませんか?わざわざ届いていないことを教えてくれる人はほんの一握り。多くの読者は「メルマガやめたのかなぁ」と、静かに消えていってしまうんです。
メルマガなどに代表されるメールの一斉送信は、普段取引先や友人とやり取りするメールとは異なり、「受信ブロック」にかかってしまうことがあります。今回は、普段なかなかイメージしづらいメールが届かない理由とその対策について、弊社のメール配信システムの開発と運用を手掛ける、エンジニアチームにインタビューしてきました!目からウロコがたくさん落ちちゃう、大変濃厚な内容となっております。
株式会社ラクス クラウド事業本部
ネットワークエンジニア 原田 幸治
開発エンジニア 小林 英夫、鈴木 鉄兵
関連記事:そのメール、もしかすると相手に届いていないかも?最低限知っておくべき“メール配信の仕組み”を教えます!
原田 まず、一言で「メールが届かない」と言っても、その理由はさまざまです。そして、それらの理由は大きく2つに分けることができます。それは「キャリアブロック」と「迷惑メールフィルタ」です。
キャリアブロックは、送信時のIPアドレスに対して適用されるもので、迷惑メールフィルタは、送信元となるメールアドレスのドメインによって適用されます。
—受信ブロックと一言でいっても、それぞれ全く違うものなんですね。
—キャリアブロックでいう「キャリア」は、例えば携帯電話会社をイメージすれば良いですか?
原田 そうですね。携帯電話会社だけでなく、Gmailを提供しているGoogleさんや、Yahoo!メールを提供しているYahoo!さんなどもキャリアと考えます。キャリアブロックの仕組みを簡単に説明すると、メールの配信リスト(一斉送信メールの対象になっているメールアドレスの集合)に含まれるエラーアドレスの割合が高くなると発生します。エラーアドレスというのは、アドレス変更などにより存在しなくなったアドレスや、なんらかの理由でメールが届いていないメールアドレスのことです。
—エラーアドレスが何%くらいになると、キャリアブロックが発生するんですか?
原田 何%になると発生する、というのは一概に言えません。ここは少し複雑で、携帯電話会社やWebメールサービスは、各社独自のキャリアブロックの仕組みを持っているので、IPアドレスに許容されているエラー率がバラバラなんです。もちろんキャリアブロックの内容は公開されていないので、日々配信されるメールの状況をチェックしながら、細かな調整が必要になります。
—なるほど。携帯電話会社や大手のWebメール事業者以外が独自でキャリアブロックの仕組みを構築することは難しいように感じますが、そういった事業者が提供するメールアドレスにはキャリアブロックの仕組みがないんですか?
原田 ほとんどの企業は、独自でキャリアブロックの仕組みを構築していない代わりに、オープンソース(公開されているプログラム)の仕組みを使っていることが多いです。たとえば、グレイリスティングというプログラムでは、IPアドレス・送信元メールアドレス・メール件名など複数の要素を1セットとして、初めて受け付けるセットの場合は自動的にブロックを行います。一定時間後に同じセットで再度送られてきたメールのみ、受信を許可する仕組みです。
—メールの件名は毎回変わるものですよね?ということは、グレイリスティングを採用しているキャリアに対しては必ず再送の仕組みが必要なんですね。
原田 はい。多くのメール配信システムには、このような再送の機能がついています。対して、スパムメール事業者から送られるメールの多くにはそういった仕組みがありません。そのため、グレイリスティングの採用は、スパムメールの撃退に有効だと言われています。
グレイリスティングの仕組み
—メールを届けるのって、想像していたよりも大変なんですね。
原田 そうですね。メール配信サーバの状況を監視して、配信速度やIPアドレスの割り振りなどを調整したり、キャリアが保有する配信停止データを共有して、読者が望まないメール配信を自動で停止する仕組みである「フィードバックループ」を行ったりと、配信専用のシステムだからこそできることがあります。契約前にしっかりと審査を実施して、スパム事業者との契約を行わないなど、キャリアからの信頼を得ることも大切ですね。
—キャリアブロックを回避するために、メルマガ担当者ができることはありますか?
原田 メールの配信をコントロールするような仕組みを構築・メンテナンスするのは、システムに任せてもらえればと思います。ただし、配信する方にしかできないこともあります。それは「配信リストのクリーニング」です。
キャリアブロックが発生するかどうかは、その値こそ様々ですが、「配信リストに含まれるエラーアドレスの割合」に依存します。そのため、エラーアドレスの少ない、きれいな配信リストを作ってもらうことがキャリアブロックの回避につながります。
—配信リストの中のエラーアドレスを特定して、不必要なものは削除するということですね。
鈴木 高機能なメール配信システムには、配信結果の解析を行って、配信エラーになったアドレスと、配信エラーの理由をメールアドレスごとに解析する機能が付いています。そういった機能を活用して、配信リストからエラーアドレスを削除(=クリーニング)することが大切です。
配信エラーになったメールアドレスの解析イメージ
いかがでしたか?
目に見えないだけに意識しづらいですが、読みたい人に届かないというのは、大きな機会損失ですよね。
メルマガが届いていないかも?という方や、配信リストにどれくらいのエラーアドレスが含まれているかわからないという方は、配信結果の解析ができるシステムを使ってみるなど、ぜひ一度調べてみることをおススメします。
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