フォローメールとは?効果的な書き方・例文も徹底解説!
- ビジネスメール
スマートフォンの普及は、我々の生活を一変させた。
テレビCMの間や、友達との待ち合わせの空き時間、学校や職場への移動時間など、ちょっとしたすきま時間が出来た時に、スマートフォンの画面に夢中になっている人のなんと多いことか。
そして、そんな人々が夢中になっている画面の先にあるのがLINEやTwitter、Instagramなどと言ったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)である。
人々がスマートフォンの画面に夢中になってしまっていることで、旧来のテレビCMや街中の看板、電車の中吊り広告と言った広告は消費者の目に触れる機会が減ってしまっているのかもしれない。それであれば、人々が夢中になっているSNSも利用して消費者との接点を増やそうと企業側が考えるのは当然の流れであろう。
とは言え、SNSマーケティングなんてものはやったことがないし、何から始めれば良いのかと悩む担当者も多い。
そんな時にマーケッターがまず目にするのが、ガイアックスが運営する「ソーシャルメディアラボ」である。
「ソーシャルメディアラボ」はソーシャルメディア・マーケティングの研究機関として、マーケティングに関わる人ならば知らない人はいないであろう有名なメディアであり、月間のPV数は100万PVを超える。
そんなSNSマーケティングの大家が、現代のマーケティング手法では古典的と言われている「メルマガ配信」を重要な施策として位置付けているという。
今回は、ソーシャルメディアラボにおけるメルマガの活用方法について詳しく聞いてみることとした。
■小東真人氏プロフィール
2017年ガイアックス新卒入社。同社オウンドメディア「ソーシャルメディアラボ」の現編集長を務め、FacebookやPinterestなど大手媒体社への取材や、扶桑社や商業界社など紙・ウェブ問わず記事寄稿も行う。趣味は革靴集めと靴磨き。
Twitterアカウント: @gxsoc_kohigashi
■高橋彩子氏プロフィール
2014年中途入社。企業のSNSアカウントコンテンツ提案、ライティング等を担当したのち営業へ転身。業種業態問わず300社以上の企業のソーシャルメディア活用提案に従事している。セミナー登壇あり。出身地である仙台愛が結構つよい。
Twitterアカウント: @ayatakasudako
■インタビュアー 安藤健作プロフィール
2006年ラクス入社。同社でサポートチームを組織化したのち、マーケティングマネージャを経て2016年よりマーケティング・クラウド事業部長/Mail Marketing Lab総責任者。
Twitterアカウント: @comune1128
<以下敬称略>
安藤)まずはソーシャルメディアラボさんの手がけるSNSマーケティングについて教えていただけますか?
小東)はい。弊社ではSNSマーケティングを「SNSの運用代行」に限らず、広くとらえています。
たとえば、百貨店のお客様に従業員さんへのSNS発言をレクチャーしたり、BtoB企業さんの経営層の方々にコンサルしたりもしています。
代行がすべてなのではなく、あくまで生活者とつながる手段として、効果の出るSNSマーケティングを追及していきたいと思っています。
我々、編集メンバーは「SNSマーケティングの健全な市場成長に貢献する」ことをミッションとしてメディアを運営しています。
安藤)ソーシャルメディアラボさんでは、メルマガをどのように利用しているのでしょうか?
小東)有り体に言ってしまえば「リード獲得」になります。ソーシャルメディアラボにて資料をダウンロードしていただいた方やメルマガ会員向けに、【セミナー案内】や【サービス紹介】を配信しています。
安藤)noteにも記載されていらっしゃいましたが、以前にメルマガで大失敗をされてしまったとか。
小東)はい。当時、月に1回メルマガを送っていたのですが、全然効果を出すことが出来ませんでした。
安藤)なぜ効果が出せなかったのでしょう?
小東)当時は記事への流入が増えればいいなくらいに思っていて、自社の宣伝とブログ記事のURLをひたすら貼って送っていました。
お恥ずかしい話なのですが、メルマガの会員はそれなりにいたのでそれで効果が出るだろうと思っていました。
安藤)でも、ダメだった?
小東)ダメでした(笑)。振り返ってみると、酷いところがたくさんあったのですよね。
例えば、Fromアドレスの表示名が「ソーシャルメディアラボ編集部」 だった。「編集部」って、なんだか顔も見えず不気味ですよね(笑)。
コンテンツも毎回違うところと言えば件名とURLだけという、テンプレート状態でした。
安藤)それは、受け取り手がときめかないメルマガですね(笑)
小東)はい(笑)。当然、効果が出るはずもなく、「もうこんな状態ならやらなくてもいいか」となってしまい、半年間ほどメルマガを出すのを止めていた時期があります。
いまとなって思えば、読み手のことを考えないで自社の思いだけで配信していたのがいけなかったのだなって思います。
安藤)その後どのような経緯でメルマガ施策を再開することになったのでしょうか?
小東)2019年に入り、組織としてのKGIをあらためて追い始めることになったのですが、その中で、問い合わせをただ待つのではなく、こちらからもっと声をかけていき、ソーシャルメディアラボのサービス紹介ページへの訪問数をさらに増やしていこうという方針になりました。
Webサイトに訪問していただくのにも、セミナーの集客にも、やはりメルマガが必要だと言うことになり、施策を再開することになりました。
安藤)なるほど。そのタイミングで配配メールにお問い合わせをいただいたようなのですが、なぜ配配メールだったのでしょうか?
小東)当時は某MA(マーケティング・オートメーション)ツールを入れていたのですが、TOO MUCHな機能も多く費用も高くついて大変でした。
そこで、いったんMAをやめて、シンプルにメール配信システムに戻そうという話になった時、数社比べて機能と価格のバランスから配配メールにしました。
安藤)ありがとうございます!実際に使い始めてみていかがですか?
小東)まず操作が簡単なのがいいですね。また、カスタマーサポートの方がとても丁寧です。「CMSとのつなぎ込み」や「HTMLエディタで改行ができない」みたいな大小いろいろな悩みにすぐに対応してくださって、私をふくめ弊社の開発メンバーも助かりました。
先日サポートの方が来てくれた時に、実際に配信しているメルマガをチェックしていただき具体的なアドバイスをもらいましたので、そのうちのいくつかはすぐに実行しました。
安藤)我々は配配メールを導入いただいて終わりではなく、導入がお客様との関係のスタートだと思っていますので、サポートには力を入れています。
ですので、サポートが褒められるとすごくうれしいです(笑)
さて、メルマガ施策の再開にあたり、前回の失敗をどのように生かしましたか?
小東)まずは他社のメルマガをたくさん分析しました。その中で気付いたのは、やはり自社のメルマガが読み手を意識していないってことでした。
そこで、当時営業であった高橋にメルマガを書いてもらうことにしました。
安藤)なぜ高橋さんだったのですか?
小東)高橋はTwitterをやっているのですが、そのツイートがすごく面白いのです。読むとクスってくるようなツイートが多いのですが、ただ面白いだけではなく、誰も傷つけない書き方ができるのが高橋の凄いところなのです。
安藤)高橋さんはメルマガを書いてって依頼されたときにどう思いました?
高橋)これまでメルマガを書いた経験がなかったのですが、自分の名前が出るので下手なことは書けないなってプレッシャーを感じました。
実はそれまで自社のメルマガをあまり真剣に読んでなかったのですが(笑)、メルマガ担当になって改めて読み返してみて、人の温度感が無いメルマガだなと思いました。
安藤)メルマガを書くときにどんなことを心がけていますか?
高橋)これはTwitterでも同じなのですが、どうやったら読んでくれるのかなって考えた時に、「人を感じるメッセージ」じゃないと人の心に働きかけることはできないと思っています。
なので、メルマガは身近な人に送るメッセージのように書いています。
安藤)実際にメルマガの反応はいかがですか?
小東)開封率やクリック率という数値面の成績が上がったのもあるのですが、メルマガに返事が来るようになったことに一番驚きました。
高橋)私は代理店様の営業も担当しているのですが、しばらくご連絡がなかった代理店様から、メルマガの内容についての返信がくるようになりました。
これまで付き合いのある方とさらにコミュニケーションが出来るのは、メルマガの良いところだなって改めて思った出来事です。
安藤)一回のメルマガを作るのにどれくらいの時間がかかっているのですか?
高橋)え、3分くらいでばばばーって(笑)小東が「こんなネタで書ける?」ってお題を持ってきてくれるのですが、お題が私の得意な話題が多いので苦労していません。
小東)まぁ、高橋さんがTwitterでつぶやいている内容をヒントにしてお題を出してるんだけどね(笑)
★実際のツイート★
★その翌週のメルマガ★
・・・・・・・・・・
いきなりですが、社会人生活で「信じられないミス」したことありませんか?
先日、仕事を早めに終わらせて自社開催のセミナーを聴講しに来たら、
参加者がどんどん退室してて、不思議だなぁ思いながらずっと席に座ってました。
1時間ほど開始を待っていたのですが、自社スタッフもなぜか帰り支度をしていたので、
その日の登壇者に聞いてみたら「セミナーもう終わりましたよ」と。
なんと私が開始と終了時刻を完全に間違えてました。。
しかもそのセミナー、他社との共催企画で他社オフィス開催。。
終了間際に飛び込んで満足げに長時間座り込む私。穴があったら入りたかった。。
・・・・・・・・・・
一同)(笑)
安藤)先ほどの話の中で気になったのですが、自社のメルマガを読んでいなかった?
高橋)はい、「なんかマーケがメール出してたなぁ」くらいに受け止めていて、あまり頻繁には読んでいませんでした。
小東)昨年までは、営業とマーケとでチームが分かれていたのですが、お互いが何をやっているのかが見えていなかったのが原因だと思います。
今年に入ってチームを統合した結果、誰を相手に仕事をしているのかという顧客理解が明確になってきました。
安藤)これはどの会社でもあることですね。マーケと営業が組織的に分かれていることで、お互いの仕事が見えておらず、何をやっているのかが見えにくい。
そして、マーケの想像上のお客さん像と、営業が実際に接する生身のお客さんとの間にギャップがあるので、マーケが出すメッセージが全然お客さんに響かないという。
小東)そうですね。
安藤)さて、ここからはSNSマーケティングについてお聞かせください。この最近、SNSマーケティングという言葉を聞く機会が増えてきたように感じるのですが、なぜいま注目されているのでしょうか?
小東)私は4年ほどこの業界を見ていますが、ここ最近でますます企業が自社のSNSアカウントを持つことが当たり前になってきました。
その背景にはTwitterやFacebookといったSNSプラットフォームのユーザー数が増え続けていることと、それに伴い同業他社が自社アカウントを開設しており、自分たちも負けていられないという意識が生まれていると考えられます。
安藤)ここまで広まってきたのはなぜなのでしょうか?
小東)SNSの自社アカウントを持つことで、企業とユーザーが直接つながることが出来るようになります。
また、SNSのプラットフォーム上ではユーザー同士がクチコミで商品を広め合うことで、購買意向を高めてくれたりするということも頻繁に起きます。
そのため、企業としてもきちんとマーケティング施策として取り組んでいこうというのが、SNSマーケティングが一般化してきた背景にあるのだと思います。
安藤)なるほど。では、どのような企業がSNSマーケティングに取り組むべきなのでしょうか?
小東)起点は「クチコミ」になると思います。
クチコミがすでに生まれており、仕掛け次第でユーザーにもっと取り上げてもらえる商材を扱う企業や、まだクチコミは無いけれども検索エンジンに指名で検索が入り、企画次第ではクチコんでくれる可能性がある商材を扱う企業などは、SNSマーケティングに取り組んだ方がいいでしょう。
安藤)クチコミが発生している、もしくは発生する可能性がある企業ならSNSマーケティングをやるべきなのですね。
「仕掛け次第」「企画次第」というのはどういうことでしょうか?
高橋)「仕掛け次第」なのですが、例えばクチコミがすでに生まれている商材の場合は【ソーシャルリスニング】を行ってみると、ユーザーの間でその商材がどのように認識されているかが分かります。
※ソーシャルリスニング
TwitterやFacebook、ブログなどのソーシャルメディア上のユーザーの投稿を分析し、マーケティングに活用すること。
例えば、ある商材ではイメージキャラクターとして某タレントさんを起用していたのですが、ユーザーの間ではそのタレントが出演しているドラマと商材が関連付けられていることがわかりました。その商材自体はドラマと全く関係ないにも関わらず、です。
ですので、そのドラマのセリフを連想するような言葉を使ったキャンペーンを行ったところ大きな反響を得ることが出来ました。これが「仕掛け」です。
安藤)なるほど!
高橋)まだクチコミがない商材の場合には、その商材からクチコミが生まれる可能性が無いか調べます。
例えば、競合の商材ではクチコミが生まれているのに、こちらでは生まれていないとなると、何かPRの部分に問題があることが分かります。この時にクチコミが生まれるように「企画」を考えることでクチコミを生み出すことも可能です。
安藤)クチコミがあれば仕掛けをし、クチコミが無ければ企画をする。
仕掛けと企画があれば、どんな企業でもSNSマーケティングに取り組むべきなのではないかと思えるのですが、あっていますか?
高橋)いいえ、すべての企業がSNSマーケティングに適しているわけではありません。例えば、まだ始まったばかりのサービスや企業などで、情報として発信するものが十分にない時などは、SNSマーケティングを始めるのは早いと思います。
小東)そもそも指名検索が生まれていないようなサービスの場合は、SNSマーケティングよりもコンテンツマーケティングを提案することもあります。
SNSで認知が広まったのに、大本の情報を見に行ったら何も情報が無かったというのでは意味がないですしね。
安藤)なるほど。では、SNSマーケティングに取り組める企業は、メールマーケティングをやる必要はなさそうですか?
小東)いえいえ、どちらの施策も回すべきです。なぜならば、それぞれの施策はそもそもの用途が異なりますし、特性によるメリットとデメリットの両方があるからです。
一般的にメールは既存のユーザーとの関係を深耕するために利用されています。
メールマーケティングの良いところは、ユーザーのステータスに合わせて施策を打ち、出し分けが出来るところです。ただ、そのためのリストを作るのが大変というデメリットもあります。また、メールなので表現がどうしてもテキストに縛られてしまうのも難点でしょう。
他方、SNSマーケティングでは企業は既存のユーザーに限らず、広範囲に情報を発信することが出来ます。
SNSはリアルタイム性に優れているので流行りの話題に乗っかったり、ユーザーに個々に返信したりとタイムリーなやり取りが出来るというのが強みです。
しかし、プラットフォームのアルゴリズムの都合によって上手く届かなかったり、時には予想外の届き方をしてしまって炎上してしまったりと、企業側で制御できないのが難点です。
安藤)「メールマーケティングはやらないでいい」って言われてしまうのでないかと思っていたので安心しました(笑)
一同)(笑)
安藤)これからSNSマーケティングに取り組もうと思っている企業にアドバイスをいただけますか?
高橋)SNSマーケティングは継続的な運用が必要です。中途半端な状態で取り組みを終えてしまうと、その後クチコミが生まれた時に活用されていない公式アカウントにユーザーがたどり着いてしまい、却ってブランドの棄損になってしまうこともあります。
それを避けるためにも、やり始めたらやり切る覚悟が必要です。
小東)ユーザー同士のコミュニケーションを重視するプラットフォームの性質上、企業アカウントの声はユーザーに届きにくくなっているという実情もあります。
それを考えるとあえて企業アカウントではなく、社員が個人の発信というスタンスを取ったほうが良いですし、何より顔の見えない企業アカウントよりも発言に説得力が出ると思います。
ただし、社員に自由に発言させるのは企業にとってリスクであるということも十分に理解できます。
ですので、個人アカウントで行うのであれば、きちんと会社の上層部を巻き込むことが重要です。
安藤)SNSマーケティングをはじめるのならば、やり切る覚悟と、上層部を巻き込むことが大事とのことですね。
本日はありがとうございました。
小東さんのおっしゃる通り、メールマーケティングとSNSマーケティングとはそれぞれが持つ役割が異なるため、どちらかをやればいいというものではない。
とは言え、限られた時間とリソースの中で、どちらの施策もうまく回していくのは難しいというのは十分に理解できるところである。
そのような時は、自社の現在の状況において、「新規のお客様を増やすこと」と「既存のお客様との関係を深めること」のよりどちらに注力すべきタイミングなのかを見極め、状況に応じて施策に入れる力の配分を変えることをお勧めする。
また、高橋さんが「メールもSNSも結局は届け先の相手のことを想像するのが大事」と仰っていたが、これもまさにその通りだ。
こちらの言いたいことだけで構成された、一方的で顧客不在のメッセージで受け取り手に行動を促そうと考えるのは企業側の思い上がりに他ならない。
メッセージを作成する際は、受け取り手を自分に置き換えた時にどのようなメッセージだったら読むのか思い返してみる必要がある。
SNSマーケティングもメールマーケティングも結局はメッセージを届けるための手段に過ぎない。
どちらの施策を行うにせよ、重要なのは相手の心に届くことである。