配信結果の効果測定・分析【連載第13回】
- 【連載】BtoB企業のための初めてのメールマーケティング講座
- メールマーケティング
前回は、メールマーケティングでよく使用される3つの目的とKPIをご紹介しました。
「目的」「KPI」が決まったら、次にやるべきことは「読者像の明確化」です。
・・・という話をすると、「いやいや、うちのメルマガの読者は、見込み客も既存客も混在しているし、いろいろな製品・サービスを利用したり検討したりしている人が混在しているから、特定の読者像を描くことはできないんですよ」というお言葉をよくいただきます。
では、ここでちょっと問題です。以下の2つのメールのうち、どちらの開封率が高くなると思いますか?
おそらく、ほとんどの方が「B」と回答したのではないでしょうか?
一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2016」(※1)によると、ビジネスメールの1日の平均受信通数は、約55通。
マイナビの調査レポート「仕事のメール、1日にどれくらい来る?」(※2)によると、多い人は、1日に200通ものメールを受け取っていることがわかっています。
その中で、貴社からのメールを「見つけてもらう」「開封してもらう」「読んでもらう」ためには、「これは、あなたが読むべきメールです」というメッセージが必要です。
そのために、「読者像の明確化」が必要なのです。
では、読者リストが「見込み客も既存客も混在しているし、いろいろな製品・サービスを利用したり検討したりしている人が混在している」ものであった場合、一体誰を「読者」だと定義すればよいのでしょうか?
方法は、3つあります。
たとえば、「見込み客」と「既存客」を分けて、別の内容のメールを配信する。
あるいは、「Aというサービスを利用している人」と「Bというサービスを利用している人」を分けて、別の内容のメールを配信する。
・・・そうすれば、「このメールを受け取るのは、こういう人」と、明確に定義することができるでしょう。
これが、いちばん確実な方法です。
ただし、セグメント配信を行う場合には、
(1)リストを分ける
(2)属性ごとのメール文面を用意する
など、一定の運用負荷がかかります。
本連載は、「まだメールマーケティングを始めていないBtoB企業」を対象にお届けしていますので、「セグメント配信」は「一斉配信」がスムースに運用できるようになった次のステップだと考えておきましょう。
たとえば、読者の比率が
(1)Aというサービスを利用している方 または Aというサービスの導入を検討している方 70%
(2)その他のサービスを利用している方 または その他のサービスの導入を検討している方 30%
という比率であった場合、まずは(1)の方を対象として、読者像を描いてみましょう。
たとえば、同じクラウドサービスを利用している、あるいは導入検討をしている人であっても、その目的が
(1)業務の効率化 30%
(2)テレワークへの対応 30%
(3)コスト削減 30%
(4)その他 10%
であった場合、(1)~(3)の3パターンの読者像を定義します。
そして、メールを作成するときには、号によって
「この号は(1)の読者を想定して書こう」
「この号は(3)の読者を想定して書こう」
というふうに書き分けていくとよいでしょう。
「誰を読者として定義するのか」が決まったら、読者像を明確にしていきましょう。
BtoCの場合は、
・年齢 ・性別 ・世帯年収 ・学歴 ・家族構成 ・ライフスタイル
などを定義していきます。
その目的は、
(1)「どうすれば購買意欲を高めることができるか」という仮説を立てやすくするため
(2)上記の仮説に対して、戦略を立てやすくするため
です。
では、BtoBの場合は、どうでしょうか?
BtoBの場合も、目的は上記(1)(2)と同じなのですが、以下の2点がBtoCとは異なります。
したがって、BtoBの場合、
の4点を明確にしていきましょう。
次回は、準備段階で、「目的」「KPI」「読者像」以外に決めておかなければならないことについてお伝えします。お楽しみに!
※1 一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2016」
http://businessmail.or.jp/archives/2016/07/01/5668
※2 マイナビの調査レポート「仕事のメール、1日にどれくらい来る?」
http://news.mynavi.jp/news/2015/04/29/080/