大規模なデータ基盤+細やかなセグメントで成果向上!レバレジーズ社が実践するBtoCメールマーケとは

大規模なデータ基盤+細やかなセグメントで成果向上!レバレジーズ社が実践するBtoCメールマーケとは

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メルラボをご覧のみなさん、こんにちは!ライターのまこりーぬ(@makosaito214)です。連載「まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!」の第6弾をお届けします!

今回はIT特化型エージェント「レバテック」でおなじみ、レバレジーズ株式会社さまのもとへ潜入しました!
CRM(Customer Relationship Management)チームに所属する佐藤さんと吉野さんにお時間をいただき、レバレジーズ流のメールマーケティングノウハウをあれこれお聞きしてきました。

顧客データに基づきあらゆる施策をやり切っているお二人のお話には参考になるポイントが盛りだくさんです。ぜひともご覧ください!

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 佐藤 充希 さん
2017年新卒でSIerに入社。その後2019年にレバレジーズ株式会社へ中途入社。エンジニア領域事業のCRM担当として、メール、電話等、複数のチャネルを用いた顧客接点の最適化によるLTVの最大化を遂行。 現在はエンジニア領域のCRM担当のリーダーとして、CRMの設計・構築、マネジメントを担う。

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 吉野 めぐみ さん
2016年新卒入社。医療業界のCRM担当として、メール、SMS、LINE、電話等、複数のチャネルを用いた顧客接点の最適化によるLTVの最大化を遂行。現在は医療・介護領域のCRM担当のリーダーとして、CRMの設計・構築、マネジメントを担う。

求職者とのコミュニケーションを最適化せよ

まこりーぬ:佐藤さん、吉野さん、本日はお時間いただきありがとうございます!はじめに、お二人の仕事内容を教えていただけますか。

佐藤:私たちは二人とも、顧客・見込み客とのコミュニケーションを最適化することで売上を伸ばすことを目的としたCRMチームに所属しています。おもにBtoC(求職者)を対象に、メールだけではなくLINEやSMSなどあらゆるチャネルを駆使しながらコミュニケーションを図る仕事です。

私佐藤はエンジニア領域を、吉野は看護・介護人材領域を担当しています。領域ごとにメールの配信頻度やセグメントは若干異なる部分がありますが、本日はレバレジーズを代表して質問にお答えできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 佐藤 充希 さん

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 佐藤 充希 さん

まこりーぬ:承知しました!こちらこそよろしくお願いいたします。早速ですが、CRMチームではどのようにメールを活用されているのでしょうか?目的や配信内容を教えてください。

佐藤:おもに見込み客や休眠顧客に対してサービス利用を促すメールを配信しています。具体的には、「こんなお仕事があります」という求人情報や転職セミナーの案内、転職活動の状況を伺うアンケートをお送りしていますね。その他ですと、関係構築のためのお役立ち情報を月1程度で送ったり、面談キャンセル防止のためリマインドメールを送ったりもします。

まこりーぬ:メインとなる「サービス利用促進メール」はどのくらいの頻度で配信していますか?

吉野:細かくセグメントを分けて配信することが多いため頻度はまちまちですが、多くて週に4回、少なくとも週に1回は配信していますね。やはり転職意欲の高い方にはしっかりとアプローチしたいので配信数を多くしています。逆に転職意欲の低い方や、ご紹介できる求人がどうしても少ない方に関しては配信数を減らすよう調整していますね。

自前のデータ基盤で細かなセグメントを実現

まこりーぬ:転職意欲でセグメントをかけているということですが、その意欲はどのように測っているのでしょうか?

吉野:方法はいくつかあります。1つ目はWebサイトの訪問履歴ですね。フォームには到達しているもののまだコンバージョンしていないようなユーザーを抽出します。2つ目は会員登録からの日数。やっぱり登録いただいた直後のほうが明らかに転職意欲は高いです。3つ目は、会員登録フォームにおける「いつまでに転職したいですか?」という質問に対する回答内容。そして4つ目は、キャリアアドバイザー(営業)との面談内容も踏まえて、転職意欲を測っています。

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 吉野 めぐみ さん

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 吉野 めぐみ さん

まこりーぬ:オフラインのデータまでセグメントに活かしているなんてすばらしいですね!……しかし営業に面談履歴をデータ入力してもらうのって、結構大変じゃないですか?

吉野:おっしゃる通りで、営業まわりのオフラインデータ収集にはかなり苦労しています。営業にデータ入力のメリットを説明して回ったり、事業部のリーダーからメンバーへ伝えてもらったり、面識ある営業には直接お願いしたり。もう本当にありとあらゆるルートから何度も何度もデータ入力をお願いしています。営業側の負担を少しでも減らそうと、データ入力画面の仕様を変えたことすらあります(笑)。

まこりーぬ:す、すさまじい……!やはりかなり地道な取り組みなんですね(涙)。ちなみに、オンラインからオフラインまで、レバレジーズさんではどのようにデータを管理されていらっしゃるのでしょうか?

佐藤:弊社ではSFA(営業支援システム)を自社開発していまして、そのシステムにすべてのデータを蓄積しています。Webサイト訪問やメール配信履歴はもちろんのこと、面談や電話での会話内容まで一箇所に集めて、お客様ごとに各データを見れるようにしていますね。

まこりーぬ:なんと、自前のシステムとは驚きです!!!

佐藤:数年前から全社の方針としてデータドリブンなマーケティングを推進していまして、その一環でSFAもリニューアルし、より強固なデータ基盤を作ってきました。とくに直近1〜2年は注力していて、私たち自身もいままで以上にデータ活用を突き詰めていきたいと考えています。

吉野:なかでも、複数のコミュニケーションチャネルをどう使い分けていくべきかはもっとデータに基づいて見極めていきたいですね。このお客様にはどのタイミング、このお客様にはどのタイミング、どのチャネルで、どんな情報を何回配信するとよいのか。いまはまだ感覚に頼って判断している部分があるので、弊社の統計解析や機械学習などの高度な分析業務をおこなっているデータ戦略室と連携し、将来的に機械学習も用いながら最適化していけると理想です。

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メールも電話もLINEもSMSも、やっぱり必要?

まこりーぬ:現時点では複数のコミュニケーションチャネルをどのように使い分けているのでしょうか?

佐藤:営業とお客様が個別にコミュニケーションをとる場合は、そのお客様が希望する連絡方法を採用しています。メールや電話、LINEやSMSのケースもありますね。一方、冒頭でお話ししたサービス利用促進目的の情報は、基本的にメールのみでの配信です。LINEやSMSでは送っていません。

吉野:理由としては、LINEやSMSって相手から読まれる確率が高いのと引き換えにブロック率も高いんですよね。メールは週4で送ってOKでもLINEはそうじゃないので、高頻度にならないよう注意しています。

ライター まこりーぬ

ライター まこりーぬ

まこりーぬ:……なかなか使い分けが大変そうですが、「メールのみに絞る」という選択肢はやっぱりないのでしょうか?

佐藤:LINEやSMSは過去のやり取りをスクロールでさっと遡れるので、一度築いた信頼関係を維持しやすい、というメリットがあるんですよ。よって休眠顧客の掘り起こしなんかはLINEやSMSの方が有利です。メールの場合、おそらく一度面談したことのある営業担当の名前で送ったとしても、忘れられている可能性が高いですからね。

まこりーぬ:なるほど、納得しました。やっぱりそれぞれのチャネルを使い分けていく必要はありそうですね。

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超短文メールで次のアクションを明確に

まこりーぬ:さてさて、前半戦ですでに多くの秘訣をお伺いできましたが、後半戦はメールマーケティングにおける具体的な成功・失敗例をお聞きしたいと思います!まずは佐藤さんからいかがでしょうか?

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 佐藤 充希 さん

佐藤:私が最近成功したなと感じた施策は、スクロールせずに全文読めるような3〜5行のコンパクトなメールで、コンバージョン率2倍を実現したことです。

まこりーぬ:いやぁ、なかなか思い切ってますね(笑)。

佐藤:思い切り過ぎて、営業からは「本当にこのメール送って大丈夫なの?」と心配されましたね(笑)。実はこの短文メール、情報を盛り込み過ぎて失敗した長文メールから生まれています。

先日カスタマージャーニーを見直して、ユーザーがなにを知りたいのか、我々はどんな態度変容を起こしてほしいのかを全部整理したんですよ。届けるべき情報がクリアになったので、よかれと思ってあれもこれも盛り込んだ結果、ものすごく情報量の多いメールが出来上がりました。この長文メールは、メールを読んで満足されてしまい次のアクションにつながらなかったり、そもそも次のアクションが他の情報で埋もれてしまったりと、まったく成果につながりませんでした。

この反省を踏まえて、「読んでくれた人に次どんなアクションを起こしてほしいのか」をとにかくはっきり伝える超短文メールを作ってみたんです。「あなたはいま転職活動したいですか?したいなら、ぜひレバテックを使ってください!」と、超シンプルにサービス利用を促すような文面で。これが見事にハマり、成果につなげることができました。

レバレジーズ様の成果が出た超短文メール

成果が出た超短文メール

まこりーぬ:当メルラボでは「メール1通につき1コンテンツにする」「ファーストビューにCTAを置く」をメールマーケティングの定石として布教しているのですが、またもや実例を見つけてしまいましたね……!!!

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CVはとれるが売上につながらない求人紹介メールの罠

まこりーぬ:続いて、吉野さんの成功・失敗例もぜひ教えてください!

吉野:私のチームの最近の成功施策 は、女性が多い看護領域において「子どもの有無」「子どもの年齢」でセグメントを分けてメールを配信することで成果を改善できたことですね。たとえば、子どもが0〜3才の方に対して「託児所の有無」を明記して求人紹介メールを送ると、クリック率が大きく伸びました。

ちなみに、子どもの年齢が0〜3才の場合は転職の意思決定に影響するものの、中学生以降だとほぼ影響しません。こうしたリアルなユーザー像を知らずに、自分の想像で作り上げたセグメントでメールを配信したときは、当然ながら成果につながりませんでした。営業が共有してくれる面談や電話の会話履歴からお客様の生の声をしっかりと聞き、施策に落とさなきゃいけないなと痛感しましたね。

レバレジーズ株式会社 マーケティング部 CRMチーム 吉野 めぐみ さん

まこりーぬ:適切なセグメントに適切なコンテンツを届けて成果を出すためには、大前提、お客様の理解が必要ということですね。

吉野:あとは、コンバージョンはたくさんとれたけど、フタを開けてみると全然売上につながっていなかった系の失敗はたくさんあります。とくに人材紹介あるあるでいくと、特定の求人を取り上げたメールってコンバージョンをとりやすいんですね。ただ、ここから入ってくる方に実際に求人を紹介してみると「やっぱりちょっと思っていたのと違うので結構です」で断られてしまうケースが多く、就職にはなかなかつながりません。

結局は営業がしっかりと面談して、その方がどんなキャリアを描きたいかをヒアリングした上で求人を紹介した方が、ちゃんと就職までつながります。「こんなお悩みありませんか?キャリアアドバイザーが相談にのります!」というメールのほうが、売上で見るとたいてい優れているんですよね。

まこりーぬ:これは非常に参考になる事例ですね。人材紹介に限らず、BtoB含めあらゆる商材でも起きそうな罠だと思いました。コンバージョン数だけでなく、しっかりと売上まで追いかけることが大事ですね。

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メールマーケティングの秘訣はこれしかない

まこりーぬ:最後に、お二人が考える「メールマーケティングを成功させるための秘訣」をぜひ教えてください!

吉野:自分たちにとって都合のいいユーザー像を作らず、お客様の生の声を聞くこと。どんなライフスタイルの人で、なぜうちを選んでくれて、なにを求めているのかをきちんと知ること。……結局はこれに尽きると思います。実はこの質問、二人とも回答が一致しました(笑)。

だからこそ弊社では顧客データの収集・活用を重視しますし、これからも徹底していきたいですね。

まこりーぬ:メールに限らず、マーケティング活動すべてに共通する秘訣と言えそうですね。佐藤さん、吉野さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

まとめ

レバレジーズ社から学んだメールマーケティングのエッセンス

  • ・顧客理解を徹底し、そこから施策に落とし込むこと
  • ・顧客理解を促進させるデータ基盤を整えること
  • ・営業に地道に働きかけてオフラインのデータも残していくこと
  • ・顧客データから適切なセグメントを作り適切な情報を届けること
  • ・メール読者にどんなアクションを起こしてほしいのか、シンプルに伝えること

……いやぁそれにしても、お客様に真摯に向き合い、データドリブンなメールマーケティングをやり切ろうとするお二人の姿、めちゃめちゃカッコよかったですね。しっかり見習います!

以上、まこりーぬがお届けしました!

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まこりーぬ

しばしばマーケティング関係の取材記事を書きます。本業は株式会社LIGのマーケター、ご縁あって複数の会社で副業中。ファンシーなあだ名ですが当の本人は真面目です。どうぞお気軽に。
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