インサイドセールスの第一人者・茂野さん直伝!すぐに成果が出るIS施策【保存版】

インサイドセールスの第一人者・茂野さん直伝!すぐに成果が出るIS施策【保存版】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

メルラボをご覧のみなさん、こんにちは!ライターのまこりーぬ(@makosaito214)です。連載「まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!」の第16弾をお届けします。

本日はインサイドセールスに携わるなら知らない人はいないであろう、株式会社ビズリーチの茂野 明彦さん(@insidesales_jobのもとに取材にやってきました!

誰でもすぐに成果を出せるインサイドセールス施策はもちろんのこと、「マーケティングとフィールドセールスの板挟みで大変……」「どうやってモチベーションを管理しよう?」などなど、よくあるお悩みにも回答いただきました。

茂野さんからの熱いメッセージが盛りだくさんのため、記事を読み終わるころには「インサイドセールスをもっと楽しもう!」と思うこと間違いなしです(涙)。メンバーのみなさんもマネージャーのみなさんも、ぜひご覧ください!

株式会社ビズリーチ HRMOS事業部インサイドセールス部 部⻑ 茂野 明彦 さん
2012年、株式会社セールスフォース・ドットコムに⼊社。グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部⾨を⽴ち上げると同時に、アジア太平洋地域のトレーニング体制構築⽀援を実施。2016年、株式会社ビズリーチ⼊社後、インサイドセールス部⾨の⽴ち上げ、ビジネスマーケティング部 部⻑を経て、現在はHRMOS事業部インサイドセールス部 部⻑を務める。インサイドセールスに関する連載記事の執筆を⾏うほか、インサイドセールスカンファレンスを企画するなどインサイドセールスの認知向上、発展に貢献している。著書に「インサイドセールス–訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド-(翔泳社)」
>>「インサイドセールスプラス」

 

>>メールマーケティングの最新情報をお届け! メルラボ / 配配メールのメルマガに登録する

 

すぐに成果が出る施策 第1位は……

まこりーぬ:本日はよろしくお願いいたします!まずは具体的な施策からお伺いさせてください。茂野さんが選ぶ、誰でもすぐに成果を出せるインサイドセールス施策No. 1はいったいなんでしょうか?

茂野:一番はレスポンスのスピードを上げることです。お客様がお問い合わせしてくださった瞬間、PCスマホの近くにいらっしゃって応対いただける可能性があるときに、競合よりもいち早くアプローチすることです。

「お問い合わせ後5分以内にコンタクトした場合とそうでない場合とでは到達率が8倍違う」という調査結果もあるほど、スピードは非常に重要です。

まこりーぬ:一番はレスポンスのスピードなんですね!はやいほうがいいとは思いつつも、徹底できている会社は意外と少ないように感じます。

茂野:多くの会社でスピードの重要性がまだきちんと理解されていないと思います。そのためスピードが出せるオペレーションになっていません。たとえばリード獲得後に担当者へ情報が届くまで時間がかかる、インサイドセールスが抱えている業務量が多すぎて即時対応できないなども要因のひとつです。

インサイドセールスの人数を増やす、あるいは優先すべきリードの条件を決めてそれだけは5分以内に対応する、といった工夫が必要です。

それにオペレーションは定期的に見直さなければなりません。「リッチなコンテンツのほうがコンバージョン率が高いから、今後お客様に送るメールは個別にカスタマイズしよう!」と、個別の施策でオペレーションを追加してしまうケースがあります。

やることは増やすけれど、“やめること” を決めないので結果として5分以内に対応できなくなっていくんです。

まこりーぬ:よかれと思ってやることを増やし、結果スピードが落ちる、っていうのは本当にあるあるですね(涙)。

関連記事:インサイドセールスとテレアポの違いは質と量!それぞれの特徴と運用のコツ

関連記事:セミナーやイベント開催している企業様必見!開催後すぐにメール配信をしてアポ獲得できた事例を紹介

「また改めて連絡します」がNGな理由

茂野:もう一つ、誰でもすぐに取り組めるのは買い手の目線に立つことです。お客様側に立ってみれば、よく知らない会社から「その後ご状況はいかがですか?」といきなり聞かれても話す理由がないですし、契約していない会社から「担当が変わったので一度ご挨拶させてください」と言われても関係ありません。

これらはインサイドセールスの現場でよく見かける会話ですが、非常に売り手目線だと感じます。

こうしたコミュニケーションが2回3回と積み重なるとネガティブな印象をもたれ、電話に出ていただけなくなったり、場合によっては叱責を受けたりします。もちろん運よく商談が生まれることもありますが、1%成功したとしても、99%のお客様に不快な思いをさせてしまいます。

まこりーぬ:は、恥ずかしながら私もその昔「担当者が変わったので〜」とテレアポしていた時期があります……。

茂野:みなさんプライベートでは「こういうお店は好きそうだな」「この映画は興味ありそうだな」って、相手が喜びそうな情報を用意して連絡しますよね。プライベートであれば自然と相手目線のコミュニケーションをとっているのに、法人対法人、ビジネスになった途端に一方的な連絡をしだすから不思議です。

弊社では買い手目線を徹底するために、「買い手目線に立とう」「お客様が喜ぶお土産を持ってコミュニケーションをとろう」と言い続けています

まこりーぬ:おっしゃるとおりですね。買い手目線、徹底いたします!!!

茂野:他にもよくあるNGは、商談につながらなかったときに「また改めてご連絡します」と電話を切ってしまうことです。この言葉が出てきた瞬間、お客様のなかでその会社との関係性は終了します。そうなると次に電話がかかってきたときにストレスに感じるんですよ。

電話を切るときは「御社と近い業界の事例をお送りしておくので、ご覧いただいたころにまた連絡しますね」「今回参加いただいたようなイベントがあればまたご案内しますね」と、必ずネクストアクションを提示するようにしましょう。事前に3パターンほど用意しておけば、誰でも提示できるようになるはずです。

株式会社ビズリーチ HRMOS事業部インサイドセールス部部⻑ 茂野 明彦 さ

株式会社ビズリーチ HRMOS事業部インサイドセールス部部⻑ 茂野 明彦 さん

まこりーぬ:なるほど。ネクストアクションを提示されていると次に連絡がきたときの印象がだいぶ変わりますね。ちなみに買い手目線に立つために、茂野さんはいつもどのようにしてお客様の状況を把握されていますか?

茂野:ヒアリングするしかありませんね。ただし、信頼していない人に対してお客様は本当のことを話してくれません。信頼を得るためには、同業の成功事例や課題解決の事例、製品の活用方法など、多くの知識をもっておく必要があります。「インサイドセールスは製品知識を持っていなくていい」という考えには私は反対です。

加えて「お客様の課題まで踏み込んでヒアリングするのは失礼じゃありませんか?」とよく相談を受けるのですが、お客様の課題を本気で解決したいという想いでおこなうヒアリングであれば、踏み込み過ぎて怒られることはまずないと思います。少なくとも私の経験では一度もありません。

大事なのは「なにを聞くか」ではなく「どういう姿勢で聞くか」です。

まこりーぬ:取材にも通ずる部分があると感じます。姿勢は大事ですよね。

関連記事:継続的なフォローメールで顧客との関係性を構築!メール配信の内容も大公開!

関連記事:営業メールは送り続けないと意味がない!?メールで商談を増やすためのポイント3選!

インサイドセールス×メールの成功施策・やらない施策

まこりーぬ:当メディアにちなんでぜひ伺いたいのですが、貴社のインサイドセールスにおいて “メール” はどのように活用されていますか?

茂野:お客様とコミュニケーションをとるうえで、メールを使わないことはまずありません。最近ですとメールのやり取りのみで商談化することも増えました

ただ、こういうタイミングでこういうメールを送る、といったルールは特にありません。セミナー情報をお送りする、事例をお送りするなどコンテンツも自由です。電話・メール・SMSを状況に応じて使い分けています。

まこりーぬ:比較的自由度が高いんですね。過去成果につながったメール施策にはどんなものがありますか?

茂野:細かい話になりますが、商談前のお客様に追加でヒアリングをしたいとき、事前に回答候補まで書いておいて「該当しないものを消してください」と提示したところ、回答率が上がりましたね。ゼロからお客様に回答を書いていただくのは手間ですし、アンケートフォームを用意してもなかなかリンク先へ飛んでいただけません。

ほかにも、こちらでセレクトした事例の詳細をただ一方的に送るよりも、3つの事例の要約を書いて「どちらに興味ありますか?」とお客様に選んでもらうスタイルにしたところ、返信率が高い傾向がありました。それに自ら選んでもらったもののほうがお客様も読んでくれますよね。

まこりーぬ:ふむふむ。これらはすぐにマネできますね!逆にやってみたけど成果につながらなかった施策はありますか?

茂野:メールはコストがかからないので、費用対効果がマイナスだったことは正直ありません。いただいた質問から少し逸れますが、やらないようにしていることをお話しできればと思います。

私は基本的に、お客様に相対しているインサイドセールスが、そのお客様にとって必要だと思う情報を1to1でお届けすべきだと考えています。そのため「セミナーに申し込みませんか?→まだ申し込んでいない→申し込みませんか?→まだ申し込んでいない→申し込みませんか?」のような、安易なステップメールは避けています。

問い合わせや資料をダウンロードしてくださったということは少なからず我々のサービスに興味があるお客様なので、できれば離脱してほしくありません。ですから効率化が先行した “お客様に喜ばれないコミュニケーション” はとらない。配信解除率も気にしています

株式会社ビズリーチ HRMOS事業部インサイドセールス部部⻑ 茂野 明彦 さ

まこりーぬ:1to1のメールが最善となると、それはもう業務がパンクしてしまいませんか……!?

茂野:1日に数十通メールを送るというのに、1to1で書いていると時間が足りません。そこでおすすめなのは 、メールのパターンを100通作ることです。

パターンが数個しかないから、お客様が受け取るときに1to1のメッセージだと思えないんです。チームで取り組めばあっという間に用意できますよ。

まこりーぬ:なんと、その発想はありませんでした。たしかにそうですね!

茂野:インサイドセールスにおける “1to1コミュニケーションと効率化のバランス” って、本当に難しいテーマです。しかし難しいからこそ人間が介在する価値があるし、こだわり抜けば差別化ポイントにもなる。ここがインサイドセールスの醍醐味とも言えますよ。

関連記事:One to Oneメールで成果の出るメルマガを!具体的な作り方と成功事例

関連記事:インサイドセールスのメール配信でうまくいった施策6選!

インサイドセールスのモチベーションってどう保つ?

まこりーぬ:“インサイドセールスの醍醐味” という言葉が出てきましたが、しばしば現場から「モチベーションを保ちづらい」というお悩みを聞きます。管理職として、茂野さんはどのようにメンバーと向き合っていらっしゃいますか?

茂野:インサイドセールスは20代が活躍しているケースが多く存在します。彼らは成長実感がないこと・成長環境がないことに幻滅する傾向が強いと感じています。

ですから必要なのは、期待すること。ただCRMを渡して「たくさん電話してください」ではなく、「1to1コミュニケーションと効率化のバランスを追求してください」と高く求めることです。

「難しいことを要望するのはハードルが高い」と考えているマネージャーがいると思いますが、若手人材は情報感度が高く本当に優秀です。自分よりも能力的に優れた人材になる素質を持っていることを、まずは上司が自覚すべきですね。

まこりーぬ:あまり求めちゃいけないと勘違いしていた節がありました。反省です(涙)。ちなみに茂野さんから見て、インサイドセールスはどのような成長が期待できる仕事ですか?

茂野:インサイドセールスはマーケティングとフィールドセールスの間にいるからこそ、改善や進化できるポイントがとても多く、オペレーションも日々変わっていきます。これほど変化が多く、自分の介在価値を感じられるポジションはないと思います。だから本当にやりがいのある仕事だと考えています。

ただし「自分の仕事はここまで」と線を引いてしまうとおもしろくないですし、成果もでません。インサイドセールスを楽しんでいる人はマーケティングにもフィールドにも入り込む。相手に線を引かれているのであれば、それを乗り越えていく。私はそうやってきましたし、メンバーにもそうあってほしいと思っています。

まこりーぬ:なんだか、過去一インサイドセールスという仕事に魅力を感じました……!!!

茂野:「インサイドセールスをずっとやり続けたい!」という人は決して多くはありませんが、少なからず社内には「もっとインサイドセールスを続けたい」「インサイドセールスを極めたい」というメンバーが出てきていて嬉しく思っています。

マーケ&フィールドセールスとうまく連携をとるには?

まこりーぬ:もう一つ、「マーケティングとフィールドセールスの板挟みで大変」というお悩みをよく聞きますが、茂野さんがマーケティングにもフィールドにも入り込む上で心がけているのはどんなことでしょうか?

インサイドセールスの第一人者・茂野さん直伝!すぐに成果が出るIS施策【保存版】

ライター まこりーぬ

茂野:ほとんどの組織は、目標を達成しているときは「マーケのおかげです!ありがとう!」と友好的です。でも目標を達成しなかったときに「マーケのリードが足りなくて……」とギスギスしだすんですよね。こうなるのは、普段から積極的に議論をしていないからだと考えています。問題が起こっていないときにも互いのKPIに言及して売上達成のために議論できる健全な関係ならばこうなりません。

それと“組織対組織”の問題として捉えることが多くありますが、シンプルに “組織長” の問題だと思います。インサイドセールス部門長とマーケ部門長の仲が悪い、コミュニケーションが少ないから空気が悪くなるんです。

まこりーぬ:すべては長の問題。一管理職として、深く心に刻みました……。

茂野:組織の器は、組織長で決まります。その人が成長しなかったら組織の成長も止まる。インサイドセールスのトップなら、セールスもマーケティングも人材育成も必死で勉強する。そこは肝に銘じて頑張っていただきたいですね。

まこりーぬ:はいッ!とてもとても気が引き締まる貴重なお話の数々、本当にありがとうございました!!!

まとめ

茂野さん直伝!インサイドセールスの極意

  • ・スピードが最重要、5分以内にレスポンスできるようオペレーションを整える
  • ・買い手目線に立ち、相手が喜ぶお土産をもってコミュニケーションをとる
  • ・「しばらく経ったらまた連絡します」はNG、ネクストアクションを明確にすべし
  • ・ヒアリングには信頼が必要、信頼には知識の幅が必要
  • ・効率化が先行した “お客様に喜ばれないコミュニケーション” はとらない
  • ・1to1コミュニケーションを効率化するためにメールのパターンを100個用意する
  • ・成長実感・成長環境を求める世代には高く期待しよう
  • ・自分の仕事に線を引かず、マーケにもフィールドセールスにも入り込もう
  • ・組織の課題はトップの課題、トップ同士が日頃から健全に議論し合う関係を

インサイドセールスのみならずマネジメントにも長けた茂野さんの言葉の数々、いかがでしたか?私は胸に刺さりまくって大変でした……。みなさんにも心震えるメッセージがお届けできていれば幸いです!

以上、まこりーぬがお届けしました!

メール配信のお悩み配配メールで解決!無料資料をプレゼント
The following two tabs change content below.

まこりーぬ

しばしばマーケティング関係の取材記事を書きます。本業は株式会社LIGのマーケター、ご縁あって複数の会社で副業中。ファンシーなあだ名ですが当の本人は真面目です。どうぞお気軽に。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するおすすめ記事

  • 配配メールバナー