BtoBメルマガの“目的”を決めるのは、お客様との“関係”
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前回は、メール本文を考える前に押さえておきたい、「目的」と「ターゲティング」という2つの重要ポイントについて学びました。今回は「なぜ、このお客様に、この内容のメールを送るべきなのか?」というメールマーケティングの「目的」について少し掘り下げて考えていきたいと思います。
お客様との関係は今、「どんな段階?」
前回学んだ2つの重要ポイントのうち、「ターゲティング」は、顧客リストをもとに“お客様を絞り込み狙い撃つ”ことで実践できます。しかし一方で「目的」…つまり、そのお客様に「何を伝えたいのか?」を考えるのは、意外に難しいかもしれません。 自社の製品やサービスがいかに優れているか、競合との差は何か…これは当然、伝えたくなる情報です。しかし、むやみに自社の製品やサービスの内容だけにこだわることは得策ではないのです。 「そう言われても、自社の製品やサービスのこと以外に何を書けばいいんだろう?」と悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。そんな時は、お客様との関係がいま、自社にとって「どんな段階なのか?」を整理して考えてみることです。
それぞれの「段階」に応じた「目的」がある
突然ですが、「自社」と「お客様」との関係を男女のお付き合いに例えてみましょう。次のような「段階」を想定してみます。
- 段階① 面識はあっても、お互いのことはよく知らない、あまり興味がない段階
- 段階② 相手のことに興味があり、もっと知りたいと思っている段階
- 段階③ お互いの電話番号やメールアドレスは交換済み。友達関係を築いている段階
- 段階④ よく食事を共にするなど、友達以上のかなり親しい関係を築いている段階
このようなお付き合いの「段階」をお客様との関係に当てはめてみると、次の4段階のようになります。それぞれの状態、目的、内容を整理してみましょう。
段階① コールドリード
お客様の状態:課題は潜在的、または課題認識が薄い段階。面識はあっても、まだ「自社」がどんな人だかよく分かっていない段階です。
目的とメール内容
お客様の「課題を認識させる」「課題を解決するための方法(サービス)がある」ということを伝えるのが目的。製品・サービスの紹介よりも、お客様が関心を示す分野のレポートや市場調査、想定される課題と解決策、ノウハウなどを優先的に紹介します。
段階② ホットリード
お客様の状態:課題の認識あり。サービスの比較・検討段階。相手(自社)に興味を持ち、もっと知りたいと思っている段階です。かなり「脈あり」です。
目的とメール内容
相手に「積極的に自社のサービスを知ってもらう」ことを目的にアピールします。自社の強みを伝え、お客様との距離を縮めるためにも「導入を具体的にイメージできる事例」「競合サービスとの違い、優位性」「試用」「セミナー」などを紹介しましょう。
段階③ カスタマー
お客様の状態:サービス導入済で、より良い利用法、関連情報を知りたい段階。既存顧客であり、すでにある程度の信頼関係が築かれています。
目的とメール内容
「サービスを使いこなして、成果を出してほしい」「サービスの理解を高め、より長く利用してほしい」という目的のもと、メールコンテンツを作成します。アップセル・クロスセルにつながる情報を提供してもよいでしょう。
段階④ ロイヤルカスタマー
お客様の状態:サービスに信頼を寄せ、好意を持っているのでサービスの優位性をアピールして新規顧客を紹介してもらえることも。いわば「お得意さん」であり、友達以上恋人未満(?)のようなかなりの信頼関係が築かれている状態です。
目的とメール内容
カスタマー向けコンテンツのような情報とともに、特別なキャンペーン情報、新規顧客を紹介することでのインセンティブ等の情報や、SNSのページへ誘導して「いいね!」を増やしてくれる…そんな発展的なことも期待できる関係です。
上記の各段階をまとめたものが、下の図になります。まずは、お客様を下図のような段階ごとに分けて考え、それぞれの段階で目的・内容が異なるということを理解することが重要なのです。
・図:お客様の「4つの段階」と「目的」の例
メールマーケティングの「目的」を明確にして、どのような内容を伝えるべきか見えてきましたか? 次回は、いよいよ具体的なコンテンツの検討について、話を進めていきたいと思います。
The following two tabs change content below.ターゲットメディア株式会社執行役員。創業時よりBtoB企業のマーケティング支援業務に携わり、現在は主にBtoB企業のリード獲得、リードナーチャリング案件を担当しています。
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