メールテンプレートを作成するための11のステップとは?
 前回は、メールマーケティングにおける「How(どのように)」の中から、「運用スケジュール」についてお伝えしました。今回は、「メールテンプレート作成」についてお伝えします。
「メールテンプレート」は、以下の11のステップで作成していきます。
※HTML形式とテキスト形式では、多少手順が違います。今回は、BtoBメールの主流であるテキスト形式の場合について、ご説明します。 

 1つ1つについて細かく見ていきましょう。 

 たとえば、
【連載第4回】メールマーケティングにおけるコンテンツの明確化で例に挙げたとおり、
 ◆対象:経理部長(既存客)  ◆目的:既存客とのつながりを強化し、「他社に乗り換えない」ようにすること  ◆メールのコンテンツ:  1)経理部門の方向けのお役立ち情報  2)ツールのバージョンアップ情報や、既存客向けのセミナーの案内、カスタマーサポートの事例の紹介  3)他社にない機能や他社よりも優位性のある機能のご紹介、使い方のご紹介
 ということが決まっていた場合、 
A:1)~3)をどの順番で載せるのか B:1)~3)以外にどんな情報をどんな順番で載せるのか を決めます。 
A:1)~3)をどの順番で載せるのか 基本的な考え方として、以下の3つのポイントを覚えておいてください。 
①上から順に、読んでほしいコンテンツ順に並べる 一般的に、メールのクリック率は下にいくほど低くなるからです。 
②読者が読みたいコンテンツは下の方に置く 下の方に読みたいコンテンツがあると、そこまでスクロールして見ていただける可能性が高くなるからです。 
③コンテンツが3つ以上ある場合は、目次を入れる メールを開封してくださった方に、全体的なボリュームや、どんなコンテンツが掲載されているかを把握していただくことにより、「読む効率」を上げていただくためです。 
B:1)~3)以外にどんな情報をどんな順番で載せるのか 1)~3)以外に掲載するものとしては、一般的に  ①ヘッダ
②ごあいさつ文
③どんな方に配信しているかの表記(例:資料請求をしてくださった方、営業と名刺交換してくださった方)
④配信解除方法のご案内
⑤フッタ  などがあります。  上記A,Bを踏まえた全体の構成は、以下のようになります。  【BtoBメール 構成案の例】 
 
 
 次に、メールの通しタイトルを決めます。  BtoBの場合は、特に決めていないケースも多いようですが、通しタイトルを決めておくと  ・読者に覚えていただきやすい
・ひと目でどんな情報が送られてきているのか伝わりやすい  などのメリットがあります。  例:  「
SEO最新ニュース」(弊社の公式メールマガジンのひとつ)  「
毎日0.1%の成長」(メルラボ連載陣のおひとり 平野友朗さんのメールマガジン) 
 
 
 「トーン&マナー」とは、表現の一貫性を保つための書き方のルールのことです。  「表記ルール」とは、  ・どんな文字は使ってよくて、どんな文字は使ってはいけないかを決めること  あるいは  ・複数の書き方がある場合、どの書き方にするかを決めること  です。
たとえば、こちらの例文をご覧ください。
コンニチハ~♪なんだかすっかり寒くなってきましたけど、カゼなんかひいてませんか?「ホニャララは、カゼひかない」な~んて言いますが、実はワタシ、いままで1回もインフルにかかったことがないんです。ヒューヒューすごいでしょ!(^^)! インフルウィルスに負けないヒケツは、野菜をいっぱい食べることと、お肉をいっぱい食べることと、ご飯をいっぱい食べることと(←食べることばっかりかいっ★)、あとは毎日最低7時間はガッツリ寝ることです。どんなに仕事が忙しくても、食べれる・寝れるというのが自慢の超健康体 「はなぴー」 こと 山田 花子 が、今月もニュースレターをお届けいたします!ぜひ、最後までお読み下さいねっ(*^^*)

 ・・・いかがでしょうか?  「慣れ慣れしすぎる」「会社のブランドが損なわれる」と感じたのであれば、「トーン&マナー」に問題がある、ということになります。
読者の方とどの程度の距離感で接したらよいのか、どの程度硬い文章にすべきで、どの程度柔らかくてもいいのかは、会社の規模や業種・取り扱う商品やサービス・読者の方との関係性などにより異なります。  「このサイトと同程度で」「このメールマガジンと同程度で」と、具体的に決めましょう。
また、「表記ルール」としては、以下のようなことを決めておく必要があります。 
①記号などの使用 この例文で使われている  「~」「♪」「★」「!(^^)!」などの記号や顔文字、語尾の「っ」などは使っていいのか、いけないのか 
②カタカナ表記や省略表記の使用 こんにちは・コンニチハ
私・ワタシ
風邪・カゼ
インフルエンザ・インフル  などは、カタカナにしたり略したりしてもいいのか、いけないのか 
③英数字の半角・全角表記 1回・1回  は、半角にするのか全角にするのか 
④開く漢字・開かない漢字 下さい・ください  は、開いて(ひらがなにして)書くのか、開かないのか 
⑤不適切な用語 ホニャララ
ヒューヒュー
超
ガッツリ  などは、使ってもいいのか、いけないのか  (※トーン&マナーから判断できる不適切な言葉については、すべてを表記ルールで定義する必要はありません。) 
⑥改行・空白行 「。」まで全部つなげて書いていいのか、〇〇文字前後で改行を入れる、と決めるのか
空白行は、どのくらいの頻度で差し込むのか
なども、読みやすいメールにするために併せて決めておくとよいでしょう。  「トーン&マナー」や「表記ルール」をしっかり決めておかないと、書き手が変わるたびに雰囲気の異なるメールが届くことになり、会社として一貫したイメージづけをすることができませんので、最初にしっかり整理をしておきましょう。  (※一般的な表記ルールについては、共同通信社発行の「記者ハンドブック」をルールブックがわりに使用する場合も多いようです。)
(※「食べれる」「寝れる」 については、「ら」抜き言葉といって正しい表現ではありませんので、校正者が気づいて「食べられる」「寝られる」に修正すべきです。)  次回は、「BtoBメールのテンプレート作成(中編)」をお届けします。お楽しみに!
  
 The following two tabs change content below.コンテンツマーケティングの専門会社 株式会社グリーゼ代表取締役。最近は、コンテンツの設計だけではなく、コミュニケーションの設計からお手伝いする案件が増えています。