メール営業の正しいタイミングとは

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営業力アップ!メール活用術 第2回

メールを送るタイミングを軽視している営業パーソンが多いように感じています。ここで、象徴的な事例をいくつかご紹介しましょう。

名刺を集めて終わりになっていませんか?

私は仕事柄、営業プロセスを見るのがとても好きです。今の営業のトレンドが分かるし、営業を受けることでいろいろな気付きがあります。そのため、イベントや展示会などに参加したら、気になるブースでは手当たり次第に名刺を配ってきます。 当然、イベントや展示会に出展するからには、顧客情報を獲得して、その後に営業をするといった計画があるはず。どんな営業をされるのかワクワクして待っていました。しかし、3日経っても、1週間経っても、営業の連絡がほぼきません。メールが届いたと思ったら、一斉配信のメールマガジンということも珍しくありません。しかも、メールマガジンが数カ月後に届いたこともありました。連絡がないことも一度や二度ではありません。 これでは「イベントに出ること」や「展示会に出ること」が目的になっていて、本来の営業に目が向いていないともいえます。

イベント後に送るメールのシナリオを描けていますか?

イベントや展示会に出るなら、その後、どのようなタイミングで、どんなメールを送るべきなのか。そうした「シナリオ」を事前に考えるべきでしょう。 例えば、次のようなイメージです。
・【イベント参加申込時】参加申し込み完了メール ・【イベント前日~3日前】リマインダメール ・【イベント翌日】参加お礼メール ・【イベント数日後】フォローメール ・その後、反響がない人をメルマガに登録
このように、事前にシナリオを考えて「意味のある接触」の回数を最大化すべきです。 お客さまが望む(嫌がらない)内容で、できる限り接触をする。すると、お客さまの記憶の中に、その企業の情報が蓄積され、強化されます。お客さまが困ったとき、真っ先に思い出してもらえるかもしれません。イベント後に電話をした際、取り次いでもらえる可能性を上げることにもつながります。トータルの受注率にも影響を与えるでしょう。 しかし、多くの企業が、イベント後のフォローについて、シナリオやタイミングを考えずに動いています。タイミングを軽視し、リストの件数に重きを置いている。冷静に考えたら、それがいかに非効率なことか分かるでしょう。

営業メールのタイミング

先日、ある営業マンから営業メールが届きました。新規の連絡でしたが商材に興味があったので、しばらくやり取りを続け、提案書を出してもらうことになりました。 はじめの数回は、半日以内にレスポンスがあり噛み合っている感じがしました。しかし、提案書が届いたのは20日後。このようなタイプの方と仕事をすると、その後うまくいかない可能性があるでしょう。 そのため、次のようなメールを送って断りました。 メール営業の正しいタイミングとは 営業活動は、多少のミスがあっても、その後の頑張りがあれば挽回できるかもしれません。 しかし、この方は、その後、一切連絡をしてきませんでした。残念ですが、都合が悪くなったら自分から連絡をしなくなる。そのような人と仕事をする必要性を全く感じません。 今回の事例は、特別なものではありません。日常よく見かける営業のほんの一コマです。 もし、提案書の提出が遅れるなら「いつまでに提出できそうか」、「なぜ、それだけ時間がかかるのか」の2点をしっかり伝えるべきです。スケジュールが分かっていれば待てたでしょう。それに、いつまでに届くか記憶に残っているので提案書が届いたとき、目を通す気になったでしょう。 今回、20日後にメールが届き「この人は誰だろう?」となり思い出せませんでした。過去のメールを検索して、やり取りを確認しましたが、そのときには「発注したい」という気持ちは微塵もなくなっていました。

営業マンが守るべきタイミングとは

全てのメールの返信を24時間以内にする。まず、これを鉄則だと考え、守ってください。もちろん、土日のメールには、すぐに返信ができません。これは問題ありません。営業日換算で24時間以内。月曜日に届いたメールは火曜日までに。金曜日に届いたメールは月曜日までに。このくらいの間隔が上限でしょう。 ただし、もっと成果を求めるならば、目標は12時間以内です。私の場合、前日の夜に届いたメールは全て朝のうちに返信します。その日に届いたメールは、夕方会社を出る前に全て返信します。日中、手が空いていたら、その隙間時間で常にメールの返信をしています。 お客さまからすると、全てのメールが数時間以内に返信がくる印象になります。こうなると「しっかりやってくれている」という印象も付き、交渉などの主導権も握りやすくなります。 1週間後に送っても、今すぐに送っても、そこにかかる時間は一緒です。今すぐ返事をしない理由にはなりません。ただ問題を先送りしている。そんな人は、返信のタイミングを冷静に考えてみたらいいでしょう。どうせ同じことをするなら、成果を最大化すべきです。

リマインダメールすら送れていないのが現状

ある企業での社員研修で「訪問前にリマインダメールを送ることは良いことだと思う人、手を挙げてください」と聞いたところ、3,000人全員(※)が手を挙げました。次に「今まで、訪問前にリマインダメールを送ったことがある人は手を挙げてください」と聞くと、またしても全員が手を挙げました。しかし、「これを1年間、抜け漏れなく継続できた人は手を挙げてください」と聞くと、全員の手がスーッと下がりました。 ※1回数百人の研修を数回実施しました つまり、やった方がいいのは理解しているが、何らかの理由(その多くが単なる言い訳)をしてやらないのです。 このコラムを読めば「営業の劇的なノウハウが学べる」と思っている方には期待外れの話になってしまうかもしれませんが、まずは「やるべきことをしっかりやる」。これが重要です。劇的なノウハウは存在しません。やるべきことを正しくやる。ただそれだけなのです。 自分の頭の中で分かっている「送るべきタイミング」があるなら、それを100%守る。一切の例外を許さずに取り組む。それだけで、営業成績が上がるケースも実は多いのです。
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平野友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役。一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。実践塾シェアクラブ 主宰。 1974年、北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学専攻。広告代理店勤務を経て、2003年、メルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育・改善の第一人者として知られ、メールコミュニケーションの専門家。メールに関するメディア掲載1500回以上、著書32冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールやメルマガなどを駆使して1万社以上の顧客を開拓。メールのスキルアップ指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などに数多く携わる。官公庁、企業、団体、学校での講演や研修、コンサルティングは年間150回を超える。日本初のビジネスメール教育事業や検定試験を立ち上げるなど、ビジネスメール教育の普及に尽力している。
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