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メールマーケティングの実践において、効果的な配信方法である「ステップメール」。お客様からも配配メールの導入前から「ステップメールを実施したい」という声もよくお聞きします。ただ、実際は活用方法が分からないまま配信しているというケースも数多くあります。また、そもそもステップメールの存在を知らず、効果的なメールマーケティングを行えていないケースも多いです。
そこで今回は、ステップメールで得られる効果や、効果的な作成方法、ステップメールの活用事例などをご紹介します。
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ステップメールとは、商品の購入や問い合わせ、メルマガの無料登録など「決められたアクション」を起こした見込み客に対して、あらかじめ準備しておいたメールを予定しているスケジュールに沿って自動で配信するメールマーケティング手法です。
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ステップメールの例を以下の図に示しました。
登録後すぐに、登録してもらったことへの感謝を伝えるメールを自動で配信
さらに、3日後に製品を紹介するメールを配信
その、2日後に製品の特別キャンペーンを紹介するメールを配信
このように、特定のアクションに対して決められたスケジュールでメールを配信することで、次の購買などの行動を促すアプローチを自動化することができます。
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メールマーケティングにおいてステップメールが効果的だと言われる所以は、顧客のアクションに応じて、事前に決めておいたシナリオに沿って自動でアプローチできるところです。それでは、自動でアプローチすることによって得られる効果をご紹介します。
MAツールの登場により、近年は「リードナーチャリング」の重要性が高まっています。リードナーチャリングは、メールやSNS、電話などのコミュニケーションを定期的に行うことで、見込み客の検討意欲が高まるタイミング…つまり商談や購入など態度変容を伺う活動のことです。そんな見込み客の態度変容にはステップメールの活用が効果的です。例えば、メルマガのノウハウ資料をダウンロードした顧客に対して、メルマガを簡単に配信できる製品やメルマガの成功事例集の紹介、さらには読者限定のキャンペーン情報をステップメールによって配信し、継続して顧客フォローすることで、顧客の検討意欲が高まり、態度変容を起こすことにつながるでしょう。
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昨今では顧客の「ファン化」も重要視されています。もっぱらSNSでのマーケティング施策として実践されている企業が多いですが、ステップメールの活用も「ファン化」の一要素である「共感される仕組みの構築」に効果的です。例えば、あるブランドのシャツを購入した顧客に対して、このブランドが生まれた経緯やブランドの理念や哲学などのメッセージをいくつかのメールに分けて配信します。シャツを購入した顧客が、メールのメッセージを介してそのブランドに共感することで、ファン化する可能性が生まれます。このようなファン化の仕組みもステップメールによって構築することができます。
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それでは、ステップメールの効果的な作成方法と配信設定についてご紹介していきます。この作成方法はステップメールの成功を左右する重要なポイントになります。必ずおさえておきましょう。
まずはステップメール配信の目的を明確化します。具体的には「どの顧客にアプローチすることで、どのような態度変容を起こしてほしいのか」を明確にします。どの顧客とは、ステップメールの起点となる行動を起こした顧客のことを指します。例えば、メルマガへの登録やホワイトペーパーのダウンロード、お試しセットの購入などがあげられます。
この顧客に対して、起こしてほしい態度変容としてはどのような行動があるでしょうか。BtoBとBtoCで以下に例をあげました。
BtoBでは、問い合わせを行う前の検討フェーズでホワイトペーパー収集や各社の製品比較表などの情報収集を行うことが多いです。この場合では、そのタイミングでアクションを起こしてくれた顧客に対して、ステップメールで継続的にアプローチし、「問い合わせ」という態度変容を起こしてもらうことが主な目的になるでしょう。
目的例
・ホワイトペーパーをダウンロードしてくれた顧客に対して、製品について問い合わせてもらう
・製品導入している顧客に対して、より機能性の優れたプランに乗り換えてもらう
BtoCでは、不動産や車などの購入単価が高い業界を除いて、情報収集段階でアプローチできることはほとんどありません。そのため、すでに購入してもらった顧客へのアプローチでステップメール配信を活用するケースが考えられます。EC業界では、お試しコースを購入してくれた顧客に対して、ステップメールによる継続的なアプローチを行うことで、定期コースを購入してもらうという態度変容を起こしてもらうことを目的として、ステップメールを活用されることが多いです。
目的例
・お試しコースを購入してくれた顧客に対して、定期コースを購入してもらう
・来店してくれた顧客に対して、再来店してもらう
このように目的を明確化することで、その目的を達成するためには、どのようなステップを構築する必要があるかも明確に分かるようになります。この目的が次のシナリオ作成以降の作成方法につながります。
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目的を明確化したら、次はシナリオの設定です。メールによってどのようなシナリオであれば態度変容を起こしやすいかを検討します。初めて作成する場合は、まず消費者行動モデルに沿って作成するとよいでしょう。ここでは「AIDMAの法則」を活用します。ステップメールの起点となる行動をAttention(認知)、Interest(興味)、Desire(購入欲求)、Memory(記憶)、そして態度変容が起こったAction(行動)とします。例えば以下の通りです。
Attention=メルマガの登録
Interest=業界のホワイトペーパー送付
Desire=キャンペーンの紹介
Memory=製品の紹介
Action=態度変容
注意する点としては、シナリオを作りすぎないことです。なぜなら、シナリオが多いと最後に近いシナリオのメール配信母数がなかなか増えず、改善に時間がかかるからです。初めてステップメールを行うのであれば、シナリオ数は2つ、多くても3つまでとし、スピーディーに改善を行えるようにしましょう。
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BtoBの場合は、情報収集段階からの態度変容を目的とするケースが多いです。例として、ホワイトペーパー(メールマーケティングの活用法)のダウンロードを起点としたシナリオを以下の図で表しました。
まずは、ホワイトペーパーをダウンロードした顧客に対して、自社の事例の紹介を行います。理由としては、ホワイトペーパーはメールマーケティングの活用法なので、ダウンロードした顧客はメールマーケティングの成功事例も知りたいはず、という仮説に基づいた配信となっています。
事例を閲覧した顧客は、メールマーケティングには自社が提供しているような製品を活用する必要がありそうだということを理解したと仮定します。そのような状態であれば、成功事例の製品が、どのような機能を持っているのか、いくらなのか、といった製品の概要が知りたいはずです。このような仮説に基づいて製品の紹介メールを配信します。これにより、目的である「製品への問い合わせ」につながるでしょう。
BtoCの場合は、上述した通り、すでに購入してもらった顧客への態度変容を目的とするケースが多いです。例として、健康食品のお試し商品の購入を起点としたシナリオを以下の図で表しました。
お試し商品を購入した顧客は「とりあえず試してみる」といったケースが多く、商品の詳細情報はあまり知らないことが多くあります。こういった顧客の態度変容を促すため、その健康食品の効果や特徴、さらに効果が出た人の事例など「商品自体の良さ」を知ることができる内容のメールを配信します。
「商品自体の良さ」を知ってもらえたら、継続的に購入するには、どんな定期コースがあるのか、また各コースはいくらなのか、といった定期コースの概要が知りたいはずです。このような仮説に基づいて定期コースを訴求したメールを配信します。さらに、キャンペーンの訴求でお得感を出すことで、目的である「定期コースの購入」によりつながるでしょう。
シナリオを設定したら、各シナリオにおけるメールを作成しましょう。作成するコツとしてはメルマガの作り方とほとんど変わりません。ここでは、件名、差出人名、本文、リンク先の効果的な作成方法をご紹介します。
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件名は、開封率に影響する重要な項目です。件名を適切に作成することで開封率が改善し、よりステップメールが効果的なものになります。
各デバイスで表示される件名の文字数について、PCだとだいたい25文字、スマホだとだいたい15文字と言われております。これらの文字を超えると超過分は一覧で表示されなくなります。 伝えたいことが表示されないと、読み手としては件名でメール内容が判断できずに開封しないで放置することが多いです。結果として、開封率は下がる可能性が高いため、どのデバイスであっても一覧画面に表示される「15文字前後」で作成しましょう。
【】や※などの装飾は、一見すると目立つので、活用していくべきと思われるかもしれません。しかし、弊社にて装飾ありと装飾なしでABテストを行ったところ、あってもなくても開封率には影響を与えませんでした。さらに、装飾なしの件名ではクリック率が高くなるというデータも取れているため、記号で件名を装飾して目立たせる必要は全くありません。
差出人名も件名と同じように、開封率を改善するうえで重要な要素になります。具体的には、「認識されている名称を使う」ことと「個人名を入れて親近感をもたせる」ことです。
ステップメールを受け取るには、起点となる何らかのアクションが必要です。そのアクションの時点で顧客は認識している名称があるはずです。例えば、メルラボにて資料のダウントードを起点としている場合は「メルラボ」を認識されていますし、商品のお試しコースを起点としている場合は商品名を認識されています。認識されている名称を活用することで、一覧画面上で開封される可能性が高くなります。
個人名を使うことでも開封率が改善する可能性があります。個人名の有無でもABテストを行いまして、個人名が入っている件名のほうが開封率は高いという結果となっております。やはり個人名を入れて親近感を持たせることで、開封数が増加する傾向にあると考えられます。
本文に関しても作り方を工夫すれば、クリック率は高まります。ここでは特にクリック率に影響のある項目をお伝えいたします。
メールは平均的な閲覧時間は7秒以下というデータから、長いメールは最後まで読んでもらえません。本当に伝えたいことが長いメールの最下部にある場合、せっかく開封してもらっても、クリックすることなく離脱される可能性が高いです。そうならないためにも、伝えたいことは冒頭で記載し、リンク先もなるべく冒頭に設置しましょう。
上述の通り、メールの平均閲覧時間は7秒以下ですので、複数コンテンツを設置しても、最上部にあるコンテンツ以外は閲覧される可能性は低いです。このことから、1つのメールに複数のコンテンツを入れ込むのではなく、1メールに1コンテンツで作成しましょう。また、1メールには1つのコンテンツのほうがクリック率は高いというデータが弊社の調査で分かりました。このことからも1メールには1コンテンツのみで構成することをオススメします。
態度変容を起こしてもらうために重要なのは、リンク先をクリックしてもらうことです。リンク先に関しても工夫することで、クリック率を向上させることができます。いくつか方法がありますが、最も代表的な改善方法は「ボタン」です。弊社の調査ではCTAをボタン式にすることで、URLのリンクよりも8倍ほどの効果がありました。このことからステップメールでもCTAをボタンにすることで、クリック率の改善が見込めるでしょう。
これらのポイント以外にも気をつけるべきポイントはいくつかあります。詳しくは以下のメルマガの作り方の記事をご覧ください。
関連記事はこちら:メルマガの作り方を6つのステップで解説
メールの作成まで完了したら、配信設定を検討します。ここでは、起点となる行動から何日後にメールを送信するかといった「日程間隔」と、どの時間に配信するかといった「時間帯」について決定します。
日程間隔については、企業や製品属性、アプローチする顧客によって最適な間隔が変わりますので、指標となるものが存在しません。そのため、まずは1日おきで配信を行い、分析と改善によって最適な日程間隔を導き出しましょう。
時間帯については、開封されやすい時間帯で設定しましょう。ただし、開封されやすい時間帯はBtoBとBtoCで違いがあります。 BtoBであれば、ランチ前の11時台、BtoCであれば、スマホをよく見る平日の通勤時間帯がおすすめです。
関連記事はこちら:メルマガの配信時間はいつがいい?効果的なタイミングと開封率を上げるテクニック3選
配信設定が完了したら、いよいよ実際に配信となります。配信後に重要となるのが、分析と改善です。まずは配信結果の確認です。この配信結果をもとに分析と改善を行っていきます。それぞれ確認すべき指標がありますので、ご紹介します。
開封率は、配信したメールがどれくらいの人に開封されたのかを測る指標です。計測する方法としては、配配メールのようなメール配信サービスか、Google Analyticsで取得することが可能です。弊社としては15%以上を目標値とすることを推奨しておりますが、あくまでも一斉配信のメールでの目安となります。ステップメールではさらに高いKPIを設定すべきでしょう。注意点としては、開封率に関してはHTMLメールでしか取得できません。そのため、ステップメールに関してもHTMLで作成することをオススメします。
関連記事はこちら:メールマーケティングの開封率とは?業種別平均値や開封率を上げるコツも紹介
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クリック率は、配信したメールの本文中にあるリンクをどれくらいの人にクリックされたのかを測る指標です。クリック率に関しては、Google Analyticsで簡単に計測することができます。また、配配メールのようなメール配信サービスではクリック数の他に「誰が」クリックしたかも分かるので非常に便利です。クリック率の目標値は1.5%以上を推奨しておりますが、これも一斉配信での目安ですので、ステップメールではさらに高いKPIを設定しましょう。
関連記事はこちら:クリック率を上げるメールマーケティング7つのポイントとは?
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反応率は、開封数からどれだけクリックが発生したかを測る指標です。これは開封した人がどれだけリンク先に興味を示したかを表します。計算式としては「クリック数/開封数×100」で算出することができます。
CV率は、配信したメールからどれだけCVが発生したかを測る指標です。上述した目的を達成しているかどうかを測るための重要な指標です。CV率はGoogle Analyticsで計測することができます。計算式としては「CV数/クリック数×100」で算出することができます。
関連記事はこちら:CTAって何!?CTAの設置場所とCVR上昇のための5つの改善ポイントとは
分析と改善はメールマーケティングを行う上で大事な作業です。ステップメールにおいては主に以下の項目で分析と改善を行います。
・適切なシナリオ設定であるか
・メールの件名、本文は問題ないか
・配信設定は適切であるか
ステップメール配信ではメールの内容や配信時間とともに、シナリオも目的である態度変容の役割を果たしているかどうかをチェックしないといけません。これらの項目に注視してPDCAを回して運用することがステップメールを成功に導くカギになります。
関連記事はこちら:メールマーケティングはPDCAが必須!各項目で行う手順についてご紹介
とはいえ、どのようにステップメールを活用すれば成功するのか、といった疑問を持つ読者の方もいらっしゃるかもしれません。ここでは実際に配配メールのステップメール機能を活用して成果をあげている2社の事例をご紹介します。
課題であった未入会のお客様フォローをステップメール配信にて実施した例です。今まで未入会であったお客様に対して、主にステップメールを活用して売上の10%の底上げを実現しています。
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無料カウンセリングに来店した直後のアプローチでステップメールを配信されました。ステップメールのシナリオとしては、1週間の学習をコンテンツ化し、来店から1日1通×1週間という内容でした。このステップメールによって、無料カウンセリングの時間が90分と限られているなかで伝えたいことが伝えきれず、無料カウンセリングでは入会してもらえなかったお客様に対して、TORAIZの学習方法を伝えることができ、最終的には入会といった成果をあげることができています。
課題であったお客様のフォローの効率化をステップメール配信にて実施した例です。今までフォローメールを作成するのに2~3時間もかかっていたところをステップメールの活用で全く時間がかからなくなりました。さらに、作成時間の短縮によって、担当が個別で行っているお客様のフォロー活動がしっかりと行き届くようになりました。
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資料請求を行ったお客様へのアプローチでステップメールを配信されました。ステップメールのシナリオとしては、AIC JAPANの会社紹介や担当者の自己紹介⇒他社エージェントとの違い⇒ビザの種類説明⇒オーストラリア各都市の情報⇒ホームステイ、学校の概要説明といった内容で配信してされています。
これまで一般的なメーラーで対応されていたのですが、個別に宛名付きのメールを毎回200通と、宛名を変更するだけでも2~3時間かかっていました。ところがステップメールを実施してからは、一度メールを作成してしまえば、あとは自動で顧客フォローを行ってくれるので、作成時間もなくなり、本来の業務である個別でのフォロー対応に注力することができています。
ステップメールは顧客の態度変容を起こしてもらうための重要な施策です。デメリットでも紹介したように、目的からシナリオを設定してメールを作成するまではメルマガ作成よりも時間がかかりますが、見込み客へ態度変容のための機会を提供し、そのタイミングを伺うことにおいては、メルマガよりも高い効果を得られます。今回解説した内容を通じて、まずはステップメールを始めてみてください。
なお、配配メールのステップメール機能を活用すれば、手軽に始めることができます。気になる方はお気軽にお問い合わせください。
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