主導権を握るメールの書き方

主導権を握るメールの書き方

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営業活動をしていると、お客さまから無茶ぶりをされることも珍しくないのではないでしょうか。料金交渉だったり、納期の変更だったり、「明日までに○○をやってほしい」などの依頼だったり。どうしても買っていただくという気持ちがあるため下手に出てしまい、主導権を握られることもあるでしょう。

今回はどうやったら主導権を握れるのか。その駆け引きや立ち居振る舞いについてご説明します。主導権を握ることでお客さまに振り回されることが減り、仕事の効率も上がります。

 

まずは段取り力が大切

主導権が握れないのは、こちらに何かしらの負い目があるからではないでしょうか。こちらのミスで作業が遅れていたり、対応漏れがあったり。その後の交渉では折れざるを得ないこともあります。

そうならないために、普段から約束を守って段取りよく仕事を進めるのが望ましい。いわゆる「そつが無い」状態です。

「そつが無い」「仕事ができる」と思われる例を列挙します。

・電話でアポイントを取ったら、すかさずメールで詳細(日時や内容など)をまとめて送る
・訪問の前日に、リマインダメールを送る
・訪問の当日に、お礼メールを送る
・相手の対応が遅れているときは、事前に「明日が提出期限ですが進捗はいかがでしょうか」のようなメールを送る
・返事がないときに、念のための確認の連絡をする
・分かりにくい(難易度が高い)メールの場合は、電話でもフォローする
・自分の発言を覚えていて、有言実行している

普段からこのようなコミュニケーションを取っていれば、パワーバランスは崩れにくくなります。相手と比較的対等な立場を築くことができます。

 

先読みした発言をする

多くの社会人が新入社員時代に「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」が大切だと言われたでしょう。できなければ、その都度、指摘をされ耳にたこができるくらいだと感じている人もいるはず。

「報告・連絡・相談」は社内だけではありません。社外のお客さまに対しても徹底すべきです。

お客さまに納品する商品に、遅れが発生しそうだったとします。遅れる可能性は30%くらい。このとき、あなただったら、どのような対応をしますか。70%の確率で予定通り届くのだから、特に対応する必要はない。遅れが出たら、お詫びをすればいい。そのように考えてはいないでしょうか。お詫びは相手にとってマイナスの印象。先の項目でも書いた「負い目」にもつながります。

ここで、仕事のできる営業マンは、遅延の可能性を把握した段階で第一報を入れます。

「もしかすると納品が数時間遅れる可能性が出てきました。現在、詳細は確認中ですが、もしもの場合を考えて対応の検討を進めておきます」

「雪のため、配送のトラックが予定通り到着しない可能性が出てきました。念のためお知らせいたします」

このように状況をこまめに伝えることによって、相手の信頼を得ることができます。仕事はギャンブルではありません。たまたま「そういた事象が起こらなかったからよかった」とはならないのです。

 

相手のメールにもの申す

お客さまからの質問に、いつでも「上司に確認を取ってみます」「私では分からないのでシステム部に投げてみます」のような対応を取っていたら、相手はどう感じるでしょう。

伝書鳩に仕事を依頼しているような感覚に陥り、営業担当者の存在意義が感じられなくなるはず。そうなると、お客さまへの信頼も減り、期待感も薄れていきます。頼もしいパートナーだとは感じてもらえません。

相手からのメールに気になる点があれば、すかさず突っ込む。プロとしてアドバイスができる事柄を見つけたら、進言する。相手が何も言ってこないから何もしないのではなく、積極的に関与するべき。そうすることが、主導権を握ることにつながります。

 

鈴木様

お世話になっております。
○○会社の佐藤です。

> 納期の件ですが、あと3日ほど早まりませんでしょうか?
> ご検討よろしくお願いいたします。

納期を3日間早めるとのことですが、対応自体は可能です。
ただし、工場の稼働時間を延ばすことになり、
残業をすればなんとか対応できる範囲です。

そのため、特急料金として8万円(税別)を
ご用意いいただきたいのですが、それは可能でしょうか。

詳細はのちほどお電話いたします。
それでは、ご検討よろしくお願いいたします。

佐藤

 

このように、相手が無理な依頼をしてきたときは、条件を提示するのがベターです。理由も伝えられると納得感が生まれます。

全て言いなりになっていると主導権は握れません。「今回だけの特別対応で、次回も同様に対応できるかはお約束ができません」のように釘を刺すひと言も有効でしょう。

 

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平野友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役。一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。実践塾シェアクラブ 主宰。 1974年、北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学専攻。広告代理店勤務を経て、2003年、メルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育・改善の第一人者として知られ、メールコミュニケーションの専門家。メールに関するメディア掲載1500回以上、著書32冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールやメルマガなどを駆使して1万社以上の顧客を開拓。メールのスキルアップ指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などに数多く携わる。官公庁、企業、団体、学校での講演や研修、コンサルティングは年間150回を超える。日本初のビジネスメール教育事業や検定試験を立ち上げるなど、ビジネスメール教育の普及に尽力している。
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