よくある質問特集【連載第13回】
- 【連載】BtoB企業のための初めてのメールマーケティング講座 <書き方編>
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- メールマーケティング
メールは、「出して終わり」ではありません。
PDCAを繰り返していくことで、どんどん改善していくことができます。今回から数回にわたって、「どのようにPDCAを回していくか」をご説明します。
まずは、PDCAの回し方の基本を復習しておきましょう。
「なんとなく」ではなく、指標となる数値が「よくなったのか」「悪くなったのか」を見ていきます。メールのPDCAで使う数値としては、以下のようなものがあります。
➀開封率
②精読率(通読率)
④クリック率
⑤コンバージョン率
⑥離脱率
それぞれについては、次回以降で詳しくご説明していきます。
例えば、同時に➀開封率 と ⑤コンバージョン率 の二つのテストを行おうとすると、テスト方法が非常に複雑になります。開封率の改善なら開封率の改善だけ、コンバージョン率の改善ならコンバージョン率の改善だけを目的にテストを実施しましょう。
これは、非常に重要です。具体的な例で、考えてみましょう。
「差出人名AとBのメールの、どちらの開封率が高くなるか」を検証するためのテストを実施したとします。
このテスト結果だと、【グリーゼ】が前についているから開封率が高くなったのか、名前がひらがなだったから開封率が高くなったのか、判断できませんよね。ですから、「差出人名は、漢字とひらがなのどちらがいいのか」のテストをしたいなら
というテスト項目にします。
また、「会社名は、前と後ろのどちらがいいのか」をテストしたいなら
というテスト項目にします。
このように、面倒でも、1項目ずつ別々にテストをするようにしましょう。
こちらも、具体的な例を挙げて説明します。
「差出人名AとBのメールの、どちらの開封率が高くなるか」を検証するためのテストです。以下のテスト結果を、見てください。
「川野 葉子さん」の方が、開封率が高かったとしても、それがなぜなのかわかりませんよね。つまり、このテストは、応用がきかない=再現性がないということです。
では、下記のテストではどうでしょう?
この場合、結果から「差出人名は、漢字名より、ひらがな名の方が、開封率が高くなるのではないか?」という仮説が成り立ちますので、他のメールにも応用がききますよね。
つまり、再現性があるということです
こちらも、例を挙げて、説明しましょう。
「件名AとBのメールの、どちらのコンバージョン率(売り上げ)が高くなるか」を検証するためのテストを実施します。
件名Aのメールは、21日に配信しました。
件名Bのメールは、25日に配信しました。
その結果、件名Bのコンバージョン率が高くなりました。
ということは、「件名Bの方が、よい件名である」・・・と言えるでしょうか?
皆さま、もうおわかりですよね。
件名Aのメールを出したのは、「給料日前」。
件名Bのメールを出したのは、「給料日」。
つまり、このテストには、「給料日」という大きな変動要素が影響している可能性があります。このように、テストしたい項目(この例では件名)以外の要素に影響されないように、「できるだけ同じ条件下で」テストを実施することが重要なのです。
今回の場合でしたら、下記のようなテストの方が、信頼性が高くなります。
基本5で説明したように、テスト項目以外の何らかが影響すると、テスト結果の信頼性が低くなってしまいます。しかし、1回のテストだけで、信頼性の高い結果を得るのは、難しいものです。
具体的な例を見てみましょう。
上記の例では、「21日にテストを実施したときには、件名Bの方が効果が高かった」けれども、「25日にテストを実施したときには、件名Aの方が効果が高かった」という結果が出ています。
これは、日にちが影響しているのか、曜日が影響しているのか、このデータだけでは何とも言えませんので、もう少しテストを繰り返して「どんなときにAが高くなって、どんなときにBが高くなるのか」まで探ってみた方がよさそうですよね。
このように1回だけのテストではわからないこともありますので、同じテストを数回実施してみることをお勧めします。
こちらも例を挙げて説明しましょう。
「件名AとBのメールの、どちらの開封率が高くなるか」を検証するためのテストを実施します。ちょっと極端ですが、テストサンプル数が「5人」だった場合を考えてみてください。
この場合、たしかに件名Bの開封率が圧倒的に高くなってはいますが、実際にはたったひとりの差ですから、「誤差の範囲」ですよね。このような場合、「テスト結果には、統計的有為性がない」という言い方をします。
では、テストサンプル数が千人だったらどうでしょうか。
この場合、開封率の差はわずか1・4%ですが、「件名Bの方が効果あり」と言えそうです。
では、一体どの程度サンプル数があれば、十分なのでしょうか?
統計学的に定められている数式があるのですが、専門分野でないとちょっと理解するのが難しいので、Webサイトの無料サービスを利用してみてください。条件を入力すると、必要なサンプル数を自動計算してくれるサービスが、いくつか見つかると思います。
PDCAを実施する際は、上記の基本1~7をしっかり押さえてテストを行うようにしましょう。
次回は、開封率に関するPDCAについて、具体的にお話しします。お楽しみに!