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意味のある気遣い、無駄な気遣い
Asian Woman Thinking and Serious in front of Laptop in Modern Office

意味のある気遣い、無駄な気遣い

たった1通のメールを書くか書かないかで、その後の印象が変わってしまったり、仕事が円滑に進まなくなってしまったり。決まりかけていた数百万円の案件がなくなってしまった、といった事例も存在します。「たかがメール1通で大げさな」と思わないでください。タイミングやメールの内容、仕事の進め方というのは重要です。そこで今回は「ちょっとした対応」の事例について紹介します。

相手のことを考えすぎるあまり非効率に

「返信不要です」と書かれているメールを受け取ることがあります。送り手としては、言いたいことを言いっぱなしにしたいわけではありません。相手のことを気遣って「お忙しいと思うので、わざわざ返信は不要ですよ」という意思表示をしています。でもこれは、はっきり言ってやめたほうがいいです。

メールを読んで「返事を書きたいなぁ」と思ったのに「返信は不要です」と書かれていたら、どう感じるでしょう。コミュニケーションを取りたいのに拒絶されたように思う人もいます。

私の場合、部分引用を使って読みながら返信を書きます。上から順番にコメントを書いていたら最後に「返信は不要です」という言葉を見つけてガッカリしたことは数知れず。その都度「無用な気遣いをする人だなぁ」と思っています。

返信するかどうかは相手に委ねましょう。返信したかったらするだろうし、しなくていいと思ったらしないもの。相手の行動をこちらで抑制する必要はありません。

「こちらで問題がなければ返信は不要です」という一言も余計です。メールというのは確実に届くとは言いきれません。通信経路のどこかでなくなってしまったり、迷惑メールフィルターにかかってしまったり、間違って消してしまったり、見過ごしていたり。とにかく目に触れない可能性があります。

以前、ある雑誌の編集者から「プロフィールの確認をお願いします。こちらで問題がなければ返信は不要です。修正がある場合は12時までにご連絡ください」というメールをもらいました。そのメールをチェックしたのは、ちょうど12時。プロフィール(しかも名前!)が間違っていたので、すぐに連絡をして修正してもらいました。もし、私がメールを見逃していたり、12時までにチェックできなかったりした場合は、誰が責任をとるのでしょう。

この事例は原稿の確認なのでダメージは少ないかもしれません。では、仮に100万円の見積書をメールに添付して「お問い合わせいただいた件ですが、この見積もりで問題があるようでしたらご連絡ください。問題がなければ返信不要です。すぐにプロジェクトを進めます」と送ったらどうでしょう。

返事がないのでプロジェクトを進めたら、実際は発注する意志がなかった。そうなったときに誰が悪いと言えるのか。私であれば間違いなく、誤解をさせるようなトリッキーなメールを送った人が悪いと考えます。

中には、このようなコミュニケーションで仕事がうまくいくこともあります。しかし、【返事がない=YES】というコミュニケーションは、大きなリスクをはらんでいることを忘れてはいけません。

受領の連絡をしないために、やる気が無いと思われた

ある社長から聞いた話です。仕事の依頼をしようと思って、見積もりをお願いしたそうです。「○○の件だけど、今週中に見積もりをもらえないだろうか?」という感じの内容です。お願いした営業マンから予定通り週末の金曜日に見積もりが届きました。しかし、それを見た社長はお詫びとともに次のようなメッセージを送りました。

「見積もりをお願いしたけど、返事がこないからやる気が無いと思って別の会社に発注しちゃったよ」。これを読んだ営業マンは愕然としたでしょう。私も会社を経営しているので、この社長の気持ちが分かります。何かを依頼して返事がなかったら「やる気が無いのでは」「やりたくないのでは」と感じることもあります。

一方、営業マンの気持ちも分かります。今週中に、ということは金曜日までに送ればいい。無駄なやり取りを発生させないほうが社長のため。だから、受領の連絡はせずに求めている見積書だけを送るのが得策。そう考えたのかもしれません。

確かに、受領の連絡を受け取り「そんなメールは必要ない。メールを増やすな!」と激怒した人の話を聞いたことがあります。しかし、それはほんの一握りです。

依頼を引き受けた場合「かしこまりました。では、○月○日までに対応いたします。今しばらくお待ちください」と一本返信を送っておくと、依頼者としては「ちゃんと受け止めてくれた」と安心して待つことができます。この受領の連絡がなければ「届いたかな」「きちんと伝わっているかな」と不安になる可能性があります。気をもませるのは決してよいことではありません。基本的には全て受領の連絡をするべきでしょう。

人は、一人に言われたから、みんなもそうなんだ、と思い込むことがあります。でも、冷静に考えてください。それが本当は、ほんの一握りの人ではないかと。この冷静さが仕事を効率的に進めることにつながります。

気遣いは大事だが意味を考えるべき

「返信不要」の一言を書く、「受領の連絡」を送らないなどトラブルの種は相手に対する気遣いから生まれています。もし相手から「受領の連絡はわざわざ送らなくていいよ」と言われたなら、その人にだけ、そのような対応をすべきでしょう。「Aさんが不要だと言っているから、みんなが不要なんだ」と考えては危険です。

ちょっとした気遣いは相手に喜ばれます。ただ、気の遣いすぎは裏目に出ることがあります。自分がやろうとしていることがどちらなのか、その都度しっかり考えてください。基本は、大勢の人がどちらをよいと考えるか。さらに、その人は、どちらのコミュニケーションが好きか。この2点です。

私は「返信不要」の気遣いは嫌いですし、「受領の連絡」は安心するので大好きです。今まで会った経営者は、このパターンが多かったです。この意見も参考にしてくださいね。

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平野友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役  一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事  筑波大学人間学類卒業。広告代理店勤務を経て2003年、メルマガ専門コンサルタントとして独立。起業当初から発行しているメルマガ「平野友朗の思考・実践メルマガ【毎日0.1%の成長】」は2,000回以上配信。メディア掲載多数。著書28冊。

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