代理店(パートナー)向けのナーチャリングのシナリオ例【連載第10回】
- 【連載】BtoB企業のための初めてのメールマーケティング講座 <戦略編>
- Tips
こんにちは。株式会社グリーゼの江島です。
第2回で、名刺交換からのナーチャリングシナリオ例
第3回で、無料セミナー参加からのナーチャリングシナリオ例
第4回で、デモンストレーション参加前のナーチャリングシナリオ例をご紹介しました。
ここまでの流れを整理すると、下記のような状況になっています。
ここまで来れば、デモンストレーション後の商談でめでたく「受注」・・・といきたいところですが、実際にはなかなかそううまくは進みませんよね。
商談までいったものの、なかなか受注に至らない理由として、BtoBの場合以下のようなことが考えられます。
a)今期の予算では、発注ができない(来期の予算取りから始める必要がある)と言われた
b)想定していたより費用がかかることがわかったため、躊躇していると言われた
c)想定していた要件が一部満たされないことがわかったため、躊躇していると言われた
d)担当者レベルでは購入(導入)したがっているが、上司を説得して承認を得なければならないというところでストップしているらしい etc…
それぞれに営業的な作戦を立てる必要がありますが、今回は d を例にとって考えてみましょう。
いままでと同様「Before」と「After」から考えます。
「作戦」(シナリオ)を立てるときに最初に考えるべきは、「どんなBefore」を「どんなAfter」に変えたいのか?でしたね。
では、今回の対象者の「Before」とはどんな状態でしょうか? 今回は、いままでと違って、2人の「Before」を考える必要があります。
では、「After」はどうでしょうか?
上司の方にも、担当者の方と同じ気持ちになっていただくことができれば大成功ですよね。
では、今回の「Before」「After」を想定した場合、あなたならどんな「シナリオ」を立てますか?
「Before」「After」を書き出したことにより、一目瞭然になりましたね。
上司の方の疑問に答えるような「情報」を、上司の方に提供すればよいのです。
ここでポイントなのは、商談フェーズに入ったら、基本的にはセールス担当者が直接決裁権限を持つ方に、その「情報」を持って会いに行ったほうが、圧倒的に発注してもらえる確率は高くなるということです。
では、商談フェーズに入っても、セールス担当者が訪問するのではなく「ナーチャリングメール」を使うのはどういう場合でしょうか? たとえば、セールス部門のリソースが足りず、すべての決裁者を回りきれない・・・そんなときには比較的優先順位が低い見込み客(企業規模や予算から判断)については、セールス部門のリソースを補うためにナーチャリングメールを使ってもいいかもしれません。
上記①~③の情報の渡し方にも2通りあります。
決裁者の方のメールアドレスがわかっていて、その方がWebサイトの情報を閲覧することに抵抗がない方(ご年齢やパソコンのリテラシー的に)であれば、直接メールをお送りして、必要な情報をWebで見ていただいてもいいかもしれません。
担当者の方に「情報」を送って、担当者の方がその「情報」をもって、上司の方を説得するというやり方です。
多くの商談では、決裁者の方のメールアドレスが把握できないため、こちらのパターンになることが多いのではないでしょうか?
担当者の方が上司の方を説得・・・ということを考えると、「情報」はWebコラムのような形ではなく、「そのまま上司の方に持っていけるような」ホワイトペーパーにしておいてあげると親切ですね。
担当者の方が上司の方を説得するための資料を、御社が代わりに作っておいてあげれば、担当者の方はそれをダウンロードするだけで済みます。
もし、そのような資料が用意されていなければ、担当者の方が自分で作らなければならなくなってしまいます。自分で作る労力を考えると、上司の方を説得することをあきらめてしまう担当者の方もいるでしょう。
それはもったいないですよね。
そうならないように、マーケティング担当者は、商談のプロセスに入ってセールス担当者にバトンタッチしたからといって安心せずに、セールス担当者を後方支援する作戦をぜひ考えてください。マーケティング部門とセールス部門で力を合わせて、「受注」を勝ち取りましょう!
次回は、そこまでやっても商談がうやむやに尻すぼみになってしまった場合のナーチャリングについてお伝えしますね。 お楽しみに!