営業の新規開拓リストの作り方は?ポイントも解説
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近年、個人情報保護の観点から国内外で法律による規制強化や、Googleなどの大手プラットフォーマーによるCookieの利用規制が加速しています。
規制が強化されると、現在実施しているWEBマーケティング施策にも少なからず影響が及ぶ可能性があります。
本記事では、Cookie規制が及ぼす影響と対策について解説いたします。
Cookieは、WEBサイトに訪れたユーザーのアクセス情報を保存したファイルのことを表します。
Cookieを有効にすることで、ユーザー毎に割り振られる識別ID、名前、メールアドレスといった情報をブラウザ上に保存することができるため、2回目以降同じWEBサイトに訪問した際は再度情報を入力する手間を無くすことができます。
Cookieの技術によって、日常生活におけるWEB利用の利便性を高めるほか、企業のマーケティング活動においても活用されている技術になります。
Cookieは3種類あります。それぞれファーストパーティCookie・セカンドパーティCookie・サードパーティCookieと呼ばれ、Cookieの発行元により名称が異なります。
ユーザーが訪れたWEBサイトのドメインから直接発行されたCookieのことを表します。
これらの情報はファーストパーティデータと呼ばれます。
「他社が保有するファーストパーティCookie」のことを表します。グループ企業間やパートナー企業間での情報を共有するケースが多いですが、データを販売している企業やメディアから購入したデータもこちらに該当します。
このような経路で得られたデータは「セカンドパーティデータ」と呼ばれます。
ユーザーが訪問したWEBサイト以外のドメインから発行されたCookieのことを指します。
例えば、リスティング広告などを出稿している場合、GoogleやYahoo!といった第三者から発行されたCookieのことを表し、これらを「サードパーティデータ」と呼びます。
・IDやパスワードの入力作業を省略
WEBサイトへログインする際に、IDやパスワードの入力を省略できるほか、ECサイトなどではカート機能や商品購入時のクレジットカード情報の入力作業の省略に活用されています。
・WEB広告
ターゲティング広告やリターゲティング広告を配信する際の重要な役割を担っています。また、広告配信だけではなく、広告によって資料請求や商品購入がどのくらい発生したのかを計測する際にもCookieが活用されています。
このように日常生活や企業のマーケティング活動の至る場面で活用されているCookieですが、なぜCookie規制の強化が進んでいるのでしょうか。
Cookieの活用によって、WEBサイトの閲覧履歴や行動履歴がユーザーの意図しない場面で収集され、活用されている点が、個人情報保護やプライバシー保護の観点から問題視され始めています。特にサードパーティCookieは、ユーザー側からすると「第三者に勝手に情報をとられている」と感じられます。
そういった背景から、ブラウザ側での規制や、一般データ保護規則(通称GDPR)などの法律による規制が強化されました。
今後さらにCookie規制が進んでいくと、どのようなことが起きるのでしょうか。企業のマーケティング活動における影響についてご紹介します。
Cookie規制によって大きな影響を受けると言われているのが、「サードパーティCookie」です。サードパーティCookieが規制されることで、ターゲティング広告への影響が懸念されます。
ターゲティング広告では、ユーザーの行動履歴から興味関心を判断し、ユーザーに適した広告を配信するために、サードパーティCookieが重要な役割を担っています。しかし、近年Cookieの発行を拒否するユーザーの増加や規制によりCookie発行が以前よりもしにくくなっています。
ユーザーの行動履歴や興味関心といったデータが収集できなくなることで、狙ったユーザーに向けての訴求が困難となり、結果としてターゲティング広告のパフォーマンスが低下する恐れがあります。
また、Cookie規制が進むとターゲティング広告の効果計測にも影響が出てきます。本来ターゲティング広告による成果だったとしても、ブラウザやデバイスによるCookie制限によりターゲティング広告の成果を正値として計測できない可能性があります。成果を計測できないと、ターゲティング広告に広告費用を投じてもいいのかといった判断が難しくなるほか、現在主流になっている自動入札がうまく機能しなくなる可能性があります。
Cookie規制によって大きな影響があるのは「サードパーティデータ」になります。そのため、第三者を経由せずに自社で収集したデータ「ファーストパーティデータ」の活用が、今後さらに重要になってくるでしょう。
では、どのように「ファーストパーティデータ」を収集し活用するのがいいかを紹介します。
「ファーストパーティデータ」は自社で収集したデータになるため、オンライン・オフライン問わず収集が可能になります。
・WEBサイトの活用
サイト上に設置したタグによる行動履歴の収集、サービス資料やホワイトペーパーダウンロード時のフォームを通じた収集、メルマガ会員への登録といった方法で収集が可能です。WEBサイトを活用して収集する場合、WEBサイト上の導線やコンテンツの整備が必要になります。
・イベントの開催や展示会の出展
リアルイベントや展示会出展時における名刺交換やアンケート、BtoC企業で店舗を構えている企業であれば実店舗での会員登録などといった方法で収集が可能です。
では、ファーストパーティデータを収集できた際、それをどのように活用すればいいのでしょうか。3つの例を紹介します。
データの信頼度が高く、かつ自社のサービスや商品のターゲット層とマッチしていることから、行動履歴や興味関心に基づいたマーケティング施策の立案に活用することができます。
前述したように、自社のターゲットとマッチしているため、ユーザーのニーズも分析することができます。その分析結果をサービスや商品開発に落とし込むことでよりユーザーの満足度向上につなげることができます。
従来は面を広く構える手法が主流でしたが、ユーザーのデータを収集できるようになったことで、ユーザー一人ひとりに合わせたコミュニケーション手段が求められるようになっています。ファーストパーティデータを用いることで、ユーザー属性毎に最適化されたコミュニケーション手段を選択し効率的なマーケティング施策を行えるようになります。
ファーストパーティデータを活用することで、サービスや商品開発、マーケティング施策の意思決定など様々な場面で活用することができますが、データを活用するのは簡単ではなく、収集にかかるコストや費用対効果、データの分析や戦略の立案などを行う必要があるため、可能であれば専任で担当者がいることが望ましいでしょう。
しかし、そこまでリソースを確保できないというケースが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、リソースが少ない中でもファーストパーティデータを活用できるメールマーケティングについて紹介します。
前述したように今後必要になることは「パーソナライズされたコミュニケーション」です。
メールマーケティングはメールアドレスさえあれば、始めることができる手法になります。
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しかし、ただメールを送るだけではパーソナライズされておらず「メールが開封されない」「せっかくデータを収集しても登録解除されてしまう」ケースなども考えられるため、メールマーケティングを行う際にどういった形でユーザーとコミュニケーションを図ればよいか、その方法を3つご紹介します。
One to Oneメールは、一人ひとりの属性や行動、ニーズに合わせて配信するメールのことです。次に紹介するセグメント配信と似ている部分がありますが、セグメント配信との大きな違いは、件名にユーザーの名前を入れたりして1対1のやりとりのように配信するという点です。
一斉配信で送信するケースが多いですが、件名にユーザーの名前が入っていることで、自分宛に届いたメールと認識させることができるため、開封されやすい特徴があります。
関連記事:One to Oneメールで成果の出るメルマガを!具体的な作り方と成功事例
関連記事:配配メールの差し込み機能
セグメント配信とは、ユーザーの年齢や興味関心などの属性情報と過去配信メールの開封の有無といった特定の条件で絞り込んだユーザーにメールを配信する手法のことです。ユーザー属性に合わせた形でメール配信を行うため、購買意欲の高いユーザーなどに対して最適なアプローチができます。
関連記事:年齢や性別、開封の有無などの様々な条件で絞り込んだ顧客に配信
BtoC企業におすすめなアプローチ方法は、過去の購入履歴や購入スパンといったデータをもとにしたクーポン配信です。
クーポンの例は下記が挙げられます。
・購買意欲を高めるため割引クーポンの配信
・ユーザー情報をもとに誕生日月に利用できる限定割引クーポンの配信
・一定金額以上の購入者に対して、キャッシュバックキャンペーンの案内
このように、ユーザー情報をもとにパーソナライズされたクーポンを配布することで、ユーザーとコミュニケーションを図ることができます。
Cookie規制が強化されていく中で、今後重要になる「ファーストパーティデータ」。収集・活用をぜひ検討してみてください。
今後のマーケティング施策に本記事を参考にしていただけると幸いです。