添付ファイルを正しく扱おう

添付ファイルを正しく扱おう

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メールには「ファイルを添付して送る」という便利な機能があります。10年以上前は、データをCD-ROMに焼いてバイク便で送ることもありました。しかし今では、大容量のファイルもメールに添付したり、サーバーにアップしたりするなどして簡単に送れるようになりました。今回は、お客さまに好印象を与える、気が利く人になる、添付ファイルの扱い方を解説します。

添付ファイルは何MBまでが許されるの?

お客さまに添付ファイルを送るときに、まず注意すべきなのはファイルサイズです。

スマートフォンで大容量の画像ファイルをやり取りすることに慣れている20代をはじめ、ファイルサイズを気にしたことがないという方も多いようです。

しかし、プライベートとビジネスは違います。「送れるなら問題ない」という声も聞こえそうですが、メールサーバーの容量が小さい場合、10MBの大きなファイルがいきなり届くと、それで領域を圧迫することもあります。あなたが送ったメールの影響で、他のメールが受信できなくなることもあり得るのです。相手に迷惑をかけてしまいます。

相手に許可を取らずに送ってもいいファイルの容量は2MBまで。それを超えるときは様子を見ながら対応します。「4MBのファイルを送りたいのですが、添付してもよろしいでしょうか?」と確認すると「配慮がある人だ」と感じてもらえるでしょう。

もちろん、通常3MBから4MBのファイルのやり取りができているなら、その都度、確認する必要はありません。それ以上の大きなファイルを送るとき、初めて大きなファイルを送るときなどは、自社の情報システム部門に社内ルールを確認する、もしくはお客さまに相談してもよいでしょう。

外部のファイル転送サービスを使う、自社のサーバーにアップするなど方法はいろいろとあります。常に相手の立場に立って考え、相手が好む方法を心がけましょう。

添付ファイルに気付かない可能性を考える

お客さまに添付ファイルを送るときに忘れてはならないのは、ファイルを添付していることを本文中に書くことです。「添付しました」「添付ファイルをお送りいたします」などと本文中に必ず書きます。ファイル名まで書くとなお丁寧ですね。

添付ファイルをお送りいたします。

ビジネスメール研修企画書.pdf

添付ファイルを送ったら必ず見てもらえるかというと、そうではありません。一定の割合で、相手が見逃す可能性があります。本文中で添付していることに一言触れることで、そうした見逃しを防ぎます。

ここで、「お送りします」とだけ書くのは避けましょう。もし、添付ファイルを付け忘れても、相手は「添付ファイルが付いていないということは、郵送で送るのか」と合理的に考えます。

送信者が提案書を添付し忘れたことに気付かず、受信者も郵送されてくると思って待っても提案書が届かず、その結果、機会を逃すことになったらどうでしょう。ファイルを添付していることを伝え、ファイルが付いていなければそのことに確実に気付いてもらうために、しっかり記載する癖をつけましょう。

ファイル名の付け方

もう一工夫として配慮したいのがファイル名。ファイル名は日本語でも構いません。

同じようなファイルを複数の企業に送る場合は、クライアント名もファイル名に記載しておきましょう。そうすることによって、添付ファイルの選択ミスを回避することができます。

同じファイル名で送ると、どれが最新のものだか分からなくなる可能性があります。複数のファイルを何度も送る場合は、【ver.1】【20171218】のように番号や日付を記載すると混同を避けられます。

添付ファイルをお送りいたします。

20171218ビジネスメール研修企画書(○○様).pdf

添付するものを選ぶ

便利だからといって、何でも添付すればいいわけではありません。私自身、営業マンから不要な添付ファイルを受け取って困惑したことは一度や二度ではありません。

「会社概要を添付します」
「導入事例を添付します」
「キャンペーンのチラシを添付します」

このように「参考になれば」と手元にある資料をとりあえずまとめて送られても困ります。

会社概要などはウェブサイトを見たら分かるでしょう。必要としていないもの、興味がないものには目を通しません。求められていないのに送るのは迷惑をかける行為です。配慮がないと思われます。

お客さまに求められていないけれどファイルを添付する場合は、その意図を明確に伝える必要があります。パンフレットなども全ページではなく、該当するページのみをPDFにして添付すべきでしょう。

ファイルにパスワードをかけるべきか

重要なファイルをメールに添付して送る場合は、パスワードをかけて送った方がよいでしょう。相手の会社名が入っていないものなどは、その限りではありません。

メールは、宛先のアドレスを間違えるだけで簡単に別の人の手に渡ります。相手が悪意のある第三者だった場合、インターネット上に公開されたり、転送されたりすることも考えられます。

そこに個人情報が含まれていたらどうでしょう。お客さまに謝罪をしなければならないだけでなく、取引停止も考えられます。情報漏洩の種類によっては、お詫びの文章をウェブサイトに公開するケースも考えられます。

パスワードをかけた添付ファイルを送るときは、ファイルを添付したメールの本文にパスワードを書かない。これがルールです。ファイルとパスワードは分けて送ります。リスクを回避する細やかな気遣いが好印象にもつながり「気が利く」「しっかりしている」という印象を与えます。

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平野友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役。一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。実践塾シェアクラブ 主宰。 1974年、北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学専攻。広告代理店勤務を経て、2003年、メルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育・改善の第一人者として知られ、メールコミュニケーションの専門家。メールに関するメディア掲載1500回以上、著書32冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールやメルマガなどを駆使して1万社以上の顧客を開拓。メールのスキルアップ指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などに数多く携わる。官公庁、企業、団体、学校での講演や研修、コンサルティングは年間150回を超える。日本初のビジネスメール教育事業や検定試験を立ち上げるなど、ビジネスメール教育の普及に尽力している。
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