イベントで出会ったお客さまには、すぐ連絡しよう

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新年度の営業に向けて展示会へ出展する企業も多いでしょう。展示会は主催者が見込み客を集めてくれるため、絶好の出会いの場となります。自社の製品やサービスをしっかりアピールし、その後の訪問につなげる。ただ、それは出展しているライバル会社にとっても同じこと。そこで今回は、ライバルに差を付ける展示会での営業戦略について解説します。

展示会で出会った人には、いつメールを送るべきなのか

「見込み客が見付からないから営業ができない」

「営業する相手が目の前にいたらもっと頑張るのに」

そんな嘆きを、ある営業マンから聞きました。でも本当に、見込み客がいないのでしょうか。実際そのような人の営業活動を細かく聞くと穴だらけ。出会った見込み客を逃しているのに気付いていません。最後には「お客さんの質が低い」なんて愚痴を言ったりしています。

見込み客がゼロなのではありません。聞いてみると、新規の見込み客と定期的に出会い、しっかりと接点を持てています。会社は営業活動をサポートするため、インターネット広告を出したり、自社ウェブサイトを整備したり、イベントに出展したり、いろいろなマーケティング活動をしています。

営業マンの役割は、与えられた環境(条件)の中で受注率や受注額を高めること。そこで今回は、イベントや展示会で集めた名刺に対して、どのようなアプローチをしていくべきなのかを例に話を進めます。

営業マンがコントロールすべきなのは「いつ」「何を」「どのくらいの頻度で」送るのか。この3つだけ。それぞれの精度を高めて自分のルールを作ることで、営業の質が安定します。

例えば、100社くらいが出展しているイベントで来場者と名刺交換をしたとします。その際の営業について考えてみましょう。まずはメールを送るタイミング。候補を2つ出して、どちらが良いかを考える。それを突き詰めると最適なタイミングが見付かります。

次の2つならどちらがよいでしょう。


1)イベントが終了した翌日にメールを送る


2)イベントが終了した3週間後にメールを送る

恐らく、この記事を読んでいる人の大半が「翌日」と答えるでしょう。3週間後でもいいのですが正直、遅すぎます。名刺を交換したことはお客さまの記憶の片隅にいき、メールを送っても思い出してもらえないかもしれません。もしくは、別の企業と商談を進めていて、すでに決定間近かもしれません。

では、次の2つならどちらがよいでしょうか。


1)イベントが終了した当日23時にメールを送る


2)イベントが終了した翌日10時にメールを送る

早ければいいのかというと、なんとも言えません。夜遅くまで残ってメールを送ってくるなんて、今のご時世にあっていない。ガツガツしていて売り込まれそう。そんな印象が残るかもしれません。このように2つの選択肢で絞っていき、どちらにしても大差は無いと思えるところがひとつの妥協点です。

そんな早くは送れない……と言う声が聞こえてきそうですが、そもそも何のためにイベントに出展しているのでしょうか。名刺を集めるためでなく、そこから受注することが目的のはず。それなら、あらかじめイベントの翌日はメール営業の時間を確保すべき。鉄は熱いうちに打て、と言いますがメールはタイミングが命です。

あなたは「その他大勢」からのスタート

展示会の翌日にメールを送る時間がとれたとします。では、そこでメールを送れば、すぐに受注できるのでしょうか。現実はそんなに甘いものではありません。お客さまは他の会社の人にも同じように名刺を渡しています。10社のブースを回っているならば、10社の中の1社。その他大勢からのスタートです。

「昨日は弊社のブースにお越しいただきありがとうございます。今度お時間をいただけませんか」のようなメールを送っても反応はほぼないでしょう。イベントで会ったことは分かっても、どこの誰かまでは思い出せないかもしれません。そのため、相手が思い出しそうなキーワードを伝えるべきです。

例えば、当協会が教育関係のイベントに出展したとします。その場合「昨日は、○○イベントで名刺交換をさせていただき、ありがとうございます。メール営業の研修プログラムをご案内していました、一般社団法人日本ビジネスメール協会です」のようにキーワードをちりばめます。

最低限、いつのどんなイベントなのかは伝えます。そして、ブースで、どのような展示をしていたのか、どのような資料を配っていたのかを伝えます。ブースで変わったノベルティを配っていたのなら、そのことについて触れても良いでしょう。それによって、相手の記憶も霧が晴れるように鮮明になっていきます。とにかく、相手が思い出すキーワードを伝えて思い出してもらうことが重要です。

次に、ただ「会いましょう」ではアポイントは取れません。今、皆さん忙しいです。その中で暇つぶしのように面会の約束を交わすわけにはいきません。30分や1時間と貴重な時間をいただくのですから会うメリット(理由)を伝えるべきです。次のような、相手が時間を使ってもいいと思えるような理由を提示します。

・同業界の事例集を持っていく

・対面での詳細なデモを実施する

・具体的にコストダウンや売上アップにつながる証拠を持っていく

相手の会社のことをしっかり調べ「○○さんは、××業界ですので、業界の事例をまとめてお持ちしますね」と書いてあればアポイントの獲得率は高くなるはずです。

考えて書くことしか正解はない

展示会で名刺交換をした場合、数としてフォローしようとします。リストを30人分割り当てられたら、いかに早くメールを送るかばかり考えてしまいます。それでは成果が出なくて当然です。メールを早く送ろうと思ったら、全員に同じものを送ればいいでしょう。しかし、果たしてそれで成果が出るでしょうか。

メールはただ送るだけでは成果は出ません。重要なのは、お客さまが反応したくなるような情報を送ること。相手に「役に立つ」「これは無視できない」と思わせることができるかどうかです。そのためには、一人一人のことを考えて、ちょっとだけ文章を変えればいいのです。

・相手の企業をウェブサイトで調べ、そのことを伝える

・相手がピンとくるような情報を盛り込む

・アンケートの記載内容から、相手のニーズを把握して書く

手がかりはいくらでもあります。一斉送信で送るのは、そのような手がかりがない人だけにすべきです。せっかく集めた名刺を「数」として考えるのではなく、一人のお客さまとして真摯に向き合いましょう。メールを送ることは目的ではありません。展示会の参加者にメールを送るのは面談につなげることが目的です。面談の率を高めるなら一斉送信と個別に書き分けての送信、どちらの率が高いかは言うまでもないでしょう。

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平野友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役  一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事  筑波大学人間学類卒業。広告代理店勤務を経て2003年、メルマガ専門コンサルタントとして独立。起業当初から発行しているメルマガ「平野友朗の思考・実践メルマガ【毎日0.1%の成長】」は2,000回以上配信。メディア掲載多数。著書29冊。
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