商談率2.5倍!配配メールが推す「IS×メール」成功施策
- 【連載】まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!
- インサイドセールス
- 事例/インタビュー
働き方の多様化が進み在宅勤務が一気に普及する中で、これまで以上にインサイドセールスへの注目が集まりました。しかし、インサイドセールスという言葉自体は知っているものの、その実態についてはあまりご存知ない方が多いのではないでしょうか。
今回は、在宅勤務でも効率的な営業活動を実現する、インサイドセールスの基礎知識から導入方法までご紹介いたします。
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インサイドセールスとは、電話、メール、Web会議ツールなどを利用して、顧客と非対面で営業活動を行う手法です。 インサイドセールスに対して「フィールドセールス」は、顧客と対面で営業活動を行う手法を指します。
インサイドセールスは、受注見込み度合いの低い顧客に対して興味付けをすることを目的に活動を行いますが、フィールドセールスは受注見込み度合いの高い顧客から確実に受注することが目的になります。なぜこのように目的を分けるのかは「インサイドセールスが注目される理由」 の段落で記述します。
また、インサイドセールス活動の一つに電話を活用した営業が含まれることから、テレアポとの違いに疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。活動自体は同じになりますが、目的と重要視するポイントが異なります。
インサイドセールスの場合、電話の目的は顧客との信頼関係を長期的に作ることになり、会話の質が重要視されます。 一方、テレアポでは、アポイントの獲得が目的になり、アポイントの量が重要視されるため、短時間でいかに沢山の顧客に接触しアポイントを獲得できるかといった行動量と効率が求められます。
インサイドセールスは、企業がこれまで抱えてきた営業課題の解決に有効であることから注目を集めています。
1点目は人手不足の解消です。
フィールドセールスを主体とする営業活動では、見込み度合いにかかわらず、移動時間を割いて訪問営業を行うことで、時間の面で大きな負担となっていました。対策として、人員増を検討しても、少子高齢化と求人数の増加による求人倍率の上昇により、営業人材の確保が以前より難しい状況です。
インサイドセールスを導入することで、まだ検討度合いの低い顧客へは電話やWeb会議で接点を持つことで、移動コストを削減することができます。また、分業体制を敷くことで、フィールドセールスを商談に集中する環境を作ることができます。
2点目は、潜在顧客の効率的な関係性構築です。
インターネットやSNSの普及により、顧客自身で情報収集や比較検討を行うことができるようになりました。そのため、「情報がほしい」だけの顧客には、短期スパンで受注を狙うのではなく、自社サービスへの興味付けを行い、長期的に関係性を構築する必要があります。
従来の営業活動では、こうした見込みの薄い顧客は追客が後回しになってしまったり、どの顧客へも画一的にアプローチしてしまうことで、関係性構築がうまく進まないといった課題がありました。
インサイドセールスを導入することで、こうした顧客と密に信頼関係を築き、長期的なスパンで効率的に関係性構築を行うことができます。
また、ツールを導入することで顧客の検討段階を可視化して、検討段階に合わせたアプローチを行うことができるため、成果を飛躍的に高めることができます。
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3点目は、営業スキルの強化・平準化です。
従来の営業活動では、ひとりの営業担当が新規顧客の発掘から商談、見積作成、受注後のフォローといった全てのフローを行っていたことで対応領域が膨大になり、営業スキルの強化・平準化が後回しになっていました。更に、営業担当の活動が個人の管理になっており、活動の実態が不透明であったり、顧客の引継ぎができないといった課題がありました。
インサイドセールスを導入することで、営業活動が分業化され、それぞれの分野の専門性が高まり、成約率の上昇へ繋がります。また、分業体制の構築に伴ったツール導入により、トップセールスの活動が可視化されるので、そのノウハウを展開することでスキルの平準化に繋がります。
前述の通り、分業体制が進むことでメリットがあればデメリットもあります。デメリットの1つが組織間のコミュニケーション不足という問題です。例えば、マーケティング部門と営業部門での連携がうまく取れていないと、マーケティング部門で集客する客層と営業部門が欲しい客層が一致しないといったギャップが生まれてしまうケースがあります。
インサイドセールスでは、顧客情報のヒアリング、Webサイト訪問履歴を確認・分析、メールマーケティングの施策など営業や企画部門を横断した幅広い業務を担当します。そうした業務を通じて、顧客情報を更新・蓄積することで、マーケティング部門へは生の顧客の声を還元、営業部門へはマーケティング施策への理解浸透を促すことができます。このように部門間での情報共有や連携を強める役割もあり、重視されています。
以上のような営業課題の解決施策とされるインサイドセールスですが、導入検討に当たってどの営業領域で開始するかを決定する必要があります。営業領域は、新規開拓営業、反響営業、既存顧客への営業の3つに分かれます。
対応する顧客はインターネット検索で作った企業リストや、過去展示会やセミナーで名刺交換を行った顧客となります。自社サービスへの興味や認知がない状態から関係性をスタートするため、一般的には営業の難易度は高いとされています。
対応する顧客は自社ホームページから問い合わせをいただいた顧客や、既存顧客からの紹介顧客となります。自社サービスへの興味がある状態で、顧客から能動的に接点を持っていただけているため、一般的には営業の難易度は低いとされています。
対応する顧客は自社ホームページから問い合わせをいただいた顧客や、既存顧客からの紹介顧客となります。自社サービスへの興味がある状態で、顧客から能動的に接点を持っていただけているため、一般的には営業の難易度は低いとされています。
どの営業領域でインサイドセールスを開始するのかは、自社の現状に応じて決定すべきですが、着手しやすい領域は、「過去接点があったがまだ契約に至っていない顧客の掘り起こし活動」です。
新規開拓営業の中でも、インターネット検索などで得た、これまでまったく接点のない顧客へ営業活動を行うより、過去に一度自社サービスへ興味を持ってもらっている顧客へ営業活動を行うほうが効率がよいためです。後ほどご紹介しますが、弊社ラクスでも掘り起こし活動からスタートしました。
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ここまでで、導入メリットや利用シーンを具体的に紹介してきましたが、いざ運用となると課題はあります。
導入の承認を得る場面では、組織化・人材確保の社内合意を形成することや、インサイドセールスを円滑に進めるための各種ツールの比較検討や予算取りが必要となります。特にこれまでツール導入を行っていなかった企業では、検討が長期化するケースが多いです。
いざ導入が決まってからも、目標設定に始まり、対応顧客の顧客情報整理や、フィールドセールスとの情報共有の仕組みづくりが必要です。特に、フィールドセールスとの対応領域のすみわけや、フィールドセールスへ供給するアポイントの獲得基準の設定など、分業体制を敷くからこそ発生するタスクが多くあります。
導入後はすべからく成果を求められますが、成果を出すためにヒアリング項目やスクリプトの統一、架電を続けるオペレーターのモチベーション管理や、導入した各種ツールを運用に乗せることが必要となります。
いきなりインサイドセールスの組織化を検討した場合、前述のように多数のハードルがあり、開始が先延ばしになってしまうといったこともよく伺います。そこで、簡単にインサイドセールスを始められる方法を最後にご紹介いたします。
それは、普段の営業活動にメール配信を取り入れるという方法です。
メール配信であれば、導入コストは月額数万円で実施でき、兼務で運用ができるため、人員配置も不要のため、今の体制で小さく始めることができます。普段の営業活動にメール配信を取り入れることで、配信後の効果測定で顧客の見込み度合いの見極めができるため、顧客に優先順位をつけて接触することができます。
実際に、弊社ラクスでは、メール配信後、本文中のURLをクリックした顧客を抽出して架電することで、メール配信と関係なく架電を行った場合と比較して5倍のアポ率が出ております。
さらに、メール配信後、本文中のURLクリック後に他のWebページを閲覧した顧客へほぼリアルタイムで架電することで、接触率が29.8%から65.5%に上昇しました。在宅勤務が増えて顧客との接触が困難になっている状況ですので、大変重宝しております。
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インサイドセールスの基礎知識と運用ハードル、簡単に始められる方法についてご紹介いたしました。インサイドセールスの立ち上げとなると関係者を巻き込んだ調整や、顧客対応の仕組み化を一気に求められますので、まずはメールマーケティングから小さく始めることがお勧めです。メール配信で得た勝ちパターン・ノウハウは、その後本格的にインサイドセールスを立ち上げる際、大いに役立ちます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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