メール営業のポイント【連載最終回】
- 【連載】営業力アップ!メール活用術
ウェブサイトからの問い合わせを増やすために、コンテンツを充実させたり、高度な問い合わせフォームを作ったり、リスティング広告を出したり、企業は絶え間ない努力を続けています。コストもかけています。しかし、問い合わせが増えても、その後の顧客対応レベルが低いために失注しているケースは少なくありません。
先日、弊社のスタッフが短期アルバイトを募集しようと、人材派遣会社にウェブサイトから問い合わせをしたところ、企業によって対応に大きな差がありました。そこで今回は、フォームからきた問い合わせにどのように対応すべきか、メールの活用法について解説します。
>>【無料ダウンロード】Webサイト改善のノウハウをまとめた資料はこちら!
今回、問い合わせをしたのは合計4社。知名度が高く、大手企業といわれる規模の会社です。大手企業というと、しっかり研修が行われていて顧客対応レベルが高いというイメージがあります。私もそのように思っていました。しかし、実際の対応を見るとイメージとは逆でした。
フォームから問い合わせがきたら、受付完了を知らせる自動返信メールが送られ、その後に、営業マンが電話をかけたりメールを送ったりして、コミュニケーションがスタートするのが通常です。
問い合わせフォームでは、いろいろな情報を聞きます。
・問い合わせ者の個人情報
・問い合わせ内容や疑問点
・希望する連絡手段(メール/電話)
これらの情報をもとに、営業マンはコミュニケーションをとります。
通常のテレアポや飛び込み営業とは異なり、問い合わせをしてきた方には多少なりとも顕在化したニーズがあります。そのニーズを問い合わせフォームに入力しています。だから、問い合わせフォームに入力された情報を読み取り、相手と噛み合えば、高い受注率になるはずです。
問い合わせ後、企業とお客さまの最初の接点は自動返信メールです。まず、ここから考えてみましょう。
今回、ウェブサイトから問い合わせをして驚いたのが、問い合わせの受付完了を知らせる自動返信メールが送られてこない企業があったこと。自動返信メールが届けば、問い合わせが完了した、相手に届いたという安心感が持てます。大部分のフォームには自動返信メールの機能がついているので、メールが届かないと不安をあおります。場合によっては、企業イメージの低下にもつながるでしょう。
自動返信メールにも2種類あります。一つは「問い合わせを受け付けました」とだけ書いてあるようなシンプルなメール。こちらが問い合わせた内容が、文中に記載されているわけではありません。
自動返信メールには、問い合わせ内容を記載することをオススメしています。問い合わせた内容が書いてあると、自分がどんな問い合わせをしたのか思い出せます。どんな選択肢を選んだのか記録に残れば、確認も促せて、その後のやりとりで話が噛み合わないという事態を防ぐこともできます。
件名:お問い合わせありがとうございます ○○○○様 お世話になっております。 このたびは、お問い合わせをいただきまして いただいた内容を確認し、 原則、24時間以内のお返事を心がけておりますが その点のみ、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 以下、お問い合わせ内容に誤りがないか、ご確認ください。 お問い合わせ内容:コンサルティングについて ——————————————————- 追加で、ご質問等がある場合は、 それでは、回答を差し上げるまで今しばらくお待ちくださいませ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
問い合わせフォームの中には、連絡手段を選択させるものがあります。選択肢は、電話、メール、郵送など多岐にわたります。忙しくて時間がない、苦手なコミュニケーション手段を使いたくない、物理的に使えないものがあるなど選択の理由はさまざまです。
意図があって連絡手段を選択しています。メールを選択しているのに電話がかかってきたら、相手はどう感じるでしょう。この営業マンは人の話を全く聞かない、コミュニケーションが下手、態度が悪いなどと思うのではないでしょうか。そもそも、相手が希望する連絡手段を使わないなら、聞かないほうがいいともいえます。
自社の問い合わせフォームに、どのような項目があるのかを知らずに営業している人もいるようです。最低限、一度は自社の問い合わせフォームや資料請求フォームを使って、問い合わせの流れを確認すべきでしょう。
今回、ウェブサイトから問い合わせた一社からは、問い合わせ内容に対して質問があったらしく電話がかかってきました。こちらの条件を説明した後に「詳細な見積もりや条件はメールでお願いします」と伝えたところ、それから3日以上経ってもメールが届きませんでした。電話で話して終わりではないはず。でも、そこでストップしているケースは珍しくありません。
企業はコストをかけて集客しています。それなりに受注の確率があるお客さまを集めています。しかし、そのバトンをつなぐ営業担当が約束を守らないのでは前に進めません。
問い合わせを増やすことに躍起となっても、問い合わせ対応までを一連の流れとして考えなければ意味がありません。つながりが悪いときは一度立ち止まり、問い合わせから面談までの道筋をどう作ればいいか考えてみるべきでしょう。
ちなみに、一社だけパーフェクトな対応がありました。こちらが問い合わせフォームに書いた内容に対して的確な回答がきたのです。今回は条件があわず依頼は見送りましたが、次回また同じような案件が発生したら、その営業担当者に指名発注するでしょう。
関連記事:8割以上の営業担当が課題あり!BtoB企業の「新規開拓」に関する調査レポート
関連記事:資料請求を増やす方法は?Webサイトで実践すべき具体的な施策5選