配信結果の効果測定・分析【連載第13回】
- 【連載】BtoB企業のための初めてのメールマーケティング講座
- メールマーケティング
前回は、メールマーケティングにおける「How(どのように)」の中から、「運用体制」についてお伝えしました。今回は、「運用スケジュール」についてお伝えします。
運用は、以下の8つのステップで実施していきます。
1つ1つについて細かく見ていきましょう。
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「1年単位」または「半年単位」で
を記載した、メール配信計画書を作成しましょう。
そして、立案した計画を、毎月見直しながら実施していくのが理想的です。
運用しているうちに、改善点が見えてくるからです。
また、配信計画書を作成する際には、配信タイミングだけではなく、「配信のための準備を始める日」も決めておきましょう。
準備期間をしっかり確保したスケジュールにしておくことが、「出すことだけに追われる運用」にならないための秘訣です。
準備期間中に、メール配信のために必要な素材を、すべて揃えてしまいましょう。
これも、「出すことだけに追われる運用」にならないための重要なポイントのひとつです。
メール配信のために必要な素材とは、主に以下のようなものがあります。
漏れ抜けがでないように、
・メール素材チェックリスト
を作成しておくとよいでしょう。
また、必要に応じて、マーケティング担当者・セールス担当者・カスタマーサポートの担当者・ウェブ制作担当者等とのすり合わせも、このタイミングで行っておきましょう。
さらに、このタイミングで、制作するメールごとに、「このメールではこれを検証しよう」という検証ポイントを決めておくとよいでしょう。後で分析するときに、どんなことを検証したくて制作されたメールなのかが明確になっていると検証しやすくなります。
検証ポイントの例 1)
件名を経営層向けのメッセージにするより、現場担当者向けのメッセージにしたほうが、開封率が高くなるのではないか?
検証ポイントの例 2)
イベントの情報は、本文一番上に持ってきた方が、申し込み率が高くなるのではないか?
※A/Bテストができる配信システムの場合には、準備フェーズではなく計画フェーズで、
・A/Bテスト実施計画書
を策定する場合もあります。
配信するメール および 関連するWEBページを制作します。
▼制作物例
何を制作する必要があるのか、あらかじめ決めておきましょう。
メールマーケティングに関する担当者が1人しかおらず、1人で書いて1人で配信している企業もまだまだ多いようですが、制作したメールは必ず複数の目を通すようにしてください。
校正というステップを経ることによって、以下のような修正・改善すべき点を発見することができます。
・誤字脱字
・わかりにくい文章
・リンクURLの誤り
・金額・日付・固有名詞などの誤り
・表記ルールの逸脱
・トーン&マナーの逸脱
・無意識の批判や誹謗中傷
(書き手が何の気なしに書いたことが、思いがけず他社の批判になってしまっていたり、配信先企業の一部に対して配慮のない表現になってしまっていたりする場合があります。)
・レイアウト崩れ 等
以下をあらかじめドキュメント化しておくと、漏れ抜けがなくなります。
・原稿(文章)のチェックリスト
・原稿(レイアウト・デザイン)のチェックリスト
担当者レベルでの校正がOKになったら、必ず承認すべき人・部署の承認をもらっておきましょう。場合によっては、法務チェックなどを必要とする場合もあります。
あらかじめ、
・社内の原稿承認フロー
も作っておくとよいでしょう。
メールを制作したら、必ず配信テストを行ってください。
ここでは、配信先として想定しているブラウザやメールソフト、機器に正しく表示されるかをチェックします。
・配信テストのチェックリスト
も策定しておくとよいでしょう。
表示チェックのために必要なブラウザやメールソフト・機器は、いつでも担当者が使えるように、あらかじめ揃えておきましょう。
さあ、いよいよ配信です。
ここで一番重要なのは、配信リストの扱いです。
他のシステムからCSVなどでインポートする場合には、
・リストインポート手順書
をあらかじめ作成しておきましょう。
セグメント配信を行う場合には、想定外のリストにメールが配信されてしまわないよう、十分気をつけましょう。
「人間はミスをするものだ」という前提のもと、データのインポートやメールの配信予約は1人で行わずに、必ず誰かの立ち会いのもとに行うことをお勧めします。
・メール配信手順書
も、あらかじめ策定しておきましょう。
配信して終わりではなく、必ず振り返りを行いましょう。
等をあらかじめ決めておくとよいでしょう。
毎回、検証する項目や、報告書のフォーマットが変わってしまわないように、あらかじめ
・メール配信報告書
のテンプレートを作成しておくとよいでしょう。
また、配信結果を他部署に共有する必要がある場合などには、漏れ抜けが出ないように、
・メール配信結果共有手順書
を、あらかじめ策定しておくとよいでしょう。
分析した結果をもとに、改善案を策定していきます。ただし、1通ごとに開封率やクリック率を見ても、傾向は見えにくいので、週1回配信なら1ヵ月に1回程度・・・など、数通をまとめて傾向をつかみ、改善の指針を決めていくことをお勧めします。
▼改善の例
○月○日の件名は、経営層向けのメッセージにしてみた。
△月△日の件名は、現場担当者向けのメッセージにしてみた。
両方を配信してみた結果から、現場担当者向けのメッセージのほうが開封率が高かったので、本文も現場担当者にフォーカスして書くと、もっとクリック率が上がるのではないか?
このようにPDCAを繰り返すことによって、徐々にメールの精度が高くなってきます。
今回は、「運用スケジュール」についてお伝えしました。円滑に運用するためには、あらかじめ様々なルールを決めておくことが重要だということがおわかりいただけたのではないかと思います。参考までに、本記事でご紹介したドキュメントを一覧にしておきます。
次回は、メール配信を始める前に決めておくべき「メールのテンプレート」について詳しくお伝えしていきますので、お楽しみに!
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