商談率2.5倍!配配メールが推す「IS×メール」成功施策
- 【連載】まこりーぬが行く!メールマーケティングの現場に潜入取材!
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BtoB営業の課題として「新規顧客の獲得」を挙げる営業担当者は多いのではないでしょうか。様々な調査機関や企業の調査データでも、営業活動の課題として上位に挙げられるテーマでもあります。また、在宅勤務が進み、新規顧客獲得のための営業活動がより厳しくなったという声も多く聞かれます。
営業担当者の頭を悩ませる新規顧客獲得ですが、獲得方法は大きく2つあります。
ひとつは新規リードの獲得で、これまで全く接点のなかった新しい顧客へのアプローチです。もうひとつは休眠顧客の掘り起こしで、これまで何らかの形で接点を持ったことがあるが、契約に至っていない顧客へのアプローチです。
この記事では各方法のメリットとデメリットを挙げますので、顧客獲得にお悩みの皆さまのご参考になれば幸いです。
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新規リードの獲得方法には「アウトバウンド営業」と「インバウンド営業」の2種類あります。
もともと「アウトバウンド」という言葉には「外国行きの」といった意味がありますが、海外に対する営業ではありません。この言葉は業界によって使われ方が異なり、混乱してしまうケースが多いので注意が必要です。今回ご紹介する営業におけるアウトバウンドとは、企業から「外に向かって」という意味になり、「企業側から顧客に対してアプローチをかける営業スタイル」のことです。企業発の営業活動は、すべてアウトバウンド営業に分類することができます。
アウトバウンド営業の代表的な手法は、飛び込み営業やテレアポが挙げられます。飛び込み営業とは、過去に接点がない顧客をリストアップし、訪問の約束のない状態で企業へ訪問をし、名刺交換や商談の場を設けてもらう手法です。 テレアポとは、過去の接点がない顧客をリストアップし、電話をしてアポイント獲得を図る手法です。
関連記事:アウトバウンド営業とは。インバウンドとの違いや代表的な手法も解説!
アウトバウンド営業のメリットは、顧客をリストアップして訪問する、電話をかけるといった業務がほとんどのため、広告費が必要なく安価で取り組めるという点です。
一方で、自社サービスを全く知らない状態の顧客へ興味付けをする必要がありますので、営業スキルが重要となります。そのため、大量のリストにアプローチをして、やっと1件アポが獲得できるということは少なくないでしょう。継続的に足を動かしたり、電話をかけ続けたりする精神力も求められます。
インバウンド営業では企業側からはアプローチをかけることはなく、顧客のニーズを考えた情報発信を継続しておこなうことで、顧客が自社サービスを見つけ、興味を持って問い合わせをしてくれた事を起点に営業を行う手法です。つまり、アウトバウンド営業とは逆の営業スタイルです。
インバウンド営業の代表的な施策はSEO、コンテンツマーケティング、リスティング広告などが挙げられます。
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化と訳されます。顧客がインターネット上で自社サービスの関連ワードで検索を行った際、検索結果に自社サービスのWebページを上位に表示されるよう対策を行う施策です。
コンテンツマーケティングとは、まだニーズが顕在化していない顧客に向けて、調査レポートやコラムなど価値のある情報を作成し、発信することで、将来顧客になり得る層を作る施策です。
リスティング広告とは、検索連動型広告とも呼ばれ、Google やYahoo!等の検索エンジンで検索をした際、検索結果のページに検索ワードと関連した広告を掲載する施策です。
関連記事:インバウンドマーケティングの重要性やメリット、注意点を解説
こうしたインバウンド施策のメリットは、自社サービスに興味を持った状態の顧客からの問い合わせを獲得できる点です。すでにニーズがあり、自社サービスのこともWebサイトなどで知っていてさらに詳細な内容が知りたい、ということで問い合わせに至っているため、自ずと契約いただける確率も高くなります。
一方で、どの施策もWebマーケティングに関する専門知識が必要です。経験者がいない場合は成果を出すために専門業者と協力して施策を進めると効果的です。
では次に掘り起こしの特徴を見ていきます。掘り起こしとは、過去に接点があったものの、まだ契約に至っていない顧客に対して行う営業活動です。過去に接点を持った経路は企業によって様々で、問い合わせをいただいた、展示会で名刺交換をした、セミナーにお申し込みいただいたなどが該当します。
関連記事:飛び込み営業に代わる新規顧客の獲得方法をお教えします!
1点目はアウトバウンドの新規開拓営業と比較して商談化しやすいという点です。過去に一度接点を持ち、自社サービスを知っているため、全く自社サービスを知らない状態から関係性を構築するアウトバウンド営業と比較すると、興味付けしやすいと言えます。
2点目は、リード獲得のための費用がかからない点です。インバウンドの新規開拓の場合、リードを獲得するための費用がかかりますが、掘り起こしの場合はすでに顧客情報を保持している状態で営業活動ができます。
1点目は、顧客情報が整理されていない場合、手間がかかることです。例えば、顧客情報が名刺のままで営業担当が各個人で管理している場合、アプローチするリストがどんな顧客で何件あるのかといったことをすぐに把握しにくくなります。
2点目は、アプローチの優先順位が分からず非効率であることです。BtoB営業の場合、過去接点のある顧客情報は数百件、数千件といった単位になりますが、すべての顧客の近況が分かっているケースは少なく、現在顧客がどのようなニーズを持っているのか、どのようなサービスに興味があるのかということが把握できない状態で営業活動を行うこととなります。検討を再開した顧客が把握できないと、保有しているリストに闇雲にアプローチすることとなり、効率が悪くなってしまいます。
これまで新規リードの獲得と掘り起こしの特徴を見てきました。結論として、どちらも並行して進めていけるならそれがベストです。新規リードの獲得だけに注力してしまうと、安定的なリード獲得の仕組みが構築できるまでの間、営業活動が鈍化してしまったり、獲得したが契約に至らなかったリードへのフォローが疎かになってしまいます。だからと言って、掘り起こしだけに注力してしまうと、リストに当たりつくしてしまった場合に商談獲得が困難になります。
「今すぐに顧客獲得を強化したい」という場合は、掘り起こしに注力するのがおすすめです。リード獲得のための費用をかけずに、すでに自社サービスを知っている顧客に対してアプローチできるためです。
一方、取り組みやすさには欠けますが、インバウンドで新規リード獲得できる仕組みの構築は今後より一層重要となります。インターネットが普及し、BtoCのみならずBtoBでも顧客はインターネットを利用して購買活動を行うようになったため、そうした顧客の購買活動に合わせた情報発信に切り替える必要があります。SEO施策で自社のWebサイトを検索結果の上位に表示されるようにして顧客にリーチしてもらいやすくしたり、サイト上のコンテンツを充実させることで顧客が自身で情報を吟味できる状態にすることで、営業との不要なやり取りを減らし顧客の検討にかかる工数を減らすことができます。
前述のように、インバウンドによる新規リード獲得の仕組み化は重要ですが、これまでオンラインマーケティングに取り組んだことのない企業からすると、社内で理解を得られにくいといった背景もあるかと思います。何を隠そう私も同じでした・・・。稀に発生する問い合わせから受注するよりもテレアポで受注するほうが偉い!という空気が漂っていました。確かに営業スキルはテレアポのほうが鍛錬されるかもしれませんが、稼働を減らして効率的に営業活動をしたい、という思いを抱えていました。
そんな思いから、我々も数々の掘り起こし手法を実践しました。そのなかでもおすすめなのがメールマーケティングです。
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1点目は、低額で始められることです。すでに自社で保有している掘り起こしリストを活用するため、月額数千円~数万円のメール配信サービスの費用のみで始めることができます。
2点目は、手間がかからないことです。数百件、数千件の顧客に一斉にアプローチすることができるため、1件ずつ電話や訪問をすることと比較して手間なく顧客と接点を持つことができます。
3点目は、顧客の反応を可視化し、アプローチの優先順位をつけることができる点です。ここがリード獲得のデジタル化の足掛けとなる部分です。メールマーケティングでは顧客がメールに記載されたリンクをクリックしたことや、誰がいつクリックしたかといった反応を計測することができます。さらに、その反応をもとに自動で追客するメールを配信したり、Webサイトへ来訪したことを自社の営業担当に通知することが可能です。
関連記事:「いつ」「誰が」といったメールのクリック情報を取得できる配配メール
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ここで、弊社で実践しているメールでの掘り起こし事例をご紹介させていただきます。商談後に検討が停滞しているお客様向けに、下記画像のようなメールを一斉配信しています。
こちらの取り組みとしてのポイントは、3つございます。
1つ目は、担当営業の名前を差し込み、商談を思い出していただきやすくすることです。
2つ目は、「簡易的で構いません」と記載し、返信のハードルを下げることです。
3つ目は、月1回の頻度で実施することです。ご返信いただいた場合は、内容によりますが次の配信まで2か月以上あけております。
このメール配信によって、お客様の検討状況の把握と、再商談の獲得が期待できます。弊社のこれまでの実績ですと、200~400件程度のリストに対してメール配信した結果、平均で返信10通、商談2件という成果を出すことができました!
このように、メールでの掘り起こしには期待できる効果がたくさんあるため、ぜひ参考にしていただければと思います。
なお、ご紹介した事例において、各営業担当者名の差し込みには下記の機能を活用しております。
関連記事:配配メールの「差し込み機能」
BtoB営業の課題となる顧客獲得の方法について、新規リードの獲得と掘り起こしの特徴やメリット・デメリットを比較しました。インバウンド施策で新規リード獲得する仕組みを構築しながら、掘り起こしからの受注を最大化することができればベストです。ご参考になりますと幸いです。
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