【イベントレポート】 御社のメール見せてください!! BtoB企業編第5弾 文面作成のコツ/開封率・クリック率/コンテンツ選定の考え方を大公開
- 事例/インタビュー
2021年9月某日、弊社配配メール事業部 企画課の宮坂が、Twitterでの勉強会開催の呼びかけに応募いただいた株式会社ソルフェリオーナ様のメール配信担当者へ、メールマーケティングについての研修を開催しました。本記事ではその研修内容の一部をご紹介します。
ソルフェリオーナ様は自社メディアでSEO対策のためのコラム記事を週に1本ほどのペースでリリースされています。しかし、
・せっかく記事作成に注力しているのにメルマガ作成・配信の時間がとれず月1回程度になってしまっている
先月はなんとか2回配信できたが、これを継続することや目標の週1回以上に増やすのは厳しい
・毎回同じような文面になっている気がして特に文面作成は気が重い
といったお悩みがあると伺いました。
そこで、この勉強会では、開封・クリックされやすいメール作成のポイントと、とにかく楽に効果的なメールを作成するコツについてお話しました。
配信頻度をなぜ上げたほうがいいのか?については関連記事をご確認ください。
関連記事:メールマーケティング徹底解説!メール配信のポイントや事例を紹介
関連記事:メール送りすぎ?という遠慮は不要。メールマーケティングの実態調査(WACUL TECHNOLOGY&MARKETING LAB)
最初に効果の出やすいメール作成のポイントを3点にまとめて解説しました
メールを開封するかしないかの判断に最も大きく影響するのが件名です。そのため、件名は丁寧に作成する必要があります。
関連資料:メルマガに関する調査レポート2021
開封・クリックされる件名作成のポイントを3点にまとめるとこのようになります。
受信者は受信ボックスで見える範囲でメール内容を評価します。見切れてしまうような長い件名は考える時間がもったいないです。さらに、長い件名は開封後の本文の表示を邪魔する可能性があるため、不必要に長くしないよう注意しましょう。
文字数は、BtoB・BtoC問わずスマートフォンの受信ボックスで見切れにくい、15文字以内を意識して作成しましょう。15文字より長くなってしまう場合は、PCの受信ボックスで見切れにくい25文字以内を心がけましょう。人が目を動かさずに読める文字数は9~13文字と言われるため、冒頭部分には興味を引けそうな言葉を複数配置するとさらによいでしょう。
短い件名は読みやすいだけでなく、注目されやすくなる効果もあります。日本国内で送受信されているメルマガの多くは受信ボックスで件名が見切れてしまうため、短く端的な表現の件名は目立ちやすいです。弊社でも件名の長い・短いでABテストを実施したところ、件名が短いメールの方が明らかに開封率・反応率が高くなることを確認しています。
件名の文字数でABテストを実施したところ、短い件名の方が開封率・反応率ともに高かった
関連資料:メール配信のベストプラクティス
件名に記載する内容は、本文のメインコンテンツの内容を端的にまとめましょう。メールの件名が本文のサマリになるような関係のとき、メールの開封率だけでなく反応率も高くなることがわかりました。
関連記事:クリックしてもらえる可能性が高いメールの件名と本文とは?メールのベストプラクティス研究(Vol.1)(WACUL TECHNOLOGY&MARKETING LAB)
開封はされるが本文がクリックされないメールは、いわゆる「釣り件名」になっていて、件名で期待したほどの内容が本文に掲載されていない場合が多いです。件名作成時は開封してほしい気持ちを抑え、受信者が速やかに開封の要不要を判断できるようサポートできるような、端的で正直な表現を心がけましょう。
釣り件名でないか心配なときは、自分やチームメンバーの受信ボックスへテストメールを送ると、メール作成中には気づけないような違和感も見つかりやすいです。
メール本文の内容を15文字以内でまとめるには、メール内容と関係ない情報を件名に入れる余裕はありません。社名やサービス名といった送信者を表す情報や、【】(すみかっこ)等の半角4文字分ものスペースを使う装飾の利用は避けましょう。
差出人名で記載するか本文のみの記載にとどめる。
どうしても件名に入れなければならない場合は冒頭ではなく末尾につける。
囲った文字が本当に必要か改めて考える。
たとえば「新着記事」は、新しい記事であるというだけで読まれるような関係性でない限り件名に入れる優先度は低い。「無料セミナー」の「無料」も、受信者がイメージするセミナーに無料のものが多いなら省略してセミナー内容を紹介するほうがよい。それでも装飾したい場合、【】の代わりに半角スペースで区切るのがおすすめ。
差出人名は件名とほぼ同時にチェックされ、開封の判断に2番目によく用いられる要素です。スマートフォンの受信ボックスでは件名よりも上に大きく表示されることも多く、受信時の印象を大きく左右します。
差出人名が未設定の場合、送信者のメールアドレスがそのまま表示されますが、メールアドレスから差出人を想像するのは受信者にとって負荷が大きいため、必ず差出人名を設定しておきましょう。
設定のポイントは「認知された名称および表記」を用いることです。企業名やサービス名などでよいでしょう。BtoBの場合は個人名を含めることも有効です。件名同様、長すぎると受信ボックスで見切れてしまうため、全角15文字分程度しか表示されないとご認識ください。
・固有名詞が含まれず誰から配信されたかわからない
例)セミナー運営事務局、メールマガジン編集部など
・認知されていない名称
例)展示会で名刺交換しただけの方宛に「○×メールマガジン」と送る
・認知されていない表記
例)「ラクス」ではなく「RAKUS」と表記する
自社で配信するメルマガの差出人名が適切に設定されているか、この機会に確認してみましょう。
本文への宛名差し込みの要領で宛先ごとに差出人名と差出人メールアドレスを設定できる
また、サービスによっては受信者ごとに個別に差出人名の表記や差出人メールアドレスを設定・配信することも可能です。受信先ごとに担当者を設定している場合はこのような機能を活用してみましょう。
関連記事:複数From指定
弊社でメール本文の閲覧時間を調査したところ7秒以下の人が7割以上という結果が出ました。そのため、メール本文は直感的にWebサイトへ遷移できるよう作成するのが効果的といえます。直感的にわかるメール本文作成の主なポイントはこちらの3点です。
文字のサイズや色、太さはもちろん、行間も調整でき、テキストメールよりも文字を読みやすくできます。また、画像の差し込みにより、文字で説明するより早く情報を伝える工夫もできます。
メールのメインコンテンツは1つに絞り、メール開封直後に見えるよう一番上に配置しましょう。複数のコンテンツを案内する場合は、サブコンテンツは必ずメインコンテンツの下になるよう配置し、メインコンテンツと強弱をつけるよう意識しましょう。
メインコンテンツのCTAはボタンにしましょう。ボタンは角を少し丸くする、少し影をつけるといった工夫により、そこにリンクが貼られていると直感的にわかるように(=クリッカブルに)なります。
関連記事:クリック率を上げるメールマーケティング7つのポイントとは?
株式会社ソルフェリオーナ様は自社サイトにコラム記事を増やす活動に注力されているため、メールに掲載できるコンテンツには困らない状況でした。しかし、それを継続して発信するための稼働確保が難しいという非常にもったいないご状況のため、ある程度のクオリティのメールを楽に作成するコツをお伝えしました。
宛名や挨拶、署名は形式上必要だが、時候の挨拶や編集後記の記載はマストではない
メールを読むとき、受信者は要件と思われる箇所のみ注視します。そのため、要件に関する内容は記載する、それ以外の内容は省略するなど、作成コストを下げることを考えます。
このとき、要件と関係ないかつ形式上省略できるのは、時候のあいさつや編集後記、送信者の近況といった情報です。これらはメール配信担当が何を書いたらよいのか悩みがちな箇所ですが、無くてもメールとして成立し、要件は伝わるため、余裕ができるまでは控えましょう。
CTA上部の誘導文言とCTAのリンク先URLのみ変更すればよい
記載しないものを決めたら、毎回の配信で利用するメールのテンプレートを作成しましょう。1から作るのではなく、以前送ったメールをテンプレート化するのもよいでしょう。毎回変更する部分を目立たせておき、冒頭のあいさつや結びのあいさつ、署名欄など毎回同じ部分の見た目を整えておけば十分です。
3.件名は記事タイトルの全てまたは一部を使う
よい記事タイトルはそのままメールの件名に設定できる
コラム記事のタイトルはそのままメールの件名に使ってもよいです。興味をもっていただけるよう考え抜いた端的な表現になっている場合は、そのままメールの件名に採用しましょう。そのまま利用すると25文字より長くなる場合は、一部を切り出して使うとよいでしょう。
記事タイトル | 件名案(15文字程度) |
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記事冒頭の文章をメール本文にそのまま記載して、CTAを「続きをよむ」にすれば違和感ない
メール本文は、短いあいさつとCTAの間に、思い切って記事の冒頭を全てコピペして記載しましょう。CTAを「続きを読む」に設定すれば、自然とコラム記事に誘導できます。本文は頑張って作成しても20%ほどの読者しか閲覧することはなく、件名を見て少し興味を持っている読者を迅速にWebへ誘導できればよいため、ある程度力をぬいても大丈夫です。
本文のうち、件名と同じ言葉や件名の補足になる情報には色をつけると拾い読みしやすくなる
記事の紹介文のうち、件名と同じ言葉や、件名に対しての追加情報となる言葉は、色をつける、太字にするなどして、他の部分より注目されるようにしましょう。重要な箇所を拾い読みしやすくなるため、装飾が無い場合よりも短時間で内容のイメージがわき、反射的なクリックにつながりやすくなります。強調する箇所が多いと逆に目立たなくなるため、目立たせる箇所は1~2か所に厳選しましょう。
余力がある場合は、記事内容の紹介を140字ほどで作成し、CTAの上に挿入しましょう。140字というのはおよそ7秒で読める文字数で、Twitter 1投稿分とお考え下さい。
弊社が配信するコラム紹介メールも、ファーストビューのCTAまでの文字数140文字程度にしております。このように案内文を短くすることで、わずかな時間でも読みやすく、行間を広めにとってもファーストビューにCTAがおさまるため直感的なクリックを助けられます。
実際に記事冒頭をすべてメールに記載する場合、弊社のメルラボの記事2つを例にあげると、こちらの記事は冒頭が221文字、こちらの記事は183文字でしたので、そのまま記載するにはいささか長いです。140字にサマリできた場合と比べて、わずかに読み飛ばされやすくなる、ファーストビューにCTAが入らなくなり反応率が下がる、といったデメリットも発生します。しかし、どのくらい差が出るかというと、こちらの記事に記載のようにクリック率で0.8ptと大差ではありません。お忙しい中メール作成で悩む時間がほぼゼロになるメリットは計り知れず、良いコンテンツをお客様へ届けるというメールの役割は果たせていますから、ご安心いただけますと幸いです。
いままでご紹介した内容は、コラム記事案内メールをいかに楽に作成するか?ですが、いずれ余裕ができたときにまず着手いただきたい施策として、拡充されたコンテンツを最大限活用するため本文のコンテンツ数を増やすご提案をしました。これに際し意識していただきたいのが「ローテーション配信」です。
1メールに複数のコンテンツを掲載し、コンテンツの位置を入れ替えながら配信すると、記事の閲覧数を最大化させつつ、毎回違うコンテンツで送られているよう見せることができます。これを弊社では「ローテーション配信」と呼んでおり、過去開催した勉強会でもたびたびご紹介しています。
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複数の記事のコンテンツ順序を入れ替えて配信するとさまざまなメリットがある
ローテーション配信は、新しいメールを作成しなくても、過去に作成したメールだけで実施できます。本文のコンテンツ位置が入れ替わると、同じメールがきたと感じにくくなるからです。ローテーション配信には、メールの作成工数をおさえつつ、良いコンテンツを何度もご案内し、コンテンツ閲覧数を最大化できるメリットがあります。
ソルフェリオーナ様のようにメール作成の時短をしたい・飽きられない本文作成をしたい企業様だけでなく、コンテンツ数が少ない企業様にもおすすめの手法です。
最後に、実際にローテーション配信を実践している企業様のメルマガからより具体的なイメージをつかんでおきましょう。
こちらはアメリカのコーヒーの小売業者、Peet’s Coffee(ピーツコーヒー)から届いたメルマガのスクリーンショットを撮り、同じコンテンツには同じ色をつけたものです。
よく見ると、同じコンテンツが位置を変えて連日配信されているが、受信者は気づきにくい
引用元:Peet’s coffeeのメールマガジンより
Peet’s Coffeeは毎日メルマガを配信していますが、毎回長さやレイアウトが異なり、1日として同じメルマガは届かない印象です。
しかし、実際にどのようなメルマガが届いたかスクリーンショットを撮って記録してみると、2日連続で同じコンテンツが案内されていることもあり、メール内のコンテンツの順番、レイアウト、見出しの文章を変えることで、飽きさせずにその時々の注力コンテンツの閲覧数を増やしていることがわかります。
CVのとれるコンテンツは何度も配信したいものですが、レイアウトや見出しの工夫に加え、本文内のコンテンツ順序をいれ変えて配信することで、閲覧数を増やすことができそうです。お試しいただいた方はぜひ感想をお寄せいただけますと幸いです。
当日はレポートにまとめた内容の他にも様々な情報のご案内をしており、最後に鋭いご質問をいくつかいただきましたので、質問内容と回答をまとめます。
A. どちらがいいとは一概にはいえません。まず、後者のほうがメルマガらしくない分営業色が出にくく、警戒されにくい特徴があります。5W1Hを使うとより魅力的なご案内になる分、業界や職種柄慣れていないなどの背景から、メルマガらしいメールを警戒して開かない方も一定数いらっしゃるようです。貴社の配信先のお客様方がどちらの雰囲気に慣れ親しんでいるか?でお選びいただくのがよいと思います。
あまり関係ないですが、過去に弊社で実施したABテストだと、件名の末尾が「~~とは?」と「~~!」だとどちらが開封されるか試したことがあります。わずかですが「~とは?」の方が開封率が高かったです。
A. タイミングというのはお客様側のタイミングであり、こちら側のタイミングでもあります。コントロールしやすいこちら側のタイミングの話をすると、「お客様の余暇時間を想定した配信日時」を設定するのがよいです。メールは暇なときに読むものなので、忙しそうな時間は割けて、比較的手が空いていそうな時間を狙って配信します。しかし配信時間と開封について調査した結果、配信月、配信日、配信曜日、配信時間と開封率との相関は見られませんでした。一般的にBtoBのメール配信なら、平日の日中、特に火曜~木曜の午前中がおすすめです。
また、サービスによっては、宛先ごとに「前回開封した時間」に合わせて配信してくれるような機能もついています。配配メールでは「メモリー配信」と呼んでおりますが、非常に便利なので是非使っていただきたいです。
関連記事:顧客ごとの前回開封時間に合わせてメールを自動配信!
A. 「開封直後に開封者にかける」のがよいとされています。メールを開封しているということは、そこまで忙しくない時間であり、かつ、スマートフォンやPCの画面を見れる環境のため電話も比較的とりやすいです。
しかし、直近で電話連絡をしたばかりの方だと「またか」と思われるかもしれないため、過去の接触履歴を確認してから連絡する/しないを判断しましょう。
他におすすめなのは、「メールの配信をフックに配信先のターゲットに架電する」で、メール配信から半日か24時間ほど経ってから、ターゲットに対して架電します。この場合、メール未開封の方に対しても「先ほどこういう内容でメールお送りしたんですけど、ぜひ〇○様に見ていただきたい内容だったので電話しちゃいました」といった風に、メールを「なぜいま電話してきたのか」の動機に使えるのがよいです。
今回はソルフェリオーナ様へ勉強会を開催しましたが、このような活動は今後も少しずつ続けてまいります。個別の勉強会開催以外にも、メルラボでの記事公開、セミナー開催を通して情報発信に努めております。勉強会開催のご希望がございましたら、宮坂(it-sc@rakus.co.jp )宛に、①会社名、②お名前、③ご連絡先、④どのような勉強会を実施してほしいかのご要望 を簡単に記載の上、ご連絡ください。