メールマーケティング担当者が一度は悩む「購読解除」の原因と対策とは?配信頻度との関連も紹介

メールマーケティング担当者が一度は悩む「購読解除」の原因と対策とは?配信頻度との関連も紹介

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メールマーケティングを行っている企業様ならできるだけ避けたいと思う「購読解除」。購読解除を抑制するために、配信頻度を減らしているという担当者様の声をよく聞きます。ですが、本当に購読解除されてしまう原因は配信頻度なのでしょうか?今回は、購読解除されてしまう原因やその目安から購読解除率を下げるための施策と最適な配信頻度について、ご紹介します!

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できればしてほしくない「購読解除」

メールマーケティングを実践する企業様の多くが、メールの開封や本文中のURLをクリックしてもらうために、試行錯誤してメール配信を行っていると思います。それでも、毎回数件は出てしまう購読解除数に頭を悩ませているのではないでしょうか。購読解除数が増えた場合、コンテンツやリストの属性などに原因があると考えられます。これらの要素を見直すタイミングを計るために、メールマーケティングのKPIである「購読解除率」をウォッチしていく必要があります。

メールマーケティングの主要KPI「購読解除率」の算出方法と目標値

メールマーケティングのKPIといえば、「開封率」や「クリック率」が真っ先に思い浮かぶ方も多いと思いますが、購読解除された割合を見ていく「購読解除率」もメールマーケティングにおける主要KPIの1つです。

購読解除率とは、届いたメールのうち購読解除された割合を表します。
購読解除率の算出方法と目標値は以下の通りです。

 算出方法

 購読解除数 ÷ 配信成功数 × 100

 目標値

 0.25%以下

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なぜ購読解除されてしまうのか?

「なぜ購読解除をするユーザーが出てしまうのか…」。そんな疑問やお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここでは、購読解除されてしまう主な原因についてご紹介いたします。

配信リストの属性とコンテンツがマッチしていない

購読解除されてしまう理由の1つに、ユーザーが期待する内容と配信しているコンテンツが合っていないということが考えられます。単純に年齢や性別などの属性がコンテンツとマッチしていない場合もありますし、ユーザーの状況とコンテンツが合っていないという可能性もあります。例えば、情報収集段階ですぐに購入には至らないユーザーに製品の案内を配信しても相手の興味を引くのは難しいですし、欲しい情報が手に入らないという理由から購読解除されてしまうでしょう。

このような場合は、ユーザーの属性や状況に合わせてセグメントをし、各ユーザーでコンテンツを変えて配信するなどが有効です。

関連記事:「パーソナライゼーション」を考慮したメールマーケティングを解説

関連記事:コンテンツがメルマガの効果を高める!?ユーザーに寄り添うコンテンツとは

コンテンツに興味がなくなった

ユーザーがコンテンツに興味関心がなくなってしまった場合も購読解除される大きな原因の1つです。提供しているコンテンツ内容を定期的に振り返り、飽きられてしまうような同じ内容を高頻度で繰り返し配信していないか?一方的な商品案内ばかりをしていないか?の確認を行い、ノウハウ・テクニックなどユーザーの利益に直結する情報提供を意識してコンテンツを見直すことが重要です。

メルマガ登録当初とは状況が変わり、情報が必要なくなった

製品やサービスの購入を検討している段階で情報収集のためにメルマガ登録したが、実際に購入したため情報が必要なくなったなどが考えられます。こうした場合は、その後につながる商品・サービスをあつかっているかどうかで対策が変わります。

例えば、メール配信システムの導入を検討しているユーザーが情報収集のために各社のメルマガを登録した場合、実際にシステム導入後には製品やサービスの情報はもう必要ないため、そうした情報ばかりを提供している場合は購読解除につながります。しかし、製品紹介だけはなく、メール配信にまつわるノウハウやテクニックを紹介するなど、ユーザーにメリットのある情報も届けることで継続して読み続けてもらうことができます。

初めから興味がなかった

そもそも初めからメールの内容に興味を持っていないユーザーもいます。例えば、商品購入や無料トライアルの申込などをきっかけとして、自動的にメルマガ登録をされたユーザーなどが当てはまります。このようなユーザーの購読解除を防ぐためには、ユーザーが意識的にメルマガ登録できる導線を確保することが重要です。もしくは、そうしたターゲットに合わせたコンテンツを配信するなど工夫が必要です。

役に立つ情報ではないと判断された

興味を持ってメルマガ登録したものの、配信内容がユーザーにとって有益ではないと判断された場合も購読解除につながります。このような場合は、過去のメール配信の成果を振り返り、開封やクリック率が良いコンテンツを強化していくなど、ユーザーの行動に合わせてコンテンツの改善を行うなどがポイントです。

関連記事:読者を決して飽きさせない!メール配信5つのコンテンツ作成ポイント

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知らない宛先からのメール

ユーザーが意識的にメルマガ登録をしたわけではない場合、知らない宛先から受信したメールは購読解除されやすくなります。どんなにコンテンツが有益でも、知らない宛先というだけで内容をしっかり見ないまま、購読解除されたり、ゴミ箱に捨てられたりします。また、最悪の場合、迷惑メール報告をされてしまう可能性があります。

購読解除率が上がってしまった!取るべき対策とは

これまで購読解除率が上がってしまう要因についてご紹介してきましたが、実際に上がってしまった場合、改善のためにどのような対策ができるのか。配信側で取るべき対応策についてご紹介します。

セグメント配信でユーザーの欲しい情報を提供する

対応策の1つは、性別や年齢などの属性や状況でセグメントし、ユーザーに合ったコンテンツを配信するという方法です。ユーザーのニーズにマッチしていない、もしくはユーザーに全く関係のない内容のメールを送り続けていると、「自分には関係のないメールだ」と認識し、購読解除数は配信する度に増えてしまいます。ですので、ユーザーに合ったコンテンツ配信をするだけでも購読解除数を抑えることができます。

またセグメント配信には、購読解除数を抑えるだけではなく、開封率やクリック率が改善することにもつながります。

効果的なセグメント配信をするには、どういったセグメントで分類するかがカギになります。一般的には、年齢・性別・職業などの「属性」と、Webサイトの訪問者か製品をすでに購入したことのある人かなど「状況」の2つの軸で分類されることが多いです。セグメント配信について、詳しく知りたい方は下記の関連記事をご参考ください。

関連記事:セグメント配信と一斉送信の使い分けとは?メールの開封率、クリック率を改善する方法を紹介します

関連記事:属性やメールの反応によって絞り込める配配メールの「セグメント配信」

関連記事:セグメント配信で簡単に効果が伸びる!?今日からできるメールマーケティングの手法とは

配信リストの取得方法を見直す

購読解除率が上がってしまう要因でもお話したように、配信コンテンツにそもそも興味がない場合や知らない宛先からのメールを受信した場合、購読解除されてしまうことがあります。その要因として、ユーザーが意識的にメルマガ登録をしていないということがあります。そのため、対策としてはユーザーが意識的にメルマガ登録できる導線を設けるということがポイントです。商品の購入と同時にメルマガ登録される方式であっても、ユーザーの目につく部分にメルマガ登録へのチェックボックスを設けるだけで変わってきます。

関連記事:オプトイン・オプトアウトって何?仕組みと個人情報保護法との関係性とは

関連記事:メルマガの法律『特定電子メール法』とは?オプトイン・オプトアウトも解説

配信リストの定期メンテナンス

購読解除数を抑えるというよりかは未然に防ぐ方法にはなりますが、長期間開封をしていないユーザーはリストから省いてしまうなど定期的にリストのメンテンナスをすることも大切です。長い間、開封をしていないということはそもそもメールに気づいていなかったり、関心がないということが考えられます。そうした宛先に配信し続けていても、いずれ購読解除されてしまう可能性の方が高いので、思い切って削除してしまうというのも1つです。特に、購入したリスト宛にメール配信をしている方は特に意識して取り組んでいただくと良いでしょう。

関連記事:メルマガ配信はリストの管理から。効率よく管理していく方法を紹介

関連記事:メール配信リストのクリーニングと管理は何から始めるべき?

その認識間違っています!購読解除と配信頻度の関係

「購読解除が出ているから、配信頻度を減らそう」
「配信頻度を増やしたら、購読解除率が上がってしまう」
という声をいまだによくお聞きします。

弊社で配信しているメルマガやセミナーメールなどの購読解除率の推移を調べたところ、配信頻度が多い週でも少ない週でも、メール1通あたりの購読解除率はほとんど変わりませんでした。

配信頻度平均購読解除率
7通/週0.15%
7通/週0.13%
3通/週0.14%

配信頻度と購読解除率の推移

上記のグラフを見ていただくと、一部購読解除率が上がっている部分がありますが、その前後では数値が下がり安定しているのを見ると、購読解除が出てしまうのは頻度というよりもコンテンツの内容による影響が大きいと言えます。

適切な配信頻度とは?

それでは、どれくらいの頻度で配信を行うのが良いのか。

前述の通り、配信頻度を増やすことで直接購読解除につながることはありませんが、最適な頻度というのは企業側とお客様の関係性も影響します。

例えば、自分が意識的に購読したメルマガの場合、毎日メールが届いたとしても迷惑とは感じません。しかし、商品購入の際に自動的にメルマガ会員として登録されてしまったメルマガが毎日届いたら「煩わしいな」と思う方も一定数いるでしょう。

ですので、弊社ではお客様に、まずは週1回の配信から始めましょうとお伝えしています。

そもそもメールは配信したら全読者が読んでくれているというものではありません。弊社の調査では、多くの読者が「たまたま目に入った」タイミングでメルマガを読むと回答しました。読者のたまたま目に入るタイミングにメールを配信するには、ある程度頻度高く配信する必要があります。

配信するコンテンツが潤沢にあり、稼働も割けるという場合は、BtoBであれば週1~2回、BtoCであれば毎日を目標に配信していくことをおすすめします。

関連記事:最適なメルマガ配信の頻度?2つのポイントを意識して効率改善!

関連記事:メルマガの頻度ってどれくらいがベスト?自社の配信頻度を見つけるための3つのポイントとは

大切なのはコンテンツ!

成果が上がるなら!と、ただ配信頻度を増やすだけではいけません。弊社が配信するメールの購読解除率推移を見ればわかる通り、局所的に購読解除率が高くなっている時があります。その大きな要因として配信コンテンツが関係しています。

配信頻度を増やしたがために配信コンテンツの質が落ちてしまっては、購読解除数は増えてしまいます。配信頻度を増やしつつも、読者のニーズにマッチした質の高いメール配信をするよう心がけましょう。

関連記事:読者を決して飽きさせない!メール配信5つのコンテンツ作成ポイント

関連記事:コンテンツがメルマガの効果を高める!?ユーザーに寄り添うコンテンツとは

配信頻度を上げて成功した事例

実際に配信頻度を増やして成果をだされた企業様もいらっしゃいます。HR Tech、人材、保育・介護、海外・外国人の4つの幅広い事業セグメントで、延べ1万社近くの採用活動を支援してきたネオキャリア様の介護事業部では、キャンペーンの案内と求人特集のメール配信を行っています。

キャンペーン案内では、特集内容3つを盛り込んだメールを1日1回配信していましたが、ユーザーとの接触数を高めるために、1メールにつき1コンテンツでの配信に変更し、1日3回配信に。

メルマガの配信頻度を増やして成功した事例

1日3回配信を数か月続けたところ、開封率が下がることはなく、むしろユーザーとの接触回数を増やしことでキャンペーンへの応募者が増えたという結果になりました。

その他にもネオキャリア様では、OnetoOneメールやABテストを活用してメールの成果を高められています。詳しい内容は以下からご覧いただけます。

関連記事:内定数が導入前と比較して115%アップ!効果改善を遂げたネオキャリア様のメールマーケティングとは?

購読解除への対策として絶対してはいけない「オプトアウトの非表示」

購読解除してほしくないとの思いから、購読解除の手続きに必要な情報あるいはURLをメール本文に記載しない、もしくは表示を分かりにくくしているメールやメルマガをたまに見受けますが、これは絶対にやめましょう。そもそも、購読解除に必要な連絡先やURLをメールに記載することは「特定電子メール法」で定められています。これに違反すると罰則を受けることになりますので、配信するメールには購読解除に必要な連絡先やURLの記載を徹底してください。

また記載はしているものの、記載方法が不明瞭であったり、離脱するのを期待して購読解除の手続きを複雑にするのもやめましょう。購読解除したいのに、どこで何をしたらいいかわからない、手続きが面倒となった場合、迷惑メール報告を行って強制的に配信を止めるユーザーも一定数います。迷惑メール報告を多く受けると、怪しい送信元と判定され、IPアドレスがブラックリスト登録されてしまう可能性があります。また、受信者の立場に寄り添った配信ができていないという点で、IPレピュテーションのスコアが下がるということも起こりえます。そうするとメールが届けられないなど不達率が上がってしまう原因にもなりますので注意しましょう。

不達率が上がる原因となる、ブラックリスト登録やIPレピュテーションのスコア低下については、以下の記事で紹介していますので、ご参考ください。

関連記事:メールが届かない!メールマーケティングの代表的なKPI「不達(バウンス)率」とは?

関連記事:【メルマガの法律】特定電子メール法って何?適用範囲と4つのポイントとは

関連記事:メルマガの法律『特定電子メール法』とは?オプトイン・オプトアウトも解説

オプトアウトの表示例

ユーザーがいつでもメールの受信を止められるよう、メールには必ずオプトアウト導線を記載しましょう。配信を停止するのに必要な連絡先、もしくはURLリンクをユーザーにとってわかりやすい箇所に明記しましょう。

前述の通り、IPレピュテーションのスコア低下にもつながりますので、分かりづらい部分に記載していたり、本文に比べて小さいフォントサイズで視認性を低くしているような記載方法は控えましょう。

<弊社メルマガのオプトアウト表示方法>

オプトアウトの表示例

関連記事:メルマガ配信停止の前にできる4つの施策とお客様への文面事例をご紹介

さいごに

購読解除が上がる要因や対応策から、よく購読解除上がる要因としてあげられる配信頻度についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

購読解除が上がってしまった場合は、コンテンツの見直しであったり、ユーザーの属性に合わせた配信をすることで改善できる可能性が高いです。

一方で、配信をすることで一定数の購読解除は出てしまうものです。小さな数値の変動に神経質になるのではなく、以前の配信と比べてどうか、かつ目標値以上に数値が出ているかどうかを見ながら、高い数値が続くようであれば対策を取っていくようにしましょう。

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山盛有希子

自動車部品メーカーで広報として3年間従事し、2020年6月にラクス入社。現在は、オンラインマーケティングチームに所属し、メルマガ運用やメルラボの企画・コンテンツ作成を担当。社内外向けにセミナーや勉強会を行い、メールマーケティングのナレッジを提供している。
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