既存客(取引円満終了)向けのナーチャリングのシナリオ例【連載第9回】
- 【連載】BtoB企業のための初めてのメールマーケティング講座 <戦略編>
こんにちは。株式会社グリーゼの江島です。
第2回で、名刺交換からのナーチャリングシナリオ例
第3回で、無料セミナー参加からのナーチャリングシナリオ例
第4回で、デモンストレーション参加前のナーチャリングシナリオ例
第5回で、上司決裁を手助けするナーチャリングシナリオ例
第6回で、商談が尻すぼみになってしまった場合のナーチャリングのシナリオ例
第7回で、失注してしまった場合のナーチャリングのシナリオ例
第8回で、既存客(取引継続中)向けのナーチャリングのシナリオ例
第9回で、既存客(取引円満終了)向けのナーチャリングのシナリオ例
をご紹介しました。
最終回となる今回は、代理店(パートナー)向けのナーチャリングシナリオ例を考えてみましょう。
「え? 代理店(パートナー)向けにもナーチャリングって必要なの?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、
〇代理店(パートナー)向けのWebサイト
〇代理店(パートナー)向けのニュースレター
などで、代理店(パートナー)とコミュニケーションをとっている企業は多いと思います。
ナーチャリングは、その一歩先をいくコミュニケーションだとお考えください。
代理店(パートナー)向けのナーチャリングとしては、以下のようなパターンが考えられます。
①あまり成果を挙げていない代理店(パートナー)に、もっと成果を挙げてもらうためのナーチャリング
②普通程度の成果を挙げている代理店(パートナー)を、優良代理店(パートナー)に育てるためのナーチャリング
③優良代理店(パートナー)に、さらに成果を挙げてもらうためのナーチャリング
④特定の分野でのみ成果を挙げている代理店(パートナー)に、他の分野でも成果を挙げてもらうためのナーチャリング
今回は、この④のパターンについて、考えてみましょう。
例えば、弊社の実例でいうと、こんなことがありました。
代理店(パートナー)A社は、Web制作会社です。
弊社を「ライターをたくさん抱えている会社」だと認識していたために、A社の「下請け」的なポジションでお付き合いしていました。
A社は、「グリーゼがマーケティングオートメーション(MA)に強く、全体概要設計から担当することができる会社だ」ということを知り、「MA導入企業の場合は、グリーゼが上流工程を担当したほうがうまくいく」と気づいたため、以下のような提案に方針を変更しました。
この方針変更により、関係する3社それぞれに、以下のようなメリットが生まれました。
今回は、この例のように「特定の分野でのみ成果を挙げている代理店(パートナー)に、他の分野でも成果を挙げてもらうためのナーチャリング」について、「Before」と「After」からシナリオを考えてみましょう。
「作戦」(シナリオ)を立てるときに最初に考えるべきは、「どんなBefore」を「どんなAfter」に変えたいのか?でしたね。
では、今回の対象者の「Before」とはどんな状態でしょうか? 例えば、こんな人をイメージしてみましょう。
代理店(パートナー)が長いお付き合いのところであればあるほど、数年前の御社のイメージのままで止まってしまっている可能性があります。
では、「After」はどうでしょうか?
では、望ましい「After」を手に入れるために、あなたならどんな「シナリオ」を立てますか?
もちろん
1) 新しい製品・サービスをリリースしたことを伝える
これは、もちろんとても大切です。 では、これだけの情報提供でよいのでしょうか?
「新しい製品・サービス」であるということで、例えば
・先行企業の製品・サービスの二番煎じなのではないか?
・先行企業の製品・サービスに比べて、品質が低いのではないか?
・先行企業の製品・サービスに比べて、実績が少ないのではないか? などの不安も、感じるかもしれません。
これらの不安を解消するために、
2) 十分な強み・実績などがあることを伝える
ことも大切ですね。
また
3)代理店(パートナー)向けから見た営業メリットを伝える
と積極的に売ってもらいやすくなります。
複数の新商品・新サービスを紹介する場合には、それぞれを深く知るためのWebコンテンツも用意してあげましょう。
代理店(パートナー)が提案しやすいような営業資料、代理店(パートナー)向けの価格表なども提供してあげると、より売ってもらいやすくなりますね。
まとめると、ナーチャリングのシナリオは以下のようになります。
積極的な代理店(パートナー)に新しい情報を提供することによって、さらに御社が活躍できる領域が広がっていくでしょう。
さて、いままで10回にわたって、シナリオ設計の考え方をお伝えしてきました。
ナーチャリングのパターンは、この連載でご紹介したものだけではなく、無数にあります。
お客様の課題解決のための設計をする際には、「どんなBefore」を「どんなAfter」に変えたいのか?という問いを、思い出してみてください。
ぜひご自分でも、様々なシナリオ設計にチャレンジしてみてくださいね。