受注につなげる!見積もりを伝えるメールの書き方

受注につなげる!見積もりを伝えるメールの書き方

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訪問の際、見積書を持参して手渡しすることが多かった人も、今ではテレワークが中心となり、見積書のPDFをメールに添付して送ることも増えたでしょう。「見積書を送るときに、どこまでプッシュしたらいいか迷う」という声も聞きます。そこで今回は、見積もりを伝えるメールの書き方について解説します。

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約束を果たすシンプルなメールで

見積書を郵送したり、手渡ししたりすることが減りました。私は、ほとんどの場合がメールの添付です。「原本を送ってほしい」と、たまに言われることがありますが、ごく少数です。見積書を受け取るのも、ほぼメールになりました。

以前、複合機を導入したときのことです。打ち合わせの場で見積もりを提示され、その場で料金交渉し、料金が確定しました。すると、その営業マンは、すぐに事務所へ戻り、1時間後、仰々しいくらい豪華な見積書掛紙に入れて持ってきてくれました。このような行為は、以前は当たり前だったかもしれません。しかし、今では働き方の多様化にともない、働き方自体を見直すようになり、急激に減ったように思います。もちろん、一部の業界では、このような手渡しの風習は残るでしょうが、多くはないでしょう。手渡しのほうが効果的なこともあるでしょうが、手渡しでなければならないシーンは少なくなっているようにも思います。

通常、何かしらの商談があってから見積もりを提示します。そのとき、どのように、見積もりを伝えるか、見積書を送るか。対面やビデオ会議などでの打ち合わせで詳細をまとめ、その場で「この内容で見積もりをください」といわれたら、見積書を作って送ります。

今はメールに添付して送ることが増えました。メールで送ることに不安があるときは「見積書はPDFをメール添付でお送りしてよろしいでしょうか」と聞けば安心です。原本を郵送してほしい、ファックスで送ってほしいといった先方の希望があれば、教えてくれます。 見積書は以下のようなメールで送ります。

件名:見積書(○○○○)ご送付

株式会社○○○○
○○○○様

お世話になっております。
一般社団法人日本ビジネスメール協会の山田です。

先ほどは、お時間をいただき、ありがとうございます。
○○○○の見積書を添付にてお送りいたします。

■添付
【見積書】株式会社○○○○御中(日本ビジネスメール協会).pdf

<内容>
・商品名:○○○○
・数量:300個
・金額:○○○,○○○円(税込)

通常、ご注文いただいてから約2週間で納品しております。
ただ、毎月最終週は注文が集中するため、3週間ほど頂戴することがあります。

できるだけご希望の期日に納品できるよう手配させていただきますので、
○月○日(○)までにご返答いただけると幸いです。

ご検討よろしくお願いいたします。

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一般社団法人日本ビジネスメール協会 山田 太郎(YAMADA Taro)
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-1 KIMURA BUILDING 5階
電話 03-5577-3210 / FAX 03-5577-3238 / メール info@businessmail.or.jp
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一般社団法人日本ビジネスメール協会 https://businessmail.or.jp/
アイ・コミュニケーション公式サイト http://www.sc-p.jp/
ビジネスメールの教科書 https://business-mail.jp/
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このメールを読んで「こんなにシンプルなメールでよいのだろうか?」と驚きましたか。営業なのだから、もっと熱意を見せないといけない。もっとゴリ押しをしたほうがいい。もっと結論を急がせたほうがいい。そう感じる人がいるかもしれません。でも、打ち合わせの場で、詳細を説明し、熱意や結論を急ぐことのメリットを伝えているはずです。メールで畳みかけると、強引な印象を与えることがあります。まずは見積書を送るという約束を果たすこと。そこで一言、意欲を伝えたければ、補足の説明とします。見積もりを伝え、ひとまず相手の出方を待つのが得策です。

見積書を送るメールの目的は何でしょうか。それは、見積もり内容を検討してもらうことです。見積書の中には細かい仕様や条件なども書かれているはず。相手が知りたいのは、何を、いくらで提供してくれるのか。ここに、打ち合わせで伝えていない追加の情報がたくさん出てきたら、どう感じるでしょうか。「段取りが悪い」「今さらなぜ」「話が違う」と思えばスムーズに検討はできません。急いでいるなど特段の事情がないなら、約束したとおりの内容で見積書を速やかに送りましょう。

見積もりの返事がくるタイミング

見積書は出して終わり。後は相手次第。それでは営業失格です。見積書を出すだけなら、ウェブサイト上でも完結できます。人が介在する意味がないのです。見積書を出して、検討してもらい、返事をもらう。そのための営業です。

見積もりを依頼してきた相手は、ピンポイントで1社だけを検討しているのか、複数社へ同時に見積もりをとっているのか、それによっても検討のモチベーションは違います。見積書を受け取った後、稟議書を作って役員の決裁をもらうのか、受け取った本人が決裁権を持っているのか、その後のプロセスによっても検討の段取りは異なります。それらによって、いつ頃、催促すべきかが変わるのです。いつ催促をすればいいか分からないと「まだ催促をしないほうがいい」「検討が終わったら連絡がくるだろう」と都合よく考えて、待ちの姿勢に逃げてしまいがちです。その結果、営業効率を落とします。催促のタイミングがずれると逆効果になることも。

そうした事態を防ぐために、あらかじめ聞いておきます。見積書を送ると約束する際に「○○さんお一人で検討されるのですか」「検討には、どのくらい時間がかかりそうですか」「いつ頃、ご判断いただけそうですか」「こちらから、あらためてご連絡したいのですが、いつ頃がよろしいでしょうか」というように、検討のプロセスやスケジュールなどを確認します。これが分からないと、見積書を送った翌日にも「ご検討状況はいかがでしょうか」と催促することになります。まだ見積書を開いてもいなければ「まだに決まっているじゃないか」となり、さらに1週間後にも催促したら「この人はしつこいから止めよう」となるかもしれません。

検討のプロセスやスケジュールを事前に聞いておくと、その後のコミュニケーションがとりやすくなります。見積書を送るメールの最後で次のように念押しすれば、次の行動予定も立てやすくなります。

検討に1週間ほどお時間がかかると伺っております。 またその頃に、こちらからもご連絡します。

相手の返信を8日間待ってみて、返信がなければ確認のメールを送ります。この場合、催促ではなく確認です。

先日お送りした○○のお見積もりについて、ご検討状況はいかがでしょうか。

先日お送りした○○のお見積もりについて、ご検討いただくにあたり不足している情報などはありませんか。

先日お送りした○○のお見積もりについて、ご検討いただくにあたり問題になっている点はございませんか。

先日お送りした○○のお見積もりについて、ご不明な点などはありませんか。

強い催促ではなく、状況を確認するメールを送ります。不明な点や不足している情報があれば、質問がくるでしょう。何度かメールを送っても返答がないときは、メールから電話に手段を切り替えてフォローします。「結論を出してもらう」ことが営業のゴールの一つです。次に進むためにも、結論を知る必要があります。返事がきていないのに「導入はしないだろう」「失注したのだろう」と勝手に予測してフォローを止めてはいけないのです。

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平野友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役。一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。実践塾シェアクラブ 主宰。 1974年、北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学専攻。広告代理店勤務を経て、2003年、メルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育・改善の第一人者として知られ、メールコミュニケーションの専門家。メールに関するメディア掲載1500回以上、著書32冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールやメルマガなどを駆使して1万社以上の顧客を開拓。メールのスキルアップ指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などに数多く携わる。官公庁、企業、団体、学校での講演や研修、コンサルティングは年間150回を超える。日本初のビジネスメール教育事業や検定試験を立ち上げるなど、ビジネスメール教育の普及に尽力している。
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