訪問したくないならメールを送ろう

訪問したくないならメールを送ろう

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私も起業する前は営業職でした。クライアントに電話をするよう上司から指示を受け、嫌々電話をしたことが思い出されます。久々に電話をしても何を話していいか分からない。そもそも相手が覚えていない可能性もある。タイミングが悪くて「今さら何の用だ」と怒られるかもしれない。そのため電話をする気がなかなか起こらないのです。

営業活動をしていると、間が空きすぎて電話をしにくい、相手との相性が悪くて接触をしたくない、反応がないので連絡しても無駄。そう感じることがあるかもしれません。

そういった相手に対してこそメールを送るべき。今回はその理由と方法を解説します。

 

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営業は確率論

営業をしていると「このお客さまは見込みがある」「このお客さまは見込みがない」と、営業マンの主観で判断して分けていることが多いでしょう。長年の勘や経験によってほぼ正しい結論が出せますが、時には、勘や経験は思い込みを生みます。その正解率は100%ではありません。95%や90%のように間違いもある。つまり、概ね正しいけれど間違いもあるわけです。

確率論で考えると、見込みがないお客さまよりは、受注率が高いお客さまをフォローするべきでしょう。

いつ電話をしても不在だったり、取り次いでもらえなかったり、それが10回も続くと「迷惑をかけているのではないか」「避けられているのではないか」と営業マンは主観で判断してしまう。お客さまは本当に忙しいのかもしれませんが、それは果たして「見込みがない」という状況なのでしょうか。見込みがないとはいえないけれど、タイミングが悪いだけということもあるのです。

見込みがあるのに、見込みがないとはいえないのに、営業マンの判断ミスによって見込み客から外れてしまう。そうしたケースは珍しくありません。そのようにして見込みがあるお客さまを自ら放置してしまう。これはもったいないことです

 

顧客を3カテゴリーに分類しよう

お客さまを次の3つのカテゴリーに分けてみましょう。

訪問したくないならメールを送ろう

「既存客」は、すでに仕事の取引がある(過去にあった)お客さま。継続してフォローすると、追加受注が見込めるかもしれません。当然、定期的にフォローしていくべきでしょう。

「見込み客」は、営業活動を続ければ受注ができるかもしれないお客さま。訪問や電話、メールなどを駆使して接触を続けます。予算を持っていて、どこかに発注する可能性が高い企業もここに含まれます。

「見込みの低い客」は、受注の可能性が5%以下のものだと考えましょう。他社への発注が濃厚。営業マンに対する興味が低い、営業マンとの相性が悪く訪問を望んでいない。これらもすべてここに含まれます。

新規に出会ったお客さまは「見込み客」か「見込みの低い客」のどちらかに振り分けます。数回訪問して「見込み客」から「見込みの低い客」へ格下げになるケースもあれば、もちろんその逆もあります。

「見込みの低い客」への訪問はストレスにしかなりません。時間やコストのかかる直接営業は「既存客」と「見込み客」に集中するべきです。

 

「見込みの低い客」にこそメールを送ろう!

先に「営業は確率論」だと書きました。最初は見込みが低くても、時が経てば状況も変わります。新商品の開発が当たったので、営業社員を増やすかもしれません。急な店舗展開があり、オフィスの拡充が必要かもしれません。出入りの業者にミスがあり、急きょ乗り換えをはかるかもしれません。提供している商材が急に必要になるかもしれません。昔は必要としていなかったことも、今は必要になっているかもしれないのです。

ルートセールスの場合、顔を出し続けていれば棚ぼたの案件があるかもしれません。しかし、それ以外の営業の場合、訪問自体がストレスになり、営業効率が落ちる可能性があります。だからこそ、接触にはメールを使う。メールでつながり続ける。メールによる定期接触を行い、状況が変わった瞬間に生まれるチャンスを逃さないようにするのです。

 

1対1のメールだと受け手も「返信しないといけない」とストレスを感じる可能性があります。だからこそ、メルマガ(同報メール)として送るのです。ちょっとした近況報告や業界の動向、イベントの案内などで構いません。つながり続けることで、相手がタイミングのいいときに連絡をくれるかもしれない。その可能性を信じて、ずっとつながり続けましょう。

冒頭に「いつかお役に立ちたいと考えているので、月に1回最新情報をお届けしています」とでも書けば、定期連絡だと分かります。メールの最後に「メール配信の解除はこちら」と書いて解除用のURLを貼り付ける。不要であればメールを受け取らない選択もできるので、受け手も安心です。

見込みが低いと感じていても、可能性がゼロではない限り接触を続ける。これが営業の極意です。

 

関連記事:営業メールは送り続けないと意味がない!?メールで商談を増やすためのポイント3選!

 

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平野友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役。一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。実践塾シェアクラブ 主宰。 1974年、北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学専攻。広告代理店勤務を経て、2003年、メルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育・改善の第一人者として知られ、メールコミュニケーションの専門家。メールに関するメディア掲載1500回以上、著書32冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールやメルマガなどを駆使して1万社以上の顧客を開拓。メールのスキルアップ指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などに数多く携わる。官公庁、企業、団体、学校での講演や研修、コンサルティングは年間150回を超える。日本初のビジネスメール教育事業や検定試験を立ち上げるなど、ビジネスメール教育の普及に尽力している。
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